人間恐怖症…<つかつく> 85.
美桜は、司が、一週間の間、仕事で、出張に行って居る事に関しては、其れ程、寂しさを感じて居なかったのだ。
其れも、2日間の間だけの事だったのだが…。
だが、3日目には、美桜の中でも、司の存在が、気に成り始めたのだった。
夜に成れば…。
司の存在が、気に成り始め、寂しさを募らせるのだった。
夜、美桜が、ベッドに入っても、美桜は、司が横に居ないベッドの広さに、不安を感じる様に、成って居たのだった。
だが、美桜は、そんな姿を、周りには、微塵も、見せて居なかったのだ。
美桜は、唯一人、司が、傍に居ない寂しさを耐えて居たのだった。
だからだったのかも知れない。
美桜は、自然に感じ始めて居たのだった。
“司さんが、私に言ってくれた言葉の意味が、やっと、分かった様な気がする。”と…。
司は、美桜に、自分自身を見詰めて貰いたかったのだ。
美桜自身が、過去の自分自身と、現在の自分自身を…。
何か?
比べて居る様な気が、司には、し始めて居たのだ。
だからこそ、自身(司)が、出張に行って居る間に、自身(美桜)の気持ちを整理して欲しかったのだ。
そうする事で、何か?
美桜の中で、変わる様な気がして居たのだ。
だからだったのだろう。
司は、美桜に、そう伝えたのだった。
其の司の思惑が、美桜に通じたのか如何かは、定かでは無いのだが…。
美桜は、徐々に、司への気持ちに、気が付き始めたのだった。
所謂、自身(美桜)の気持ちが何処に有るのか?
美桜は、やっと、気が付き始めたのだった。
司の思惑は、見事に、的中した事に成ったのだった。
そして、一週間が経ったのだった。
司は、一週間の出張を終えて、東京に戻って来たのだった。
そして、其の日の夜は、美桜と潤の部屋に、司は、帰って来たのだった。
そして、何時ものルーティンの如く…。
潤との時間を過ごした後の司は、美桜に向かうのだった。
そして、其の後の司は、美桜に、訊き出そうとするのだった。
「美桜…。
俺が、此処に、来ねぇ間…。
如何、思った?」
此の時の美桜は、十分に、司への自身の想いは、理解して居たのだった。
だからだったのだろう。
美桜は、自身の想いを、司に、伝えるかの如く…。
報告するのだった。
「司さん…。
やっと、分かりました。
司さんが、(古菱)邸に、お越しに成らなかった此の一週間の間…。
私は、何処か?
寂しさを感じて居ました。
何時の間にか?
私は、自然に、司さんを、受け入れていました。
だからという訳では在りませんが…。
私は、司さんを受け入れ様と、思います。」と…。
「………」
そんな言葉を、美桜から聞く事が出来た司は、思わず…。
美桜を自身(司)の方に、引き寄せ、抱き締めたのだ。
しかも、此の時の司は、言葉無く…。
美桜の頭と背中を、自身(司)の両手で、押さえ付けて唇と唇を合わせたのだ。
美桜自身には、何が起こったのか?
全く、理解出来ず…。
藻掻こうとしたが…。
其の状況を、察知した司に、寄り一層、押さえ付けられる結果と成って居たのだった。
慌てる美桜と…。
美桜の唇を堪能する司が、其処には、居たのだった。
そして、堪能した筈の司は、其れでも、まだ、座って居たソファに、美桜を押し倒したのだ。
司にして視れば…。
今迄、我慢して…。
我慢して来たのだ。
やっと、美桜から聞けた其の言葉に、司は、我を忘れる程…。
興奮してしまって居たのだった。
そして、司は、尚も、美桜の唇を堪能し始めるのだった。
美桜にとって、此の状況は、如何すれば良いのか?
不安しか無かったのだ。
美桜の身体が震え始めた事に、気が付いた司は、此の状況に、気が付き始めたのだ。
やっと、司は、我を取り戻して居たのだった。
だからだったのだろう。
司は、必死で、美桜に、謝り始めたのだった。
「美桜…。
すまん。
性急過ぎた。
実は、今迄の俺は、我慢していたんだ。
美桜を怖がらせたく無くて…。
必死で、自分自身を抑えて来た。
けど…よ。
美桜が言ってくれた言葉に、我を忘れてしまった。
もう、我慢しなくて良いと思えば、思う程…。
“美桜を堪能してぇ‼”と、俺の想いが、爆発してしまったみてぇだ。
本当に、すまん。
だから、今日は、此のまま、一緒に、寝られるだけで良い。
だが…よ。
此れからの俺は、もう、我慢出来るか?
分からねぇ。
だから…よ。
覚悟を決めてくれ‼
俺は、“美桜と、そういう仲に、成りてぇ‼”と、思ってっからよ。」と…。
だからだったのだろう。
美桜も、司に、告白した時から、そう成るのだろう事は、理解して居たのだ。
だからだったのかも知れない。
美桜は、司に、頷いて魅せたのだった。
なので、司は、ベッドに入り、美桜を自身の腕の中で、抱き締め乍ら…。
頭の中で、ふと、或る事を思い付くのだった。
そして、次の日には、其の或る事を西田に伝えるのだった。
「西田…。
頼みが有んだ。
聞いてくれるか?」と…。
だが、西田は、思うのだった。
“司様が、何を仰っても、もう、驚く事は、何も無いだろう。”と…。
なので、西田は、司に、言って除けるのだった。
「何なりと、仰って下さいませ。」と…。
其の西田の言葉に、気を良くした司は、西田に言って除けるのだった。
「ああ。
特注させてぇ物が有って…よ。」
西田は、司の『特注』という言葉に、“一体、何を…?”と、首を傾げるしか無かったのだった。
だからだったのかも知れない。
西田は、不思議そうな顔付きのまま…。
司に訊くのだった。
唯一、西田の頭を過った物は、司の息子で在る 潤の遊び道具しか、思い当たらなかったのだから…。
「其れは、どの様なモノでしょうか?」
だが、此の時の司は、飄々と、言って除けるのだった。
「エアーベッドだ‼」と…。
此の時の西田には、司からの言葉が、驚愕の言葉以外…。
思い当たらなかったのだ。
だが、司は、続けて言って除けるのだった。
「大きさは、キングサイズで…。
エアーは、モーターでも無く…。
電気でも無く…。
ボタン一つで、空気が入る様に設計して貰ってくれ。
そして、必ず、防水効果を施して貰ってくれ。
そして、潤が遊んでも、ビクともしねぇ様に、頑丈に、作って貰える様に、話ししてく
れ。」
なので、西田は、思うのだった。
“やはり、潤坊っちゃんの遊び道具でしたか?”と…。
だが、其処で、西田は、更に、思うのだった。
何故なら…。
司は、『防水効果』を、指示して来たのだ。
だからこそ、西田は、更に、確認の意味で、司に訊き始めるのだった。
「其のエアーベッドは、何方でご使用に成られる予定でしょうか?」と…。
なので、司は、飄々と、更に、言って除けるのだった。
「バスルームだ‼」と…。
其の司からの言葉一つだけで、西田は、使用用途を理解したのだった。