人間恐怖症…<つかつく> 166.
【163.のエピローグ<F3&T3が、美桜の病室に向かった後>】
美桜が出産した日に…。
司が、F3&T3に連絡した事で、年末も押し迫った12月30日に、F3&T3は、時間を合わせて、道明寺総合病院に集合して、美桜の病室に向かったのだった。
F3&T3は、美桜=『牧野つくし』にそっくりな司と美桜の愛娘の『冬桜(ゆらら)』を観て、思うのだった。
“ほんと(本当に)、そっくりだな(だね・ですわ)。”と…。
F3&T3は、一種の感動に近い感情で、美桜=『牧野つくし』にそっくりな司と美桜の愛娘の『冬桜(ゆらら)』を観て居たのだった。
そして、其の場で、司は、美桜=『牧野つくし』にそっくりな司と美桜の愛娘の『冬桜(ゆらら)』の名前を、F3&T3に、話しし始めるのだった。
勿論、由来も含めて…。
「俺と美桜の娘の名前は、『冬桜(ゆらら)』と、名付けた。
由来は、----------------------だ。」
だが、司から、其の話しを聞いたF3&T3は、それぞれ、思うのだった。
“此の話しには、きっと、続きが有るのだろう。
牧野(つくし・先輩)の名前にも、近付けた名前なのだろう。”と…。
そして、後日…。
司から、『冬桜(ゆらら)』と、名付けた本当の由来を聞いたF3&T3は、思うのだった。
“やっぱり、そう言う事だったんだな(だぁ~・ですね)。”と…。
そして、F3&T3が、『冬桜(ゆらら)』と、名付けた由来の話を、司から、聞いて居た所で…。
司に、抱き上げられていた潤が…。
「パパ…。
『冬桜(ゆらら)』の方に行きたい‼」と、潤は、司にお願いして、『冬桜(ゆらら)』の方に行く様に言った後…。
『冬桜(ゆらら)』の頬を触り乍ら(ツンツンと、突き乍ら)、潤は、『冬桜(ゆらら)』に、言い始めたのだった。
「ねぇ~、『ゆうちゃん』…。」と…。
其処で、驚愕したのは、潤の両親で在る 司と美桜だけじゃ無く…。
F3&T3も…だったのだ。
其処で、一斉に、此の時の此の場に居た大人達(潤の両親を含めたF4&T4)の声が上がったのだった。
「「「「「「「「『ゆうちゃん』…⁉」」」」」」」」と…。
其処で、潤は、自身の両親を含めたF4&T4の驚愕振りに、一旦、驚愕した後…。
飄々と、返答するのだった。
「えっ??
おかしい(可笑しい)かな?
ようちしゃ(幼稚舎)で、せんせい(先生)も、みんな(皆)も…。
おなまえ(名前)でよばず(呼ばず)…。
そう、よんでる(呼んでる)よ。
ぼく(僕)は、『じゅんくん(潤君)』だけど…。」と…。
此の時の潤は、寂しそうだったのだ。
実は、潤は、幼稚舎でのお友達が、皆、ニックネーム呼びされて居る事を、羨ましく思って居たのだ。
何故なら…。
『潤』は、『潤』以外…。
呼び様が無かったのだから…。
だが、此の時の此の場に居た大人達(潤の両親を含めたF4&T4)は、思うのだった。
“まぁ~、潤は、『潤』以外…。
呼び様がねぇ(無い)よな(よね・ですわね)。
仕方ねぇ(無い)よな(よね・ですわね)。”と…。
こんな言葉を潤が聞けば…。
きっと、ショックがるだろう。
そして、潤は、また、続けて、言い始めるのだった。
「だから…。
きょう(今日)から…。
『ゆらら(冬桜)』は、『ゆうちゃん』…。
いい(良い)でしょ?
