貴方を忘れる為…<総優> 34.
総二郎と優紀は、総二郎の自室に、向かうのだった。
そして、総二郎の自室に入った優紀は、思うのだった。
“意外と、シンプルな部屋…何だ⁉”と…。
其処で、ジーっと、立ったままで居た優紀に、総二郎は、声を掛けるのだった。
「優紀…。
何してんだ?
こっちに来いよ⁉」と…。
其処で、優紀は、ハッとしたかの様に、総二郎の声に気が付いたのだった。
そして、優紀は、総二郎が、既に、座って居るソファの横に、座るのだった。
其処で、総二郎は、優紀に、話しし始めたのだった。
勿論、総二郎は、ソファに座って直ぐの優紀を引き寄せて、抱き締め乍ら、話しし始めた事は言うまでも無かったのだが…。
「此れで、やっと、夫婦に成れるな。
だから言ったろ?
“お袋は、俺等の付き合いを、認めて居るんだ。”と…。」と…。
だが、優紀は、そんな総二郎に、言葉少なく、返答したのだった。
「………。
西門さん…⁉」と…。
そう優紀が、返答した其の時だったのだ。
総二郎は、一旦、優紀を自身から放して、優紀の肩を両手で掴み乍ら、優紀を睨み付けて、怒り始めたのだった。
「優紀…。
お前…な⁉
親父とお袋の前では、『総二郎さん』呼びしてたろ?
なのに…よ。
俺の前では、『西門さん』呼びかよ。
いい加減にしろよ。
俺と優紀は、入籍して、結婚するだぞ。
と言う事は…。
優紀も、『西門』に成るんだぞ。
『西門優紀』に成るんだろ?
違ぇのか?
其れに、ガキも産まれる。
いい加減、『西門さん』呼びは、止めろ。
今日…。
此の場から、優紀が、俺を呼ぶ時は、『総二郎さん』だ。
良いな?
優紀…。」と…。
だからだったのだろう。
優紀は、仕方なく…。
総二郎に、返答するのだった。
「はい。
分かりました。」と…。
なので、総二郎は、話しを進めたのだった。
「優紀…。
今度は、優紀の両親にも、会わねぇと…な。」と…。
だが、優紀は、総二郎に、同じ言葉を訊き返すかの様に、訊き始めるのだった。
「私の両親に…ですか?」と…。
そして、総二郎は、優紀に、話しし始めるのだった。
「ああ。
優紀の両親に…だ。
優紀の両親が、優紀の妊娠の事を、知らねぇというのは、変だろ?
まだ、優紀は、優紀の両親に、言ってねぇだろ?」と…。
なので、優紀は、総二郎に、即答するのだった。
「はい。」と…。
だからだったのかも知れない。
総二郎は、優紀に、また、優しい顔付きに成って、話しし始めるのだった。
「だと、思ってた。
其れも、俺が仕出かした事だ。
俺は、優紀の親父さんから、何を言われても、仕方ねぇと思ってる。
順番が違ぇんだ。
優紀の親父さんが、怒っても仕方ねぇだろ?
だからこそ…。
早いに越した事はねぇだろ?
優紀…。
悪ぃが、優紀の親父さんとお袋さんに、アポを取って於いてくれ‼」と…。
だからだったのだろう。
優紀は、一応、総二郎に、返答するのだった。
「はい。
分かりました。」と…。
そして、其の後の優紀は、自身の両親に、連絡を入れるのだった。
「会って欲しい人が居るんだ。」と…。
そして、総二郎は、此の日に、もう一つ、優紀には、伝えて居たのだった。
「優紀…。
優紀の腹の中には、俺と優紀のガキが居る。
そんな身体で、フライトは、無理だろ?
パーサー(CA)の仕事を、辞めてくれねぇか?」と…。
本来なら…。
優紀は、一生の仕事として、CAの仕事に就いて居たのだった。
否…。
選んで居たのだった。
だからこそ…。
優紀は、辞めたくは無いのだ。
其れに、優紀にとってのCAの仕事は、“天職だ。”と、認識して居たのだ。
其れを、辞めると成ると…。
優紀にとっては、相当な覚悟が必要だったのだ。
だが、つくしの声掛けに寄って…。
動いてくれた司は、優紀の働き場所を、与えてくれて居たのだった。
だからこそ…。
優紀は、総二郎に、言えた言葉だったのだ。
「実は…。
道明寺さんが、動いて下さった事に寄って…。
今の私は、内勤職に就けて居るんです。
だから…。
直ぐには、辞めなくても良いのなら…。
取り敢えず…。
此のまま…。
内勤職で、仕事をしたいと思って居ます。」と…。
だが、総二郎と優紀が、入籍をすれば…。
優紀は、『次期家元夫人』として、西門流に入る事と成る。
そうすれば…。
幾ら、内勤職だとしても、会社勤めは、難しく成る。
だが、今直ぐ辞めろとは、とても、言えない総二郎は、優紀と、約束するのだった。
「だったら…。
入籍する前には、辞めろよ。」と…。
本当は、辞めたくない優紀は…。
そう、総二郎に言いたかったのだが…。
言えなかったのだ。
何故なら…。
総二郎と結婚する事が、如何言う事なのか?
優紀にも、分かって居たからだったのだ。
優紀は、“自身が、選んだ道だ。”と、心の中で、唱えて居たのだった。
総二郎と付き合った時点で、優紀には、認識して居たのだ。
“何時かは、CAの仕事を辞めなくてはいけないのだろう。”と…。
だからこそ…。
優紀は、総二郎に、言えた言葉だったのだろう。
「はい。
承知しました。」と…。
だが、此の時の総二郎は、既に、計画を立てて居たのだった。
司には、事前に、連絡を入れて、優紀が、辞め易い様に、仕向ける事を…。
総二郎は、優紀が、まだ、パーサーとして、フライトの仕事を続けたいと思って居る事は、認識して居たのだ。
だが…。
総二郎が、優紀と夫婦として、西門流の繁栄に、尽力する為には、優紀には、パーサーの仕
事を辞めて貰う必要性が有るのだ。
だからだったのかも知れない。
総二郎は、優紀に、強い口調で言っては居るが…。
総二郎の心の中では、思って居たのだった。
“優紀…。
悪ぃな。
俺は、もう、優紀を離せねぇんだよ。
俺の傍に居てくれよな。”と…。
まるで、総二郎は、“優紀を、もう、何処にも、遣らねぇ‼”と、言って居るかの様だったのだ。
<此の二次小説『貴方を忘れる為…<総優> 34.』は、切りが良い為に、短めに成って
おります事をお詫び申し上げます。
了承の程、宜しくお願い致します。>