今更…<総優> 35.
総二郎は、如何しても、優紀の学費の返済を、自分自身で、司に返済したかったのだ。
其の事で、総二郎は、“優紀に償いたい‼”と、考えて居たからだったのだ。
だが、司からの助言の言葉も理解出来る総二郎は、如何したら良いのか?
悩むしか無かったのだ。
なので、あきらを呼び出した総二郎だったのだ。
“あきらなら、如何するだろうか?”と、総二郎の頭の中を過った事が、あきらを呼び出そうとした切っ掛けだったのだ。
勿論のLINEで、あきらを呼び出す総二郎だったのだ。
“優紀に訊かれても拙いだろう。”と、総二郎は、考えたからだったのだ。
『あきら…。
お前に相談したい事が有んだけど…よ。
会って、相談に乗ってくれねぇか?』
あきらにして視ても…。
総二郎からの相談に乗って遣る事は言うまでも無いのだが…。
“俺に、相談事って…。
どんな相談事なのだろうか?
やっぱり、総二郎は、優紀ちゃんと、何か有ったんだろうか?”と、不安に成り乍らも、あきらは、総二郎からのLINEに返信するのだった。
『ああ。
分かった。』と…。
そして、総二郎とあきらは、会う事にしたのだった。
其の席で、総二郎は、司から聞いた優紀との約束の話しを、あきらに言って聞かせるのだった。
勿論、『他言無用』と言う事を前提に、総二郎は、あきらに話しした事は言うまでも無いのだが…。
そんな話しを、総二郎から聞いたあきらは、或る意味、ホッとして居たのだった。
だから、あきらは、総二郎に、“自身の立場なら…。”と、言う事を前提で、話しし始めるのだった。
「俺も、司の意見に賛成だな。
元々、牧野も、そういう考え方の持ち主なのは、当然だけど…よ。
優紀ちゃんも、大概、そう言う処…。
有ったと思うぞ。
牧野…程じゃねぇとしても…な。
けど…よ。
まさか…⁉
司が、幾ら、牧野の為だとしても…。
優紀ちゃんに、学費の援助をして居たとは…な。」
其処は、総二郎も、司には、感謝し乍らも、思って居たのだった。
「ああ。
そう何だよな。
牧野以外の他人の事は、男女問わず…。
何とも思わねぇ様なあの司が…だぜ。
“其の当時の松岡(優紀)の学費の手配(援助)をして遣って居た。”と、聞いて、俺自
身、吃驚した事は、間違いねぇんだけど…よ。
でも、其れだけ、“司が、周りを観れる様に成って居た。”と、言う事だよな?
牧野の力は、司にとって、絶大だよな。」
なので、あきらも、総二郎の話しには、賛同するのだった。
「ああ。
最もだ。」と…。
だが、あきらは、続けて、総二郎に尋ねるのだった。
「で、総二郎は、如何すんだ?」
だが、今の総二郎には、答えが出なかったのだ。
何故なら…。
あきらまで、司の意見に賛同したのだ。
だからこそ、総二郎は、“自身の気持ちを封印して、優紀の思いを、貫かせる方が良いのか?”と、思い始めて居たのだった。
だが、総二郎は、何処か?
そう思う自身の気持ちにも、腑に落ちて居なかったのだ。
だから、悩む総二郎が、其処には、居たのだった。
なので、総二郎は、あきらに言えた言葉だったのだ。
「如何すっか?
俺は、優紀が、返済完了するまで、待てねぇと思うんだよな。
今直ぐにでも、“優紀と入籍してぇ‼”と、思ってる位ぇなのに…よ。
“優紀が、完済するまで、待て‼”と、言われて、普通、待てるか?
