其の後【司とつくしは兄妹?…<つかつく>】 18.
総二郎は、司が、言った言葉に、苦笑いだったのだ。
そんな司の言葉に、総二郎は、ふと、思ったのだ。
だからだったのだろう。
総二郎は、司に話しし始めるのだった。
「なぁ~、司…。
優紀ちゃんの事…。
如何思う?」と…。
実は、総二郎が、司に、そう訊いたのには、訳が有ったのだ。
自身の母親で在る 西門流 家元夫人に、好かれている優紀…。
そんな優紀に関して、総二郎は、初対面だった頃から考えると…。
優紀への見る目が変わった事は、確かだったのだ。
だが、司には、全く、総二郎が、言って来る言葉の意図が、理解出来なかったのだ。
だからだったのだろう。
司は、総二郎に、訊き始めるのだった。
「なぁ~、総二郎…。
俺に、何を訊きたい?
俺に、何を言って欲しい。」と…。
だからだったのだろう。
総二郎自身も、司に何を訊きたかったのか?
実は、??だったのだ。
なので、此の時の総二郎は、一瞬、言葉に詰まるのだった。
其れでも、総二郎は、自身の気持ちを、如何、処理すれば良いのか?
迷って居たのだった。
其処で、総二郎は、気が付いたのだった。
そして、総二郎は、改めて、司に、話しし始めるのだった。
「………。
ああ。
すまん。
実は、自分自身の気持ちも、理解出来ずに居んだ。
俺は、今迄、遊んで来た。
だから…。
俺の結婚は、親に決められた相手との結婚に成ると思って居たし…。
そう、親から、教えられて来た。
だから…よ。
俺の気が済むまで、遊んで遣るつもりで居た。
けど…な。
ここ最近のお袋を観て居て、思うだ。
“俺の結婚相手は、お袋と気が合う女が、良いのかも…な。”と…。
其れに…な。
俺は、今迄、親父とお袋の事を、『家元』と『家元夫人』と、呼んでたろ。
けど…な。
初めて、其の事を指摘されたんだよな。
優紀ちゃんに…。
俺にとって、『家元』と『家元夫人』と、呼ぶ事は、ガキの頃から普通な事だった。
けど…。
優紀ちゃんに、指摘されて、普通じゃねぇ事を知った。」
其処で、司は、総二郎に、訊き始めるのだった。
「何て言われたんだ?」と…。
だからだったのだろう。
総二郎は、ボソボソと、話しし始めるのだった。
「あぁ~⤵。
“親子なのに…。
可笑しい。
『西門流』としてなら、当然だと思います。
けれど…。
プライベートの時は、『お父さん・お母さん』呼びする方が、良いと思います。”と、
言われた。
其れからの俺は、優紀ちゃんから、怒られてばかりだ。
でも、其れが、嫌じゃねぇ。
だから…よ。
自分自身の気持ちを考えあぐねてる。」と…。
其処で、司は、総二郎に、ズバッと、言って魅せるのだった。
「なぁ~、総二郎…。
其れって…。
総二郎は、既に、あの女に、惚れてるって事だろ?
あの女に、惚れてる自分自身を、総二郎は、認めたくねぇんじゃねぇの?
今迄の総二郎は、惚れらる事は有っても…。
総二郎自ら、惚れる事は、無かったんじゃねぇの?
だから…よ。
総二郎自身…。
戸惑ってんだろ?
総二郎…。
早く、自分自身が、其の事を認めて…。
楽に、成っちまえよ。」と…。
だからだったのだろう。
此の時の総二郎は、唯、司の方を観て、話しし始めるのだった。
自分自身の気持ちを確認するかの様に…。
「まぁ~、何ていうか?
そうだよな。
認めた方が良いよな。
けど…よ。
俺は、優紀ちゃんから、嫌われてるみてぇだし…よ。
認めるのが、怖ぇんだよな。
もし、自分自身の気持ちを認めた後に…。
“優紀ちゃんが、俺の事を、嫌ってる。”って事が、事実だったら…。
否…。
分かったら…。
きっと、俺は、取り返しの付かない事に成ると、思う。
其の事を知る事の方が、怖ぇんだよな。」と…。
だからだったのかも知れない。
司は、大きな声で、そんな総二郎に対して、笑い始めたのだった。
そして、総二郎に、言い始めるのだった。
「なぁ~、総二郎…(笑)。
其れって…よ。
総二郎は、あの女が、好きって事だろ?
早く、認めて、コクっちまえよ。
其の方が、楽に、何ぞ‼」と…。
そう、司が、総二郎に、話しして居た所に…。
西門家の使用人頭が、司と総二郎に、声を掛けて来たのだった。
「道明寺様…。
総二郎様…。
お嬢様方の採寸が、終わられました。」と…。
なので、司と総二郎は、客間に、向かうのだった。
そして、総二郎は、司と、優紀の話しをして居たからか?
総二郎は、中々、優紀の方を、真面に、観る事が出来なかったのだ。
そんな時だったのだ。
客間に入って来た総二郎の方に、顔を向けた優紀が、其処に居たのだった。
だからだったのだろう。
総二郎は、思い切って、優紀に、にこっと、笑い掛けて視たのだった。
だが、其の時に限って、優紀は、つくしに、声を掛けられて、つくしの方を向いて居たのだった。
所謂、優紀が、向いて居る方向は、客間に入って来た総二郎とは、反対の方向だったのだ。
なので、此の時の優紀は、総二郎が、笑い掛けてくれた事を、知らなかったのだ。
其の様子を観て居た司は、そんな総二郎に、苦笑いだったのだ。
だからだったのだろう。
司は、そんな総二郎の事を、思うのだった。
“総二郎は、タイミングが、悪いんだっつーの‼”と…。
だが、総二郎は、其れでも、良かったのだ。
何故なら…。
まだ、総二郎は、優紀に、告白出来る自信が無かったのだ。
其れでも、総二郎は、思うのだった。
“やっぱ…。
今しかねぇのかも…な。”と…。
なので、総二郎は、自身を鼓舞するかの様に…。
総二郎は、優紀に、声を掛けたのだった。
「優紀ちゃん…。
ちょっと、良いかな?」と、総二郎は、優紀を呼び出すのだった。
実は、其の様子を、総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人は、観て居たのだった。
そして、総二郎は、優紀に、話しするのだった。
「優紀ちゃん…。
明日、空いてる?
年内中に、言って置きてぇ事が有んだ。
明日…。
会ってくれねぇか?」と…。
此の時の優紀は、そんな神妙な様子の総二郎に、驚愕し乍らも…。
優紀は、そんな総二郎に、返答するのだった。
「分かりました。」と…。
なので、優紀から、会う事を了承された総二郎は、司の方に向かって、頷くのだった。
そして、翌日の総二郎は、優紀を迎えに行くのだった。
総二郎が、愛車を走らせた場所は、メープルだったのだ。
実は、司が、全てをセッティングしたのだった。
実は、司からの前祝いだったのだ。
此の時の総二郎は、そんな司の総二郎への思いは、まだ、知らなかったのだが…。