貴方を忘れる為…<総優> 15.
総二郎は、優紀からの了承の返事と共に…。
正式に、付き合う事に成ったのだった。
そして、此の時の総二郎は、愛車を運転し乍ら…。
言葉では言い表せない程の嬉しさで、優紀に話しして居たのだった。
「なぁ~、優紀…。
今から、俺のマンションに行かねぇか?
明日、休みだろ?」と…。
だが…。
此の時の優紀は、驚愕だったのだ。
だから、優紀の口から出た言葉は、驚愕の言葉だったのだ。
「えっ~??」と…。
実は、此れまでの総二郎は、優紀のマンションに送り届けて、翌日は、迎えに行って居たのだ。
実は、優紀の勤務地が、空港だった為に…。
東京でも、空港に程近い場所のマンションに、優紀は、総二郎と再会する以前から、其処に、住んで居たのだった。
なので、優紀自身…。
実家に帰る事も、稀だったのだ。
だからだったのかも知れない。
総二郎は、どんなに遅く成った日でも、自身は、帰る様にして居たのだった。
所謂…。
どんなに遅い日でも…。
総二郎は、優紀のマンションから帰って居たのだった。
何故なら…。
総二郎自身…。
自身の自制が利かなく成る事を恐れて居たのだった。
所謂…。
総二郎は、其の事で、優紀から、嫌われてたく無かったのだ。
だからこそ、今迄の総二郎は、大人しく、優紀のマンションに、送り迎えをして居たのだった。
自身が言った手前…。
優紀との約束を守りたかったという事が何よりの総二郎の想いだったのだ。
だが、優紀が、正式に、総二郎との付き合いを、了承したと成れば…。
総二郎自身…。
もう、自身の優紀への想いに、自制を掛けなくても良いのだ。
既に、総二郎は、愛車を運転し乍らも、総二郎の自制心は、『何処へやら…。』状態だったのだ。
だからこそ、此の時の総二郎は、口に出したのだった。
否…。
行動に移して居たのだった。
所謂、此の時の総二郎は、無言で、自身のマンションへ向かって、愛車を運転して居たのだった。
そして、其のまま、総二郎が、運転する総二郎の愛車は、総二郎のマンションの地下駐車場に入ったのだった。
そして、総二郎は、優紀には、言い訳を言わさないかの如く…。
再度…。
優紀に、訊き始めるのだった。
「優紀…。
良いよな?
俺は、優紀との約束を守った。
其れは、優紀との将来を考えて居るからだ。
勿論、俺は、優紀を離す気は、到底、ねぇけど…な。
優紀からの了承の言葉が欲しい。
優紀は、如何してぇ?」と…。
其処で、優紀は、そんな風に言って来る総二郎に、自身の今の素直な気持ちを伝えるのだった。
しかも、頷き乍らだった事は、言うまでも無かったのだ。
「はい。
承知して居ます。」と…。
だからだったのだろう。
総二郎は、運転席から降りて…。
助手席のドアを開けて、優紀を降ろして遣り…。
総二郎は、優紀をエスコートし乍ら、エレベーターに乗り、自身の部屋に向かうのだった。
総二郎のエスコートに寄って、総二郎の部屋に入った優紀は、目の前のガラス張りの外の風景に、驚愕するのだった。
まるで、目の前に、大きな絵画が飾って在るかの如く…。
夜景が綺麗だったのだ。
其の日は、晴れた日だった為に、外のライトも、キラキラと、輝いて居て…。
其れは、まるで、宝石の様だったのだ。
こんな風景を、未だ、観た事の無かった優紀は、そんな風景に、一時、酔い痴れて居たのだった。
其処に、総二郎が、声を掛けて来たのだ。
「優紀…。
綺麗だろ?」と…。
だからだったのだろう。
優紀は、言葉無く…。
頷くだけだったのだ。
そして、暫く、外の風景を、魅入って居た優紀は、総二郎に、声を掛けるのだった。
「此処は、もしかし無くても…。
最上階ですよね。」と…。
総二郎は、そんな優紀に、驚愕だったのだ。
という寄り…。
そんな優紀の天然振りに、呆気に取られていた総二郎だったのだ。
だが、総二郎は、優紀に返答するのだった。
「ああ。」と…。
其処で、優紀は、更に、総二郎に、訊き始めるのだった。
「西門さんは、何時も、此処に、一人で、住んで居るんですか?」と…。
其処で、総二郎は、優紀が、何を訊きたいのか?
今一、理解出来て居なかったのだが…。
其れでも、他でも無い優紀からの質問だったので…。
素直に話しし始めるのだった。
「否…。
住んでねぇよ。
普段は、(西門)邸で、暮らしてる。
此処は、一応、西門家の所有のマンションと云う事に成ってんだけど…な。
一応、此処は、俺の名義のマンション…。
勿論、此処に連れて来たのは、優紀が最初で最後だ。」と…。
実は、此の時の優紀には、意味が分かって居なかったのだ。
所謂、女性としては、優紀が最初で最後なのか?
将又、あのF3でさえも、此のマンションには、連れて来て居ないという意味なのか?
なので、優紀は、総二郎からの言葉に、首を傾げて居たのだった。
不思議そうに、首を傾げているそんな優紀の姿は、勿論、総二郎にとっては、ツボで在る事は、間違い無いのだが…。
総二郎には、何故、優紀が、首を傾げたのか?
今一、ピンと、来て居なかったのだ。
総二郎にとっては、“優紀は、俺(総二郎)が、言った言葉が信じられねぇのでは無いのだろうか?”と、理解して居たのだった。
だからだったのだろう。
総二郎は、そんな優紀に、訊き始めたのだった。
「優紀…。
何で、首を傾げてる?
俺の言った意味が、理解出来てぇのか?
其れとも、俺の言った言葉が、信じられねぇのか?」と…。
なので、優紀は、総二郎が、不貞腐れて居る様にも見えたので…。
慌てる様に、総二郎に、返答するのだった。
「そうじゃ無いんです。
だから…。
怒らないで、聞いてくれますか?」と…。
そんな風に、優紀から言われれば…。
怒る訳にはいかない総二郎は、優紀に、了承の言葉を告げるのだった。
「ああ。」と…。
そして、優紀は、総二郎に、訊き始めるのだった。
「今迄の西門さんは、大勢の女性の方々とお付き合いされて居たと思います。
でも、そんな女性の方の中で、唯のお一人も、此方には、お連れし無かったという意味で
すか?
其れに、西門さんには、幼少の頃からの幼馴染で親友のF3の皆さんが、お出でです。
其のF3の皆さんも、此のマンションの事は、ご存知無いと言う事ですか?」と…。
なので、此の時の総二郎は、呆れたかの様に、優紀に言って除けるのだった。
「あのなぁ~。
俺は、“優紀が、最初で最後だ。”と、言ったろ?
だから、誰も、此処へは、連れ来た事はねぇよ。
此処は、俺にとっての隠れ家…。
女を連れ込む為の場所じゃねぇよ。
もっと、神聖な場所だ。
俺は、“優紀と、二人切りに成りてぇ‼”と、ずーっと、思って居たから…。
此処は、俺と優紀が、二人切りに成る為の神聖な場所。
分かったか?
優紀…。」と…。
此の時の優紀は、目に一杯の涙を浮かべて居たのだった。
実は、優紀は、総二郎の心遣いが、嬉しかったのだ。
だからだったのだろう。
優紀は、涙で、総二郎の顔が、見え難く成って居たのだ。
なので、総二郎の顔が近付いて居た事に、気が付いて居ない優紀だったのだ。