もし、全員、幼馴染だったら…<F4&T4> 6.
此の時の司は、怒りを抑える事が出来ずに居たのだった。
つくしが言った『何を…?』のきょとんとした言葉に、仰け反りそうに成って居たのだから…。
仕方ないと云えば…。
仕方無かったのだろう。
だが、未だ、訳の分かって居なさそうなつくしだった事も、また、言うまでも無かったのだ。
だからだったのだろう。
此の時のつくしには、何故、司が怒って居るのか?
理解出来ずに居たのだった。
司は、そんなつくしの様子を観て居て、つくしの心情を理解するも…。
司自身…。
自身の怒りを抑え切れずに居たのだった。
だからこそ、司は、つくしに言って除けるのだった。
「あのなぁ~。
つくしは、分かってんのか?
俺は、“お前が好きだ‼”と、言ってんだ‼
けど…な。
お前が、そんな風だと…。
俺が、お前に、幾ら、“お前が好きだ‼”と、伝えても、伝わりそうにねぇな。
だから…。
つくし…。
俺に、就いて来い‼」
だが、此の時のつくしは、其れでも、きょとんとして居たのだ。
其の時のつくしの心の中では、そんな司の事を思うのだった。
“何故…。
司は、そんなに、怒って居るんだろう?
訳が分からない。”と…。
実は、未だ、つくしは、自身の気持ちを、理解して居ないので…。
そんな風に、司が言って来る意図が見えて居ないのだ。
何故なら…。
司が、幾ら、つくしの事を好きだと言った処で、つくしには、司が、本気で、そう言って居るとは思え無かったのだ。
だから、つくしには、“司から、揶揄われてる。”と、思えて居たのだ。
だが、司のつくしへの想いは、本物なのだ。
だからだったのだろう。
司は、つくしを連れ出すのだった。
そして、司が、つくしを連れ出した場所とは…。
そうなのだった。
道明寺邸だったのだ。
そして、司が、つくしを、道明寺邸に連れて入って来た事で、タマは、驚愕するのだった。
実は、司とつくしの母親同士が幼馴染で親友だった事から…。
幼少期の頃のつくしは、良く、道明寺邸に遊びに行って居たのだ。
つくしは、妹が欲しかったという椿と仲が良く、可愛がって貰っていた事から…。
幼少期の頃のつくしは、良く、道明寺邸にて、椿に遊んでもらって居たのだ。
道明寺邸に現れたつくしは、タマから、声を掛けられたのだった。
「あれ…まぁ~。
つくしお嬢さん…。
お久し振りだ事…。
ここ最近では、滅多に、此方(道明寺邸)に、お越しに成らないから…。
タマは、寂しく思って居りましたよ。
で…。
今日は、司坊っちゃんのお供ですかい?」と…。
其処で、つくしは、タマに、助け舟を求めるかの様に…。
言って除けるのだった。
「タマさん…。
ご無沙汰してました。
実は、司に、無理矢理、連れて来られて…。」
だが、タマには、つくしの意図して居る所は、気が付いて居たのだが…。
司の気持ちを知って居るタマは、司の味方をするのだった。
「そうかい。
まぁ~、仕方ないさね。
司坊っちゃんは、つくしお嬢さんの事が、好きで居らっしゃるんだし…。」
だが、此の時のつくしは、タマに…でさえ、驚愕する様な言葉を、言って除けるのだった。
「其れって…。
『友達として』の好きでしょ?」と…。
此の時の司は、驚愕処では無かったのだ。
かなり、真っ赤な顔付きで、驚愕の言葉を発したのだった。
「はぁ~??」と…。
そして、タマも、驚愕するのだった。
そして、タマは、大きな溜息を突くのだった。
「はぁ~⤵。」
そうなのだった。
司が、つくしを道明寺邸に連れて来た訳は、タマからつくしに、司が、どれだけ、つくしの事を好きなのかを話ししてもらう為だったのだ。
所謂、話しするという寄りも、『説明してもらう』という意味での話しだったのだ。
だが…。
如何見ても、つくしには、司の本気度に、気が付いて居ない様子だったのだ。
なので、タマは、司の目配せにも、“つくしお嬢さんに、如何対応し様か?”と、迷う程だったのだ。
だが、頻りに、目配せして来る司に、タマは、つくしに、話しし始めるのだった。
「つくしお嬢さん…。
此の話しは、本当の話しだと受け止めて、聞いて欲しいんださね。」
此の時のきょとんとしたままのつくしには、こう返答するしか無かったのだ。
「はい…。」と…。
そして、タマは、そんなつくしを、余所に、話しし始めるのだった。
「司坊っちゃんには、幼少の頃から想い人がいらっしゃるだよ。
其の想い人とは…。
つくしお嬢さんださね。
分かりますかい?
好きは好きでも、友達の好きでは無くて…。
恋をしている方の好きという意味ださね。
所謂、司坊っちゃんは、つくしお嬢さんに、惚れて居るという意味ださね。
つくしお嬢さん…。
分かってくれたかい?」
だが、こんな風に、タマから言われた此の時のつくしの顔付きは、驚愕顔に変わって居たのだった。
此れまでにも、一度も、司から、そんな風に、言われて来なかった今のつくしにとっては、驚愕以外の何物でも無かったのだ。
だが、司は、つくしに、言い続けて来たのだ。
所謂、つくしには、響いて居なかったと言う事に成るのだ。
だが、つくしの頭の中では、タマの言葉が、リピートされて居たのだ。
『司坊っちゃんには、幼少の頃から想い人がいらっしゃるだよ。
其の想い人とは…。
つくしお嬢さんださね。』と…。
此の時のつくしには、司の顔を見る事が出来なく成って居たのだった。
何故なら…。
どんな顔で、司を観たら良いのか?
分からないつくしだった事は言うまでも無いのだ。
俯いたまま…。
顔を真っ赤にさせるつくしだった事も、また、言うまでも無いのだ。
今、漸く、つくしは、司のつくしへの想いを知ったのだから…。
仕方ないと云えば、仕方なかったのだろう。