もし、全員、幼馴染だったら…<F4&T4> 7.
司は、つくしの俯いて居たままで、真っ赤にしている顔を、自身の両手をつくしの両頬に置き、上に向かせたのだった。
そして、一言、言って除けたのだった。
「漸く、俺の気持ちに、気が付いたのか?
つくしは、遅ぇんだよ‼」と…。
此の時の司の顔は、怒って居る様でも、ニヤッと、笑って居る様に観えたのだった。
だからだったのかも知れない。
つくしは、そんな司に、謝るのだった。
「ごめんなさい。」と…。
だが、此の時の司は、そんなつくしを弄って遣りたく成ったのだった。
だからだったのだろう。
司は、意地悪を決行するのだった。
「“許して遣んねぇ。”って、俺が、言ったら…。
お前は、如何すんだよ?」と…。
なので、つくしは、未だ、つくしの両頬を司に抑えられて居るので、きちんと、物が言えず…。
苦慮し乍らも、謝って居たので、司を観乍らも、首を傾げるしか無かったのだった。
所謂、つくしは、そんな司に、如何すれば良いのか?
分からずに居たのだった。
だからだったのだろう。
司は、そんなつくしに、心の中では、笑うしか無かったのだった。
だからこそ、司は、つくしに言えた言葉だったのだろう。
「じゃあ、今日から、『俺の女』に成れ‼
良いな…?
つくし…。」と…。
だが、此の時のつくしには、『俺の女』という意味が、理解されて居なかったのだ。
所謂、司が、つくしに、“付き合ってくれ‼”と、言った言葉の意味を理解出来ずに居たのだ。
だからだったのだろう。
つくしは、きょとんとしたまま…。
司の顔を観て居たのだ。
其の時のつくしの見上げて来る顔付きに、司は、“食って遣ろうか?”と、心の中で、叫ぶ程に、つくしは、可愛らしい顔付きをして居たのだった。
実は、此の時のつくしは、未だ、司に、両頬を抑えられている状況だったのだ。
実は、司は、つくしの見上げて来る可愛らしい顔付きに、自身が抑えているつくしの両頬から、自身の両手を放せずに居たのだ。
否…。
放したく無かったのだった。
だからだったのかも知れない。
黙ったままで、司の成すがままに成って居たつくしは、そんな司に、抗議し始めたのだった。
「司…。
いい加減、両手を放して…。
痛いよ。」と…。
なので、此の時の司は、仕方なく、つくしの両頬から、自身の両手を放して遣ったのだった。
だが、つくしは、未だ、理解して居ない司が言って来た『俺の女』という意味を訊き出そうとするのだった。
「あのねぇ~。
『俺の女』って…。
如何いう意味…?」
此の時の司は、『脱力』という言葉の意味を、初めて、体現したのだった。
此の時の司は、本当に、身体から力が抜ける様な気さえして居たのだった。
否…。
此の時の司には、『力』という寄りも、『気』が抜ける様な気持ちに成って居たのだった。
はっきり言って…。
此の時の司は、悟って居たのだった。
“今迄からも、怪しいとは思っていたけど…よ。
今日のつくしで、良~く、分かったわ。
つくしは、他人(ひと)の気持ちに、『鈍感』決定だな‼”と…。
だが、未だ、きょとんとしたままのつくしを、放って置く事が出来ず…。
司は、そんなつくしに、言って除けるのだった。
「あのなぁ~。
つくし…。
『俺の女』っていう意味は…な。
“俺と、付き合え‼”って、言ったんだ。
つくしは、俺と、恋人として、付き合えよ‼」と…。
此の時の司は、態と、『恋人』と、言う言葉を強調して言ったのだった。
何故なら…。
つくしが、『鈍感』で在る事を悟ったのだ。
「付き合え‼」と、言う言葉だけで、つくしの事なのだ。
「何処に付き合えば、良いの?」と…言われ兼ねないのだ。
実は、司は、先手を打った形だったのだ。
だが、此の時のつくしは、驚愕顔を顔に張り付かせたまま…。
大きい目を、更に、大きく見開き、驚愕するのだった。
だから、つくしから発せられた言葉も、其れなりの言葉だったのだ。
「えっ~??」と…。
其の時のつくしの声は、司が、耳を塞ぎたく成る程の大きい声だったのだ。
だからだったのかも知れない。
此の場に一緒に居たタマでさえも…。
思う程だったのだ。
“つくしお嬢さんの此の驚愕振りを見れば…。
本当に、司坊っちゃんのお気持ちを知らなかったという事だろうかいね?
お噂は、如何やら、本当の事だった様だね。
此れは、楓奥様に、ご報告せねば…。”と…。
そして、つくしは、司から、其の場で、判断を求められたのだった。
「如何すんだよ。
つくしは、俺と、恋人として、付き合うよな?」と…。
だが、此の時のつくしは、心の中では、“如何しよう。”と、思い乍らも…。
口では、威圧感ばっちりの司に負けて、言ってしまったつくしだったのだ。
「分かった。
良いよ。」と…。
此の時の司は、有頂天気味に成って居たのだった。
だから、司には、言えた言葉だったのだ。
「本当か?」と…。
そして、つくしも、「うん。」と、頷くのだった。
だが、実は、此の時のつくしは、司に伝えて居たのだった。
「分かった。
良いよ。」の後に…。
「でも、まだ、私の司への気持ちは、司が、私に、言ってくれている気持ちの10分の1し
か無いかも知れないけど…。」と…。
だが、此のつくしの言葉を司は、聞き逃して居たのだった。
此の時の司は、有頂天気味の状況と、共に…聞き逃す羽目に成って居たのだった。
此の後、大切なつくしからの言葉を聞いて居なかった司が、つくしから責められる事に成るとは、此の時の司には、知る由も無かったのだった。