もし、全員、幼馴染だったら…<F4&T4> 40.
其の後の総二郎は、更に、自分自身の過去の行いを後悔すると共に…。
反省もして居たのだった。
だが、一人、反省して居ても、優紀には、届く筈も無く…。
一人で、後悔するだけだったのだ。
そんな様子を観て居た類が、総二郎に声を掛けたのだった。
何故なら…。
桜子から、話しを聞いて居たからだったのだ。
「総二郎…。
相当、遣られているみたいだね。」と…。
此の時の総二郎は、返答する気等、毛頭無かったのだ。
だからだったのかも知れない。
類は、続け様に、そんな総二郎に、言って除けるのだった。
「ねぇ、総二郎…。
本当に、反省してるなら…。
良い事、教えて上げるよ。」と…。
だからだったのだろう。
総二郎は、類の登場に、不貞腐れて居る様子だったのだが…。
類の方を向いたのだった。
そして、総二郎は、教えて欲しそうに、類に訊き始めるのだった。
「類…。
教えるって…。
何を…?」と…。
其処で、類は、総二郎に、話しし始めるのだった。
「司は、如何遣って、つくしちゃんを、自身の方に、向けさせた?」と…。
其処で、総二郎は、“はっ‼”と、成って、類に、言い始めたのだった。
「しつけぇ位ぇの『好き好き攻撃』…か?」と…。
なので、類は、スカした顔付きで、総二郎に、言って除けるのだった。
「そう言う事…。」
だが、此の時の総二郎は、不思議だったのだ。
何故なら…。
類は、総二郎と優紀が、付き合う事に、反対して居たからだったのだ。
総二郎とて、類が、反対する意図は、分かって居たからこそ…。
反論の言葉も、何も言えずに居たのだった。
だからだったのだろう。
総二郎は、類に、訊き始めるのだった。
「けど…よ。
如何して、類が、俺の味方に成ってくれんだ?
類は、俺が、優紀に、近く事を、嫌ってたろ?」と…。
其処で、類は、そんな風に、不思議そうにして居る総二郎に、言って除けるのだった。
「う~ん?
如何してかな?
桜子から、聞いたんだよね。
総二郎は、優紀に、謝罪の手紙を書いて、渡したんだよね?
だから…かな?
総二郎は、優紀に、“本気…何だ。”と、思えたんだよね。」と…。
だが、総二郎は、呆れたかの様に、類に、言って除けるのだった。
「今頃かよ?
俺は、優紀に、本気だっつーの‼」と…。
其処で、総二郎は、思うのだった。
“俺も、司の様に、馬鹿遣っても良いのか?
優紀に、しつけぇ位ぇの『好き好き攻撃』…遣って視っか?”と…。
なので、其れからの総二郎は、LINEで、優紀に、しつこい位の『好き好き攻撃』を開始したのだった。
先ずは、手始めに…。
朝から、優紀にLINEを送った総二郎だったのだ。
優紀は、総二郎からのLINEを拒否して居ないのか?
総二郎は、直ぐに、LINEを、送る事が出来たのだった。
『おはよ!
優紀…。』
『優紀…。
今日の昼休憩、F4ラウンジに来いよ‼』と…。
初めの内は、挨拶程度の文面を入れていた総二郎だったのだが…。
其の内…。
様相が変わって来たのだった。
『優紀…。
愛してる。』
『優紀に、会いてぇ…。』
『何で、既読スルーしてんだ?』とか…。
其の内…。
更に、突っ込んだLINEが、優紀の下に、送られて来る様に成ったのだった。
『優紀は、俺の事が、そんな嫌ぇか?』
『俺は、もう、優紀だけだから…。
信じてくれ‼』
『優紀が、俺の傍に居ねぇと…。
俺のテンション…。
ダダ下がり何だけど…よ。』とか…。
そして、優紀からの返信が無いと成ると…。
等々、総二郎からのLINEは、懇願に変わって来たのだった。
『優紀…。
俺は、優紀に会いてぇんだよ。
会ってくれねぇか?』
『優紀…。
俺の事を好きに成ってくれねぇか?』
『優紀…。
俺の事を好きだろ?
好きだよな?』とか…。
だが、其れでも、優紀は、既読スルーするだけで…。
優紀から返信する事は無かったのだった。
だが、其の内、そんな総二郎に、負けた優紀は、思うのだった。
“西門さんって…。
こんなキャラだった…?
何だか?
今の西門さんって…。
道明寺さんっぽいよね?
って事は…?
私は、そんな西門さんに、降参するべきなのだろうか?”と…。
だが、今でも、まだ、優紀は、総二郎に、添う事は、不安なのだ。
“また、何時、傷付くかも分からない。”と、言う事が、理由の一つだったのだ。
だからだったのかも知れない。
優紀は、中々、総二郎に、自ら、添う事が出来ずに居たのだった。
だが、総二郎は、一日でも早く、優紀を、自身に向けたかったのだ。
何故なら…。
総二郎にとって、“一番、天敵に成るかも知れない。”と、思っていた類が、総二郎の味方に成ってくれたのだ。
総二郎にとっては、今が、チャンスだったのだ。
だからだったのだろう。
総二郎は、司を見習うかの様に…。
強引に…。
優紀に迫る事にしたのだった。
何故なら…。
LINEだと、既読スルーされるだけで、優紀の気持ちが、見えて来ないのだ。
其れ成らば…。
“俺から、優紀に向かえば良いのか?”と、総二郎は、思い当たったという訳だったのだ。
総二郎自身が、どれだけ、優紀から、嫌われ様が、そんな事は、此の時の総二郎には、如何でも良かったのだ。
だからこそ、総二郎は、思うのだった。
“俺が、どれだけ、優紀を想って居るのか?
其れが、優紀に、証明されれば、良いんだよな?”と…。
なので、総二郎は、優紀の教室に向かうのだった。
こんな総二郎を、今迄、誰も観た事が無かったのだ。
其れ程…。
今の総二郎は、『司』化して居たのだった。
所謂…。
世間一般的に、総二郎は、『冷静沈着で、クール』と、思われて居たのだった。
其の総二郎が、熱いのだ。
否…。
普段、通常…。
冷めた所の在る 総二郎は、情熱在る対応を、優紀にして視せるのだった。
此れには、其の場に居た誰もが、驚愕するしか無かったのだ。
「優紀…。
俺は、優紀の事が好きだ。
俺は、幼少の頃から、本当は、優紀の事が好きだった。
だというのに…。
俺は、優紀への想いに、気が付いて居ねぇ振りをして居た。
俺のそんな優紀への想いに、俺自身が、反発してたんだ。
やっと、俺は、分かったんだ。
俺は、優紀に負けた。
俺は、優紀に降参だ。
だから、今回の事は、許してくれ‼
俺は、もう、優紀以外…。
愛せねぇよ‼」と…。
まるで、クラスメイトに聞こえるかの様に、言われてしまった優紀は、唯、俯くだけで…。
頭から、デコルテまで、真っ赤にして居たのだった。
そして、唯、恥ずかしそうにしている優紀が、其処に居たのだった。
そして、優紀は、心の中で、呟くのだった。
“恥ずかしくて仕方ない。”と…。
そんなモジモジしている優紀の腕を掴んで、総二郎は、優紀の教室から、優紀を連れ出すのだった。
だが…。
そんな総二郎と優紀の姿にも、動じて居ない様子のクラスメイトだった事は言うまでも無いのだ。