人間恐怖症…<つかつく> 147.
司は、心の中で、愚痴って居たのだった。
“寄りにも寄って…。
何で、類の誕生日に、近ぇんだよ。”と、司は、思って居たのだが…。
実は、此の時の美桜の耳には、或る事実も入って来る事に成ったのだった。
其の或る事実とは…。
桜子が、美桜に伝えたのだった。
本来なら…。
司も、F3とは、長い付き合いな訳で、気が付いて居ても可笑しくないのだが…。
司は、気が付かないまま…。
美桜の『Birthday party』の招待状を、F3&T3に、事前に、手渡して居たのだった。
其の時点での司は、F3&T3に、言って置いたのだった。
「美桜は、『牧野つくし』の誕生日の事は、知らねぇんだ。
古菱夫人から、美桜の誕生日は、3月28日と、教えられている。
其の3月28日は、本来、古菱社長と古菱夫人との間に産まれた本当の『古菱美桜』の誕生
日だ。
だから…よ。
其の事を、踏まえて、美桜の誕生日に、出席してくれ‼」と…。
なので、F3&T3は、司の話しに、了承するのだった。
「「「「了解‼」」」」
「「了解しました。」」と…。
だが、其処で、桜子は、気が付いたのだった。
美桜の誕生日が、類の誕生日に、近いという事も、勿論だったのだが…。
あきらの誕生日とは、産まれ月は、違うのだが…。
同じ28日だという事を…。
実は、高等部当時も、桜子は、既に、気が付いて居たのだった。
F3&つくしの誕生日を知った時に…。
実は、司の誕生日は、既に、桜子は、知って居たのだ。
だからこそ、此の時の桜子は、思って居たのかも知れない。
“先輩と『古菱美桜』さんのお誕生日が、同じ28日と言う事も、そうだけど…。
また、美作さんと、同じ28日…何だ。”と…。
なので、此の事実を、美桜に、伝えるチャンスを狙って居た桜子は、其の事を、美桜に伝えたのだった。
勿論、F4&T2&椿&進が、居る前で…。
「先輩…。
知ってました?
先輩のお誕生日は、花沢さんのお誕生日に、近いだけじゃ無く…。
美作さんとは、産まれ月は、違うんですけど…。
日にちが、一緒…何ですよぅ~。」と…。
此れには、司は、驚愕だったのだ。
類だけでも、不貞腐れて居た司だったのに…。
“あきらまで…か。”と、思い乍ら、司は、あきらに、目線を合わせて、睨み付けて居たのだった。
だが、司から睨み付けられている当のあきらは、傍迷惑な話しだったのだ。
だからだったのだろう。
あきらは、司にお手上げポーズをして魅せるのだった。
“こんな状況は、過去(高等部の頃)にも有った様な気がする。”と、類は、思って居たのだった。
だが、興味津々の此の時の美桜は、類とあきらに、訊こうとするのだった。
「えっ??
そう何だぁ~。
何時(いつ)、何ですか?」と…。
なので、仕方なく類とあきらは、美桜に話しするのだった。
勿論、司に、睨み付けられ乍ら…。
「俺は、3月30日…。」
「俺は、2月28日…。」と…。
だからだったのだろう。
美桜は、類とあきらの話しを聞いて、興奮するかの様に、言って除けるのだった。
「ほんとだぁ~。
何か、親近感が湧きますね。」と…。
此の時の司は、此の状況に、更に、不貞腐れ始めるのだった。
だが、にこにこと、笑って居る美桜が、司の傍に居たので、怒った顔を何時までも魅せる訳にはいかず…。
司は、美桜には、優しい顔付きのまま…。
そんな美桜を見詰めて居たのだった。
そして、其の後の司は、心の内に、此の状況を収めて…。
後は、何時もの司に戻って居たのだった。
否…。
そう言う振りをして居た司だったのだ。
何故なら…。
美桜には、症状が、出て居なかったから…だったのだ。
だが、此の後、結局…。
司は、美桜の嬉しそうに話しする姿に、何も言えなく成る司だったのだ。
「何だか?
やっと、私も、皆さんと、仲間に成れた様な気がします。」と…。
今迄は、『牧野つくし』としての記憶の無い今の美桜にとって…。
幾ら、F3&T3とは、“仲間だ。”と、言われても、やっぱり、何処と無く…。
美桜は、仲間として、心から付き合う事が出来ずに居たのだった。
だが、こうして、色々な共通点の話しを聞かされると…。
美桜は、親近感が湧いて来る様な気がするのだった。
実は、桜子自身…。
其の事を狙って居たのだった。
美桜自身…。
仲間として、F3&T3と、接して居る事は、桜子も、承知して居たのだ。
だが、此れまでの美桜は、何処か?
遠慮がちに、接して居る事も、承知して居た桜子だったのだ。
如何言う形でも良いので…。
桜子は、美桜に、心底から仲間として、F3&T3と、接して欲しかったのだ。
だからこそ、桜子は、美桜に、話ししたのだった。
勿論、司が、如何、出て来るのかも分かり切って居たのだが…。
だが、そうする事で、美桜に、何か?
変化が起こる事を期待した桜子だったのだ。
だからだったのだろう。
桜子は、美桜に、言って除けるのだった。
「先輩…。
そろそろ、F3の皆さんに、敬語は、お使いに成らない方が良いと、思いますよ。」と…。
そうだったのだ。
F3からは、再三に渡って…。
「仲間…何だから…(よ)。
敬語は、使わなくて良いから…(よ)。」と…。
だが…。
其れでも、美桜は、F3には、敬語を使い続けて居たのだった。
何故なら…。
美桜にとっては…。
其れは、1歳でも年上で在る F3への敬意のつもりだったのだ。
だが、其の事を寂しく思っていたF3でも在ったのだ。
なので、此れを機会に、友情を深めて行きたいF3&T3にとって…。
良い機会だったという訳だったのだ。
なので、椿も、美桜に、言って除けるのだった。
「美桜ちゃん…。
そうして、上げて…。
此の子達、何てね。
私は、一度も、敬語を使われた事が無いのよ。」と…。
其れには、美桜とて…。
驚愕だったのだ。
だからだったのだろう。
美桜は、思ってしまったのだ。
“凄い…。
椿お姉様に、敬語を使った事が無いだ何て…。”と…。
なので、美桜は、司の方を向いたのだった。
そして、司も、美桜に、頷くのだった。
だからだったのかも知れない。
美桜は、やっと、納得するのだった。
「うん。
分かった。
此れからは、そうするね。」と…。
そして、F4&T4の絆は、此処から、また、深められたのだった。