俺は、如何考えても、無理だぜ。
でも、司 や あきらが、言ってる意味も分かってんだ。
俺等(F4&滋&桜子)と、牧野と優紀との考え方に、ギャップが有ると言う事も…。
けど…よ。
“俺には、優紀の事すら、何もして遣れねぇのかよ?”って…。
思ってしまうんだよな。」
だが、そんな風に総二郎から話しを聞いたあきらとって、そんな風に悩む総二郎の気持ちも理解出来るのだ。
だからこそ、あきらにしても、そんな総二郎の苦しさは、あきら自身、当事者では無いので、何と無くでは在るのだが…。
あきらにとっても、分かるつもりで居たのだった。
だから、あきらは、そんな苦しそうな総二郎に言えた言葉だったのだ。
「そうだよな。
俺が、総二郎の立場だとしたら…。
俺も、そんな風に、思うのかも…な。」
なので、総二郎は、あきらが、そう言ってくれた事に、何処か?
自身の考え方が、或る意味、間違って居ない事を、感じたのだった。
だから、総二郎は、あきらに言えた言葉だったのかも知れない。
「だろ?
だから…よ。
どっちが正解なのか?
俺には、分かんねぇんだよな?」
其処で、あきらは、そんな総二郎に言って除けるのだった。
「だったら…よ。
優紀ちゃんの気持ちを、桜子に訊かせたら良いんじゃねぇか?」
総二郎は、そんな風に言って来るあきらの顔付きを、じーっと、観乍らも…。
驚愕するのだった。
何故なら…。
総二郎には、あきらが、桜子と、急接近して居る様にも思えたからだったのだ。
なので、総二郎は、そんなあきらに言えた言葉だったのだ。
「あきら…⁉
今のあきらからの話しを聞いてて、思うんだけど…よ。
如何見ても…。
あきらと桜子が、急接近して居る様に、俺には、思えて成らねぇんだけど…な。
其れって、俺の気のせいか?」
だが、あきらは、笑い出しのだった。
「はぁ~(笑)??
何を勘違いしてんだよ⁉
偶々だろ?
牧野は、司の奥さん…。
で、優紀ちゃんは、総二郎の彼女…。
だから、滋と桜子なら…。
俺との話しが通じるのは、桜子の方だろ?
俺が、もし、牧野 や 優紀ちゃんと、二人だけで話しして居る処を、司 や 総二郎
が観れば…。
変な疑いが、俺に掛かるだけだろ?
元々、俺は、優紀ちゃんとそんなに掛かってねぇよ。
けど…。
優紀ちゃんが、総二郎の彼女じゃ無ければ…。
あの当時の俺だけじゃ無く、今の俺にとっても、話しし易いのは、優紀ちゃんだったか
も…な。
感覚としては、牧野と同じ感覚を持って居るのは、優紀ちゃんだから…よ。」
なので、不安に成った総二郎は、あきらに問い掛けたのだった。
「まさか…?
あきらは、優紀に、興味が有ったって、訳ねぇよな?」
なので、あきらは、総二郎に言って除けるのだった。
「はぁ~??
何で、そう成るんだよ?
訳分かんねぇ?
唯、話しし易さで云えば…だろ?」
なので、総二郎は、ホッとした様に、あきらに言って除けるのだった。
「だったら…。
別に、良いんだよ。」
だが、そんな総二郎に、嫌味を言って除けるあきらだったのだ。
「なぁ~、総二郎…。
今更…だよな?
高校のガキの頃の総二郎は…。
優紀ちゃんに、全く、興味がねぇ様な顔をして…。
今更…。
優紀ちゃんを束縛しようとするって…。
そりゃあ、優紀ちゃんも、怒ってくんじゃねぇの?」
其処まであきらから言われた総二郎は、不貞腐れた顔付きに成るのだった。
だが、此の時の不貞腐れた総二郎の顔付きは、今までの総二郎が、誰にも見せた事の無い総二郎の顔の表情だったのだ。
或る意味…。
あきらは、そんな総二郎の事を、今更乍ら、思うのだった。
“今の総二郎が、普通の『男』に観える。
総二郎は、優紀ちゃんに寄って、変われたのかも知れねぇな?”と…。