もし、全員、幼馴染だったら…<F4&T4> 5.
此の時の司は、滋を軽蔑して居たのだ。
何故なら…。
滋にとってのつくしは、従姉妹なのだ。
此の時の滋は、司に、従姉妹のつくしよりも、自身(滋)の方が良いと売り込んで来たのだ。
だからだったのだろう。
そんな滋を軽蔑し始めた司だったのだ。
なので、此の時の司は、そんな滋を罵倒し始めたのだった。
「あのなぁ~。
滋…。
お前にとって、つくしは、従姉妹だろ?
其の従姉妹の事を、良く、そんな風に言えるよな?
そんな滋が、或る意味…。
凄ぇと思うし…よ。
軽蔑するわ。
俺は、あいつじゃなきゃあ…な。
駄目…何だ‼
其れと、此の際だから…よ。
はっきり、言って置く。
俺は、お前の事を、今の今まで…。
唯の一度も、女として見た事はねぇ。
俺にとってのお前は、ダチだと思って来た。
男でも無ければ、女でもねぇ…。
所謂、唯のダチだと思って来た。
お前も、知ってるとは思うけど…よ。
俺は、女嫌ぇだ‼
其の俺が、俺の傍にお前が居ても、何も言わねぇのは、つくしの従姉妹だから…だ。
其れと、何度も言うが、お前は、ダチだから…だ。
だが、其れも、今日でお仕舞いだな。
今の今から、お前は、俺のダチでも無ければ…。
唯の此の英徳(学園)での同級生だな。」と…。
だが、其れでも、滋は、司に訊くのだった。
「其れって…。
司にとって、つくしは、女で…。
私は、女でも無いし…。
男でも無いって事…?」と…。
なので、最後通告かの様に、司は、そんな滋に、言って除けるのだった。
「否…。
滋…。
お前は、其れ以下だな。」と…。
其処まで、司から言われた滋は、涙が出そうに成って居たのだ。
だが、此の時の滋は、泣く事を我慢して居たのだ。
だが、止め処なく…。
涙が、流れ始めて居たのだった。
実は、司は、女性の涙が、一番、嫌いだったのだ。
何故なら…。
司にとっての女性の涙は、『卑怯な手段の道具』と、思って居たからだったのだ。
だからこそ、司は、思うのだった。
“滋は、つくしの従姉妹だから…。
何が有っても、泣かねぇと思っていたが…。
やっぱり…。
俺に、涙を見せるんだな。”と…。
なので、司は、そう思い乍らも…。
滋の前から、立ち去ったのだった。
実は、此の時の滋は、崩れそうに成って居たのだった。
そして、其の思いのまま…。
滋は、大河原邸に戻り、自室に入り、着替える事無く、ベッドにダイブして、泣き崩れて居たのだった。
滋にとっての司への想いは、『初恋』だったのだ。
そんな滋の初恋は、見事に、無残に、散ったのだった。
滋の母親で在る 大河原夫人は、此の時のそんな滋の様子を観て居て、思うのだった。
“滋は、きっと、司君に告白したのだろう。
そして、滋は、失恋したのかも知れないわね。
今は、滋を、そーっと、して置きましょう。”と…。
そして、自身の夫で在る 大河原社長に、期待を持たせた事を反省して、大河原夫人は、其の夜に、滋の件を報告するのだった。
勿論、大河原夫人から、話しを聞いた大河原社長とて、全面的に、期待をしていた訳では無いのだが…。
道明寺家との姻戚関係を持ちたかった大河原社長にとっては、期待外れの結果に、ショックが大きいと云えたのだった。
そして、つくしは、其の後の司と、英徳学園内で、ばったり、会ったのだった。
実は、司は、つくしを探して居たのだった。
何故か?
司のそんな様子を観て居て、訊く気じゃ無かったのにも関わらず…。
つくしは、滋の事を司に訊いてしまったのだ。
「今日…ね。
滋お姉様から、何か?
言われなかった?」と…。
そんな風に訊いて来たつくしに、司は、“つくしは、知ってて、俺に、訊いてるよな?”と、思うのだった。
だからだったのだろう。
司は、ニヤッと、し乍らも、つくしに言って除けるのだった。
「何の事だよ?」
態と、つくしに言わせ様とする司だったのだ。
だが、此の時のつくしには、司の魂胆等…。
気が付く事は無かったのだ。
敢えて言う成らば…。
つくしは、司の魂胆が見えて居なかったのだ。
だからだったのだろう。
つくしは、思わず、白状してしまうのだった。
「えっ??
まだ、訊いて無い?」
そして、つくしは、続け様に、呟いてしまって居たのだ。
独り言の様に…。
唯、此の時のつくしは、口に出して、言って居るつもりは無かったのだが…。
“可笑しいなぁ~。
滋お姉様が、司に告白するって、言って居たんだけど…なぁ。”と…。
そんな風に、呟いて居るつくしに対して、司は、上機嫌で、つくしに言って除けるのだった。
「何…?
つくし…。
知りてぇの?」と…。
司から、そう訊かれたつくしは、首を傾げて居たのだった。
だからこそ、つくしは、司に、言えた言葉だったのだろう。
「何を…?」
そんなつくしの言葉に、驚愕するやら…。
呆れるやらの状況だった司だったのだ。
なので、司は、思わず、つくしに、言ってしまったのだ。
「滋が、俺に、告白した時の俺の答え…。」
此の時のつくしは、思うのだった。
“何故?
司に分かったのだろう。”と…。
テンパり始めるつくしは、司の顔を、唯、ジーっと、観て居たのだった。
そんなつくしに、返って、司は、照れ始めるのだった。
だから、つくしは、司に言って除けたのだった。
「司の顔が、真っ赤だよ‼」と…。
なので、司は、照れを隠すかの様に、つくしに、言って除けるのだった。
「うっせぇ~よ。」と…。
そして、司は、続けて、つくしに、伝えるのだった。
「俺は、滋を振った。
滋には、言ったが…。
俺には、好きな女が居る。
俺は、其の女じゃなきゃあ…な。
駄目…何だ‼
なぁ~、つくし…。
だから…よ。
俺にしとけ‼」と…。
だが、此の時のつくしは、きょとんと、して居たのだ。
「何を…?」
だからだったのだろう。
つくしが言った言葉は、其の後の司を怒らせる結果と成ったのだった。