人間恐怖症…<つかつく> 79.
実は、古菱社長は、自身の妻で在る 古菱夫人にも、お墓参りの件は、伝えたのだった。
だが、古菱夫人からの返答は、良い返事では無かったのだ。
「私(わたくし)が、行く必要性は無いかと思いますわ。
ですので…。
参りません。」と…。
古菱社長とて、古菱夫人の返答の件が、そう言って来るだろう事は、分かり切って居たのだ。
何故なら…。
自身の妻で在る 古菱夫人にとって、牧野夫妻と言うのは、自身から、美桜を、(牧野夫妻に)取られて居たというスタンスなのだ。
だからだったのだろう。
古菱夫人は、牧野夫妻のお墓参りに行く気には成らなかったのだ。
なので、古菱社長は、古菱夫人に伝えたのだった。
「分かった。
だが、美桜が行きたがっている。
なので、私は、美桜を連れて行く。
其の件に関しては、美桜に、抗議しない様に…。」と…。
なので、古菱夫人は、自身の夫で在る 古菱社長に、了承の意を伝えるしか無かったのだった。
「ええ。
承知致しましたわ。」と…。
という訳で、其の日のお墓参りは、古菱社長と美桜と進と潤とで、お参りする事に成ったのだった。
だが、其の筈だったのだが…。
古菱邸のエントランスには、司が居たのだった。
実は、司は、進に、お墓参りの日にちを確認して居たのだ。
司は、“美桜が、牧野の父ちゃんと母ちゃん(夫妻)のお墓参りに行くなら、一緒に、行きたい‼”と、いう願望が在ったのだ。
なので、西田に頼んで、スケジュール調整させてまで、同行する事にしたのだ。
古菱社長と美桜と進は、古菱邸のエントランスに居る司に驚愕して居たのだ。
唯…。
否…。
やはりと言うべきか?
古菱邸のエントランスに居る司を観て、喜んだのは、潤だけだったのだ。
潤は、司に向かって走り出し…。
司の足に、抱き着いたのだ。
なので、司は、そんな潤を抱き上げて、言ったのだ。
「おはよう、潤‼」と…。
なので、潤も、ニコニコと、笑い乍ら…。
そんな司に、返答するのだった。
「おはよう、パパ‼」と…。
そして、続け様に…。
潤は、司に訊き始めるのだった。
「パパも、いっしょ(一緒)に、いく(行く)の?」と…。
なので、司は、潤の顔を観乍ら、言って除けるのだった。
「ああ。」と…。
そして、司は、古菱社長の方を向き直しして…。
懇願するのだった。
「古菱社長…。
お願いが有ります。
私も、同行させて下さい。
私は、牧野夫妻と知らない仲では在りません。
ですので、ご一緒させて下さい。」と…。
此の時の司は、抱き上げていた潤を下ろして、古菱社長に頭を下げて居たのだ。
そんな司の姿に、拒否の出来ない古菱社長は、司の懇願を了承するのだった。
「まあ、良いだろう。」と…。
此の時の美桜と進姉弟は、苦笑いだったのだ。
そして、此の時の美桜は、思うのだった。
“司さんは、何を考えて居るのだろう。”と…。
そして、此の時の進も、思うのだった。
“義兄さんらしい。”と…。
そして、御一行様は、牧野夫妻のお墓参りに行く事に成ったのだった。
司は、乗車して来た道明寺家のリムジンに、美桜と潤を乗せた。
勿論、古菱社長の了承を得た事は言うまでも無いのだが…。
そして、古菱家のリムジンには、古菱社長と進が乗車したのだった。
此の時の潤は、久し振りのお出掛けに『+』して…。
パパとママと一緒なのだ。
此の時の潤にとっては、ちょっとしたピクニックに行く様な気分で居たのだった。
そんな潤は、終始…。
「たのしい(楽しい)なぁ~。」を、連発して居たのだった。
リムジンの中の潤は、飛んだり跳ねたりの大騒ぎだったのだ。
そんな潤を、咎める美桜だったのだが…。
司が止めたのだっだ。
何故なら…。
潤を喜ばせたい一心の司だったのだから…。
所謂、司は、潤に甘いパパだった事は言うまでも無いのだ。
勿論、美桜にも甘い司だったのだが…。
其処で、怒る美桜だった事は言うまでも無いのだ。
そして、そんな美桜を宥める司だった事も、また、言うまでも無いのだ。
兎に角、此の時のリムジンの中は、普段の親子3人の日常かの様な状態だったのだ。
其の後…。
御一行様が、牧野夫妻のお墓の前に到着した時の事だったのだ。
潤には、訳が分かって居ない故…。
仕方無かったのだが…。
突然、潤が訊き始めたのだ。
「う~ん?
このおはか(墓)は、だれ(誰)のおはか(墓)?」と…。
なので、古菱社長は、そんな潤に、言って除けるのだった。
「ママとにぃに(進)の大切な人の(お)墓だ‼」と…。
だが、未だ、訳の分からない潤は、無理矢理、納得するのだった。
「ふ~ん。」と…。
だからだったのだろう。
此の時の司と進は、思うのだった。
“今の潤じゃあ…。
仕方ねぇ(無い)だろうな。”と…。
そして、お墓に着いた時の美桜は、お墓の中に眠る『牧野つくし』と進姉弟の実父母に、お礼の言葉を伝えるのだった。
勿論、心の中で…。
“私には、記憶が有りません。
でも、私を育てて下さったと、伺いました。
本当に、有難う御座いました。”と…。
此の時の美桜は、心の中が、何故か?
軽く成って居たのだった。
何故かと云う事は、此の時の美桜には分からなかったのだが…。
そんな美桜の顔付きを観た司は、思うのだった。
“何か?
美桜の顔付きが、柔らかく成ってるな。
美桜にとっては、此の墓参りは、来て良かったのだろう。
記憶が無くても、やはり、美桜の心の中には、牧野の父ちゃんと母ちゃんは、存在して
居たのだろう。”と…。
また、進も、そんな美桜の様子を観て、思って居たのだった。
“今回、此の墓参りに来て…。
姉さんの中で、何かが変わったのかも知れないな。”と…。
そして、進は、帰りの古菱家のリムジンの中で、自身の父親と成った古菱社長に、お礼の言葉を伝えるのだった。
「父さん…。
今月のお墓参りに、姉さんを連れて来てくれて有難う‼
姉さんの顔付きが、何か?
柔らかく成って居た様に、感じたよ‼」
なので、古菱社長も、進に、ニコッと、微笑んで、話しして居たのだった。
「そうか?
其れは、良かった。
美桜には、記憶が無く共…。
心に、蟠りが有ったのかも知れんな。」と…。
だからだったのだろう。
進にも、思えて居た事なので、自身の父親と成った古菱社長に、言って除けるのだった。
「うん。
そうだと思うよ。
だからこそ、今日のお墓参りには、意味が在ると思う。」と…。
そして、其の後の美桜は、何処か?
今までとは違う対応を、司に取る様に成るのだった。
<此の二次小説『人間恐怖症…<つかつく> 79.』は、本日(8月13日)は、お盆シ
ーズンと言う事も有り、お墓参りネタに成っております。
了承の程、宜しくお願い致します。>