貴方を忘れる為…＜総優＞　　12．

2020/10/12 01:32

或る人物とは、言わずと知れた司の父親で在る　道明寺HD　会長の道明寺保だったのだ。

道明寺HDとしては、優紀が、入社した此の航空会社の買収は、公表しない方向で、考えて居たのだ。

何故なら…。
自社として…。
という寄りも…。
道明寺家として、自家でのPJ　や　ヘリコプターを、此の航空会社内に、所有して居たのだ。
また、自家として、滑走路も、此の航空会社内に、所有して居たのだ。

だからこそ、不測の事態に備えて、未だ、公表されずに、居たのだった。

其れが…だ。
航空会社内で、噂に成って居る等と、言語道断なのだ。

だからこそ、道明寺HD代表として、司の父親で在る　道明寺HD　会長の道明寺保が、日本に帰国して帰って来たという訳だったのだ。

勿論、噂を流した優紀の同期のCAは、此の航空会社の上層部の事情聴取を、事前に、受ける事に成ったのだった。

【何故、其の話しを知ったのか？】という話しから始まり…。
【何故、此の噂話を広めたのか？】という話しにまで、及んだのだった。

其の事に寄り…。
航空会社内の怠慢さに、怒りを感じた司の父親で在る　道明寺HD　会長の道明寺保は、其の優紀の同期のCAに対して、地上勤務を言い渡すのだった。

そして、地上勤務の責任者で在る　チーフが、何時も、其の優紀の同期の元　CAの傍を張り付く様に、司の父親で在る　道明寺HD　会長の道明寺保は、此の航空会社の社長に、言付けたのだった。

其の事に寄り、此の航空会社の上層部内には、道明寺家からも、優紀は、守られて居る事を知るのだった。

また、優紀の周りのパーサー　や　CAの中には、優紀の存在を利用しようとする者まで、現れ始めるのだった。

何故なら…。
優紀の周りでは、優紀自身、総二郎と優紀が、付き合って居ると認識されて居たのだ。

此の件に関して、優紀は、何も言えない状況と成って居たのだった。

だからだったのかも知れない。
優紀の同期入社の女性達は、優紀に、媚びを売り始めたのだった。

或る日の事だったのだ。
優紀は、或る同期に声を掛けられたのだった。

「ねぇ～、優紀…。
　優紀は、本当に、英徳（学園）のあのF4のメンバーで在る　西門総二郎と、付き合ってる
　の？」と…。

優紀にして視れば…。
答える必要性が無い事案の様にも、思えたのだ。

だが、噂の話しを知って居る優紀の同期にして視れば…。
知りたいに決まって居るのだ。

何故なら…。
F4は、高等部当時から、『英徳学園のF4』として、紙面を賑やかに彩って来たメンツなのだ。

其の上…。
英徳学園内外に関係無く…。
『F4fan』は、今も、変わりなく、大勢居るのだ。

しかも、英徳大学を卒業しても、尚、現在に至るまで…。
F4の知名度は、当時と変わりなく、世間を彩って居たのだった。

だからだったのかも知れない。
そんな英徳（学園）のF4のメンバーで在る　西門総二郎が付き合って居るという女性が、優紀なのだとしたら…。
其れは、優紀の同期としても、恩恵を受けたい処では有るのだ。

