今更…<総優> 5.
実は、総二郎は、其の男性ドクターに、睨み付けて居たのだった。
また、其の男性ドクターも、総二郎の事を、じーっと、観て居たのだった。
其の男性ドクターは、実は、外科のドクターだったのだ。
総二郎の手術は、外科部長が担当したので、其の男性ドクターは、総二郎との直接的な関わりは無かったのだ。
何故なら…。
総二郎の担当医も、また、外科部長が、担当して居たのだった。
だが、総二郎が、何者なのか?
また、如何いう人物なのか?
また、如何して、事件に巻き込まれたのか?
と言う事は、知って居たのだ。
だから、如何しても、総二郎と優紀との接点が、其の男性ドクターには、見出せなかったのだ。
だから、怪訝な顔付きで、総二郎を観て居た其の男性ドクターだった事は、言うまでも無かったのだ。
また、そんな顔付きの其の男性ドクターに対して、敵意向き出しの態度に成る総二郎だった事は言うまでも無かったのだ。
余りにも、其の険悪な雰囲気に、やっと、総二郎と其の男性ドクターが、殺気立っている事に、気が付いた優紀だったのだ。
だから、総二郎は、優紀の驚愕して居る顔付きに気が付いたのだった。
そして、総二郎は、優紀に声を掛けるのだった。
「優紀ちゃん…。
其のドクターと、付き合ってんの?」
そんな総二郎から訊かれた言葉に、優紀は、驚愕して、首を左右に振り乍ら…。
総二郎に言って除けるのだった。
「いいえ。
此方の先生は、外科の先生で、つい最近…。
道明寺総合病院に、赴任されたばかり何です。」
そんな優紀の返答に、ホッとして居る総二郎が居た事は、また、事実だったのだ。
そんな優紀の言葉を受けて、総二郎は、優紀に、伝えるのだった。
「じゃあ、俺の病室にも、時間が空いた時は、遊びに来てよ‼
待ってから…。」と…。
そんな総二郎からの言葉には、驚愕した優紀だったのだが…。
総二郎に、返答する優紀だったのだ。
「時間が空いた時で、良いですか?」
なので、総二郎は、総二郎の顔付きの中で、高校生の頃の優紀が、弱い顔付きをし乍ら、返答したのだった。
所謂、総二郎の綺麗な顔付きで、ニコッと、笑みを浮かべ乍ら、総二郎は、優紀に言って除けるのだった。
「ああ。
勿論だ‼」と…。
そんな総二郎と優紀の仲良さそうな雰囲気に、溜まらず…。
其の男性ドクターは、優紀に訊き始めたのだった。
「松岡さんは、此方の患者さんと、お付き合い為さって居るんですか?」と…。
此れには、優紀は、其の男性ドクターに伝えるのだった。
「いいえ。
お付き合いはして居ません。
実は、私の幼馴染で親友の旦那様の幼馴染で親友なのが…。
此方の西門さん…何です。
高校生の頃に、其の私の幼馴染で親友と一緒に居ると、何時も、西門さんとお会いする
ので、顔見知りに成ったんです。」
だが、総二郎は、そんな優紀の返答に、不貞腐れた顔付きに成り、言って除けるのだった。
「優紀ちゃん…。
俺は、優紀ちゃんの顔見知りだけじゃねぇよな?
俺は、優紀ちゃんにとっての『初(めての男)』…。」
優紀は、総二郎が、最後まで言わない様に、被せる様に…。
言って除けるのだった。
「あぁぁぁ~。
西門さん…。
其れは、忘れて下さい。」
そんな慌てて言って除ける優紀の姿を面白がって居るのは、総二郎の方だったのだ。
だから、総二郎は、言って除けるのだった。
「忘れねぇよ(笑)‼」と…。
だが、優紀は、話しを逸らせ様と、言って除けるのだった。
慌てた振りをして…。
「あっ。
私…。
休憩時間が終わりそうなので…。
もう、行きますね。」
そして、優紀は、本当に、其の場を後にしたのだった。
そんな総二郎と優紀の姿を観て居て、更に、怪訝に成る其の男性ドクターだったのだ。
そして、思うのだった。
“此の患者と松岡さんとの間には、何か?
絶対に有る。”と…。
なので、総二郎に訊き出そうとする其の男性ドクターだったのだ。
「貴方は、松岡さんと、本当は、如何いう関係…何ですか?」
なので、総二郎は、そんな其の男性ドクターに、ニヤニヤし乍ら、返答するのだった。
「俺と優紀ちゃんの関係か?
優紀ちゃんが、言って欲しく無さそうだけど…な。」
なので、掘り下げて訊こうとする其の男性ドクターだったのだ。
「貴方は、高校生の頃に、松岡さんとお付き合いをしていたと言う訳ですか?」
だが、総二郎からの返答は、飄々としたモノだったのだ。
「否…。
付き合ってねぇよ‼
唯、云う成れば…。
優紀ちゃんは、俺の『ファンタジスタ』って、処か?
そして、俺も、優紀ちゃんにとっての『ファンタジスタ』って、処だな。」
何を言って居るのか?
訳の分からない其の男性ドクターは、訊き返す言葉を失ってしまったのだ。
だから、言えた言葉だったのだろう。
「えっ??」
そんな驚愕顔を顔に張り付かせたまま、其の場に立ち尽くして居る其の男性ドクターを放って置いて、総二郎は、自身の病室に戻るのだった。
勿論、車椅子に座って居た事は言うまでも無いのだ。
唯、実は、リハビリ室まで連れて行って、リハビリ室に迎えに来て居た看護師には、「此処で良い。」と、伝えて、其の男性ドクターと優紀の下に向かって居た総二郎だったのだ。
其の時に、一緒に、リハビリ室から病室に向かって居た時に、付き添っていた看護師は、「此処で良い。」と、言われて居たのだが…。
何故か?
気に成って仕方なかったと言う事も在り…。
陰に隠れて、一部始終を観て居たのだった。
自分一人だけ戻ったのでは、後々、何を言われるか?
分からないという理由で、最初のうちは、様子を窺って居ただけだったのだが…。
此の光景が、如何いう意図を示すのか?
分かって居る看護師は、ナースセンターで、他の外科担当看護師達に、例の一部始終を話しして聞かせるのだった。
此の事が、道明寺総合病院内で、噂に成る事は、時間の問題と成ったのだった。