今更…<総優> 27.
実は、総二郎自身、家元と家元夫人に伝えていた優紀が社宅として住んで居る司所有のマンションの買取の件は、司からの了承が得られて居る訳では無かったのだ。
だが、総二郎自身…。
司からの了承が得られるという不確かな認識の下…。
否…。
其の時の総二郎にとっては、不確かな認識だったのだが…。
家元と家元夫人に、伝えて居たのだった。
なので、総二郎は、司に、懇願する必要性が有ったのだ。
という訳で、総二郎は、司を呼び出したのだった。
勿論、LINE報告だった事は言うまでも無いのだが…。
『司に相談してぇ事が有んだけど…。
頼めねぇか?』
司は、総二郎から、こんな風に、頼み事を、今までされた事が無いので…。
疑問しか無かったのだった。
だから、司にして視れば…。
総二郎に訊けた言葉だったのだろう。
『何だよ‼
気持ち悪ぃなぁ~。』
だが、総二郎は、会って話したいとでも言う様に…。
話しを焦らすのだった。
『まぁ、そう言うなって…。
会って話してぇから…。
会えるか?』
なので、司は、総二郎に確認したのだった。
『今日か?』
『ああ。』
という訳で…。
司と総二郎は、会う事に決まったのだった。
だが、司は、あきらに連絡を入れて、類も、誘ってもらい、F3で、総二郎に向かう事にしたのだった。
此れには、総二郎自身、驚愕だったのだ。
総二郎は、思うのだった。
“俺は、司から、どんだけ、警戒されてんだ⁉”と…。
だが、今の総二郎は、警戒されて居様共…。
其れ処では無かったのだ。
だから、会って早々に、総二郎は、司に懇願するのだった。
「司…。
折り入って、頼みが有んだよ。」
司は、そんな総二郎には、ぶっきら棒に、訊き出すのだった。
「何だよ?」
なので、総二郎は、そんな司を観て居て、笑いたいのを、我慢するかの様に、言い始めたのだった。
「ああ。
あのなぁ~。
優紀が、社宅として、住んで居るマンションを、俺に売ってくれねぇか?」
驚愕したのは、他でも無い司だったのだ。
「はぁ~??」
だが、類は、クスクス、笑い乍ら…。
総二郎に言って除けるのだった。
「総二郎…。
魂胆が丸見えでしょ‼
松岡を、総二郎の手元に置く為の手段を取ろうとしてるよね?
でも、そうでもしないと…。
松岡の気持ちを、取り戻せないかも…ね。」
此れには、あきらも、類に賛同するのだった。
「まぁ~、そうだろうな。
優紀ちゃんも、意外に、頑なだよな?
牧野…並か?
司じゃねぇけど…。
こういうタイプの娘(こ)には、強引位ぇが、丁度良いのかもな?」と…。
そんな司と総二郎は、あきらの言葉に、イラっと、して居たのだった。
だから、司と総二郎にして視ても、言えた言葉だったのだろう。
「何で、此処で、つくしまで、引き合いに出してんだよ?
あきら…。
いい加減にしろよ‼」
「司と俺を、一緒にすんじゃねぇよ‼」
なので、司と総二郎のそれぞれから、指摘をされたあきらは、苦笑いだったのだ。
だが…。
あきらは、思って居たのだった。
“ここ最近の総二郎は、T2じゃねぇが…。
司…化。
して来たよな‼
F4から、『猛獣』が、二人も出来るとは…。
後は、牧野と優紀ちゃんに、任せるしかねぇな‼”と…。
だが、総二郎は、再度、司に懇願するのだった。
所謂、総二郎にとっては、話しを元に戻したと言う事なのだ。
否…。
軌道修正したに過ぎ無いのだ。
「だから…よ。
司…。
優紀の住んでるマンションの件だけど…よ。
俺に、売ってくれんだろ?」
司は、類の話しじゃ無いが…。
総二郎が、起こしたいアクション位は、分かり切って居たのだ。
もし、総二郎の立場が、司自身だとしても、きっと、司も、総二郎と同じアクションは、起こしていたと言えたのだから…。
だが、優紀が、社宅として、住んで居るマンションは…。
既に、道明寺HDの傘下で在る 道明寺不動産が、主体と成って、経営して居るのだ。
司は、唯単に、オーナーというだけだったのだ。
だから、“オーナーが、変わっただけ…。”と、いう訳には、いかないのだ。
所謂、其の事も、“総二郎が、認識出来て居るのか?”と、云う事に掛かって居たのだった。
実は、西門家も、今や、不動産経営に、乗り出し始めて居たのだった。
だからこそ、其処の処も、お互い、理解していかなければ成らない事案だったのだ。
だから、司は、総二郎に話しし始めたのだった。
「あのマンションは、今は、道明寺HDの不動産部門が、引き継いで経営してんだ。
云わば…。
俺は、オーナーって…だけだ‼
だから、総二郎に売るので在れば…。
道明寺不動産と、話し合いが必要だろ‼
また、其の機会を作る必要性は有んだろ?」
此れには、総二郎も納得するしか無かったのだった。
だが、司は、一言、付け加えて居たのだった。
「総二郎の気持ちも、俺には、分かるから…よ。
前向きに考えるけど…よ。
一応、ビジネスとして、捉えてもらう必要性は有んだろうな。」と…。
なので、総二郎も、そんな司に、納得の意を伝えたのだった。
「ああ。
宜しく頼むわ。」と…。