しかも、つい最近まで…。
“英徳（学園）のF4のメンバーで在る　西門総二郎は、夜な夜な…街に繰り出して、女性漁
　りをして居た。”と、噂を流されて居たのだ。

其の英徳（学園）のF4のメンバーで在る　西門総二郎に、特定の彼女が居ると成ると…。
世間では、噂が、噂を呼ぶ事は、当然だと思われたのだ。

だからだったのだろう。
此の航空会社では、司の父親で在る　道明寺HD　会長の道明寺保からの言葉一つで、此の事案は、緘口令が引かれたのだった。

其処で、優紀の同期入社の女性は、“世間には、此の話しを公表しない。”と、言う事を条件
に、優紀から訊き出そうとして居たのだ。

だからこそ、此の優紀の同期入社の女性は、優紀に訊けた言葉だったのだ。

なので、優紀は、仕方なく…。
返答するしか無かったのだった。

「うん。
　まぁ～。」と…。

優紀が、こう返答したのにも、理由は有ったのだ。

何故なら…。
総二郎から、優紀自身が、会社内の人間に、そう訊かれた時は、“「付き合って居る。」と、返答する様に…。”と…言われて居たのだ。

だからだったのかも知れない。
優紀は、言葉を濁し乍らも、返答するのだった。

其処で、優紀にとっては、案の定とでも言うべきなのか？
F4のメンバーの事を訊かれたのだった。

「確か？
　道明寺司は、結婚して居るんだったわよね。
　そして、優紀が、西門総二郎と付き合って居るのなら…。
　後は、花沢類　と　美作あきらが、残って居るわよね？
　私に、何方かを、紹介してくれない？」と…。

其の時の優紀は、そんな同期の話しを、呆れて聞いて居たのだった。

何故なら…。
今のF4には、其れ成りの地位も在るし…。
そう簡単に会える人物でも無いのだ。

優紀は、偶々、優紀の幼馴染で親友で在る　『牧野つくし』が、英徳学園の出身者で在り…。
つくしの彼氏（現在は、夫では在るのだが…。）が、『道明寺司』だった事で、F4とは、仲間として、知り合えたに過ぎ無いのだ。

だからだったのだろう。
優紀は、敢えて、其の事を、優紀の同期入社の女性に、伝えるのだった。

「私は、偶々、私の幼馴染で親友が、英徳学園の出身者で…。
　其の幼馴染で親友の彼氏が、F4のメンバーだった事から、仲間として、知り合えただけ…
　何だ。
　しかも、私が、F4と知り合えた最初の頃の私は、まだ、高校2年生だったし…。
　私が、高校3年生に成る前には、受験勉強を理由に、仲間としても、私は、F4とは、疎遠
　状態だったの。
　だから…。
　現状、花沢さんにしても…。
　美作さんにしても…。
　其の後の事は、良く分からないんだ。」と…。

そんな優紀の返答に、驚愕したのは、優紀の同期入社の女性の方だったのだ。

所謂、航空会社内での噂では、優紀は、高校生の頃から、西門総二郎と付き合って居ると思われて居たのだ。

だからこそ…。
優紀のそんな返答の言葉に、驚愕するのだった。

「えっ？？
　優紀は、西門総二郎とは、高校生の頃から、付き合って居るんじゃ無いの。
　私…。
　噂で、そう聞いたんだけど…⁉」と…。

なので、其処は、優紀自身、“訂正を入れなくては…。”と、言う思いから…。
優紀の同期入社の女性に、話しし始めるのだった。

「違う違う…。
　高校生の頃の西門さんと私は、仲間としてのお付き合いだったの。
　其の頃の西門さんは、世間の噂通りだったの。
　だから…。
　私が、入る余地は、一切、無かったの。
　だから…。
　こう成ったのは、つい最近の話しなの。」と…。

全く、噂と違う状況に、優紀の同期入社の女性は、優しい優紀に、詰め寄るのだった。

「じゃあさぁ～。
　取り敢えず…。
　西門総二郎に話すだけ、話しして視てよ。
　其れでも、駄目なら…。
　諦めるし…。
　もし、優紀から、西門総二郎に言えないのなら…。
　私から訊いて視るから…。
　私を、西門総二郎に会わせてよ。」と…。

此の優紀の同期入社の女性は、優しい優紀に、詰め寄る処か？
懐に入ろうとするのだった。
優紀が、断り難い様に、話しを持って行こうとするのだった。

だからだったのだろう。
此の優紀の同期入社の女性は、優しい優紀に、手と手を合わせて、自身の顔の前に持って行き…。
『お願い』のポーズをして魅せたのだった。

此れには、優紀も、如何言って良いのか？
分からず…。
言ってしまったのだった。

「一応、訊いて視るけど…。
　期待しないで～。」と…。