パパ…。
ママ…。」と…。
なので、『冬桜(ゆらら)』の呼び名は、此の日から、『ゆうちゃん』と、成ったのだった。
だが、司だけは、『冬桜(ゆらら)』のままだったのだが…。
何故なら…。
司が、『冬桜(ゆらら)』と名付けたのには、意図と、意味合いを持って、司は、名付けたのだ。
其の意図と、意味合いを、司自身、忘れたく無かったのだ。
常に、胸の中に収めて居たかったのだ。
だからこそ…。
司は、威厳の意味も込めて…。
其の後も、『冬桜(ゆらら)』と、呼び続けたのだった。
そして、日本の正月休みに合わせて、帰国して帰って来た司の両親で在る 道明寺HD 会長の道明寺保 と 社長の道明寺楓…。
そして、司の姉で在る 椿夫妻は、『冬桜(ゆらら)』の傍から、離れなかったのだ。
「孫息子が欲しい。」と、言って居た筈の楓は、勿論の事…。
妹が欲しかった椿にとっても、姪っ子では在るのだが…。
我が子の様に、『冬桜(ゆらら)』を可愛がって居たのだった。
所謂、保を含めた3人で、『冬桜(ゆらら)』を、代わる代わる抱っこして居たのだった。
そして、道明寺総合病院の美桜の病室に居る頃から(12月31日から)、産婦人科医の許可が出た事で、司が、『冬桜(ゆらら)』のバスタイムの時間を、独占して居たのだ。
実は、道明寺総合病院の産婦人科での父親教室を、司は、受けて居たのだ。
だからこそ…。
産婦人科医の許可が下りたのだった。
だが…。
帰国して帰って来た司の両親で在る 道明寺HD 会長の道明寺保 と 社長の道明寺楓…。
そして、司の姉で在る 椿夫妻が、日本に居る間…。
司の生活スタイルが、一変して居たのだ。
何故なら…。
楓が、『冬桜(ゆらら)』のバスタイムの時間を、独占し始めたのだ。
其処に、椿までもが、参戦し始めたのだ。
そして、潤とのバスタイムの時間は、保に独占された司だったのだ。
所謂、司の楽しみは、一気に二つも、家族に寄って、持って行かれたのだった。
勿論、司は、悔しがるも…。
美桜は、苦笑いだったのだ。
そんな美桜の様子にも、司は、苛立つ程だったのだ。
「何で、美桜が、そんな顔するんだよ??」と…。
だが、美桜は、司に、話しし始めるのだった。
「だって…。
『ゆう』だけじゃ無く…。
潤も、取り上げられて、司は、悔しがって居るけど…。
普段は、司が、独占して居るんだから…。
正月休みの間だけ…。
お休みしても、良いんじゃない?
其れも、親孝行・姉孝行…よ。」と…。
だからだったのかも知れない。
司は、“正月休みの間だけ…。”と、自身の心の中に言い聞かせ乍ら…。
司は、帰国して帰って来た自身の両親で在る 道明寺HD 会長の道明寺保 と 社長の道明寺楓…。
そして、司の姉で在る 椿夫妻が渡米して、NYとLAに戻る日を、指折り数え乍ら、待ち侘びる日々だったのだ。
【エピローグ】
実は、潤が、『冬桜(ゆらら)』の事を、「ねぇ~、『ゆうちゃん』…。」と、呼んだ時に…。
複雑な思いで居た者が、其処には、居たのだった。
そうなのだ。
優紀だったのだ。
実は、優紀の幼少期も、自身の母親から、『ゆうちゃん』と、呼ばれて居たのだ。
何だか?
擽ったいというのか?
自身が、呼ばれている様な錯覚に陥ると言うのか?
兎に角…。
優紀にとっては、複雑だったのだ。
そんな優紀の様子に、一早く、気が付いた者が、其の場には、居たのだった。
そうなのだ。
桜子だったのだ。
なので、桜子は、美桜の病室を出た後に、そんな様子の優紀に、声を掛けるのだった。
「もしかして…。
優紀さんも、『ゆうちゃん』と、呼ばれて居たのでは在りませんか?」と…。
なので、優紀は、桜子に、即答するのだった。
「ええ、そうだけど…。
でも、如何して……?」
桜子は、分かって居て、優紀の言葉に、被せるかの様に、返答するのだった。
そして、訊くのだった。
「そりゃあ、牧野先輩程では在りませんが…。
私も、親友としての優紀さんとの付き合いは、長いですから…。
優紀さんの顔付きを観れば、分かりますよ。
此の事は、牧野先輩も、ご存知…何ですか?」と…。
なので、優紀は、即答するのだった。
「つくしとは、中学からの同級生で親友だったから…。
つくしは、私が、そう呼ばれて居た事は、知らないと思うよ。
私が、そう呼ばれて居たのは、小学校の頃までだったと思うし…。
中学に入る頃には、お母さんも、『優紀』と、私の事を、名前で呼んで居たと思うか
ら…。」と…。
なので、桜子は、思って居たのだった。
“だったら…。
きっと、牧野先輩でも、優紀さんの顔付きの変化には、見破れて居ないかも…。”と…。
此の時の桜子は、優紀と『真の親友』に成れた事に、嬉しく思って居たのだった。
そして、滋が、そんな優紀と桜子に、声を掛けて来たのだった。
「今から、飲みに行くよ!
ほら、優紀と桜子も、一緒に、行くよ!」と…。
そして、そう言い乍らも、滋は、優紀と桜子の背中を、同時に、押し乍ら、道明寺総合病院を後にするのだった。
此の時のF3は、そんなT3を見て、口々に、言って除けるのだった。
「こいつ等は、何時もで経っても、変わんねぇな。」
「だな。
此処に、牧野が居たら…。
如何成って居たんだろうな?」
「きっと、今も、昔も、変わらず…。
其のままでしょ?」と…。
そして、「仕方ねぇ(無い)な。」と、言い乍らも、F3は、T3の後を追い掛けるのだった。