人間恐怖症…<つかつく> 74.
美桜は、唯、考え事をして居ただけで、決して、司を怖がった訳では無かったのだ。
だが、司は、美桜から怖がられたと、思い込んで居たのだ。
不安に成る司だった事は言うまでも無いのだ。
だからだったのだろう。
司は、美桜に声を掛けて視たのだった。
勿論、恐る恐る…。
「美桜…。
如何した?」
司の声は、震えて居たのだ。
だが、やっと、我に返った美桜は、司の方を向いたのだった。
そして、美桜は、司に、返答するのだった。
「あっ⁉
ごめんなさい。
ちょっと、考え事…して居て…。」
司は、再度、美桜に訊いて視るのだった。
「考え事…⁉」
そんな風に、不安顔に成る司に、美桜は、訊いて視る事にしたのだった。
「はい。
考え事です。
司さん、訊いても良いですか?」
なので、司は、“きっと、記憶の事だろう。”と、思い乍らも、美桜に、即答するのだった。
「ああ。
良いぞ‼」と…。
なので、美桜も話しし始めるのだった。
「はい。
実は、私の記憶の事…何ですけど…。」
此の時の司は、思うのだった。
“やっぱり…な。”と…。
だが、此の時の司は、何食わぬ顔で、美桜の話しを聞いて遣るのだった。
「進も、以前から、司さんの事を知って居たという事ですよね?」
司は、思うのだった。
“そう言う事か?”と…。
だからこそ、司は、美桜に、言えた言葉だったのだろう。
「ああ。
知って居た。
俺は、進が、中学の頃から知って居る。
俺とお前とは、其の頃から付き合っていたから…な。」
其処で、美桜は、確信を突くかの様に、司に訊き始めるのだった。
「司さんと私は、何処で、知り合ったんですか?」
なので、司は、オブラートに包むかの如く…。
上辺だけ、言って除けるのだった。
「英徳学園だ‼」と…。
司からそう聞かされた美桜は、不思議で仕方なかったのだ。
何故なら…。
自身が、英徳学園に通って居た等と…。
とても思え無かったのだ。
だからだったのだろう。
美桜は、驚愕顔を顔に張り付かせたまま…。
司に、訊き返すのだった。
「英徳学園…ですか?」
そんな美桜に、司は、返答するのみだったのだ。
「ああ。」と…。
だが、此の時の美桜の中では、考えられ無かったのだ。
だからだったのかも知れない。
美桜は、其れでも、まだ、司に訊き始めるのだった。
「でも…。
進は、永林学園ですし…。
私は、桜林女学院ですし…。
英徳学園とは、全く、違うと思うんですけど…。」
なので、司は、真剣な顔付きのまま…。
美桜に、話しし始めるのだった。
「まぁ~、そうだな。
確かに、進は、永林(学園)だな。
美桜も、今では、桜林(女学院)だし…な。
けど…な。
高校2年までのお前は、英徳(学園)に、通って居たんだよ。
其処で、俺とお前は、知り合った。」
だが、其れでも、今の美桜にとって、不思議な事が有るのだ。
其れは、学年の違い…。
だからこそ、“訊いて視よう。”と、思う美桜だったのだ。
「でも、以前、司さんは、私に、仰いましたよね?
司さんは、私より、“1歳年上だ。”と…。
と言う事は、如何遣って知り合ったんですか?」
此の時の司は、如何言おうか?
迷って居たのだ。
全てを、今、此処で話す訳にはいかないのだ。
だからこそ、迷う司だったのだ。
だが、言わない訳にもいかない。
司は、はぐらかすかの様に、話しし始めるのだった。
「う~ん。
お前は、友達を救う為に…。
正義感で、俺に向かって来た。」
美桜は、目を見開き、開いた口が塞がらない状態と成り…。
更に、驚愕するのだった。
だからだったのかも知れない。
美桜は、司に、訊き返すのだった。
「正義感…⁉
私が、司さんに向う?」
だが、此の時の司には、其れ以上、云えないと思うのだった。
其れ以上、云えば…。
美桜の頭の中が、混乱する事が分かって居たからなのだ。
何故なら…。
其の当時の『牧野つくし』という女性は、現在の美桜には、有り得ない状況だったのだから…。
現在の美桜は、『牧野つくし』とは、全くの真逆と云っても過言じゃ無い程…の女性なのだ。
だからだったのだろう。
美桜には、信じがたい話しだったのだ。
其れ以上…。
美桜は、何も言えなくなってしまったのだ。
だからこそ、司も、其れ以上…。
何も、言わず…。
唯、美桜の顔色を、見続けて居たのだ。
其の時の美桜が、何を考えて居るのか?
気に成り始める司だったのだ。
“俺の伝え方は、今の美桜にとっては、ショックだったのかも知れねぇ。
もしかして、俺は、拙ったのかも…な。”と…。
此れこそ、『後の祭り』と、言うモノだろう。
其の後の司は、美桜の動向を確認し続ける事に成るのだった。
<此の二次小説『人間恐怖症…<つかつく> 74.』は、キリ目が良い為に、短めに
成っております事をお詫び申し上げます。
了承の程、宜しくお願い致します。>