恋人達のX’mas…<総優> 短編②
此の場が、居た堪れなく成った優紀は、滋に声を掛けて、此の場を退席し様と考えて居たのだった。
「専務…。
少し、此の場を離れますね。」と…。
だからだったのだろう。
滋は、優紀に訊くのだった。
「何処に、行くの?」と…。
なので、優紀は、滋の耳元に、自身の唇を近付けて、自身の掌で、口元を隠し乍ら、滋に伝えるのだった。
「『Restroom(レストルーム)』に、行って来ます。」と…。
なので、滋は、同意するのだった。
「うん。
分かった。」と…。
そして、優紀は、此の場を離れたのだった。
だが、此の様子を観て居た者が、居たのだった。
其れは、総二郎だったのだ。
そして、総二郎は、優紀が、此の場を離れて、少ししてから、総二郎も、此の場を離れるのだった。
そして、そんな総二郎の動きを観て居た者が居たのだった。
そんな事とは知らない総二郎は、優紀を追い掛けるかの如く…。
優紀が、『Restroom(レストルーム)』から出て来るのを、扉の真向かいの壁に凭れて、腕を組んで、待って居たのだった。
其の場から出て来る淑女達は、そんな総二郎に、目で合図を送るが…。
此の時の総二郎は、一切、そんな淑女達を、相手にもし無かったのだ。
そんな総二郎の様子に、諦めたかの様に…。
淑女達は、いそいそと、其の場から、居なく成るのだった。
そして、総二郎にとっては、お目当てで在る 優紀が出て来た事で、総二郎は、優紀の腕
を掴んで、人気(ひとけ)の無い様な場所に、優紀を連れて行くのだった。
そして、総二郎は、怒りのままに、優紀に、訊き始めるのだった。
「優紀ちゃん…。
そんなに俺の事が、嫌ぇか?
俺に、目線を合わそうとしねぇし…よ。
ジーっと、俺が、優紀ちゃんを観て居ても、無視だしよ。
自信無さげに、俯いたままで…。
そんなに、俺に見られるのが嫌なら…。
俺に、そうはっきり言えよ‼」と…。
優紀は、総二郎から、そんな風に、言われるとは思って居なかったので…。
驚愕で、言葉が出て来なかったのだ。
だからだったのかも知れない。
優紀の目は、大きく見開いたまま…。
唯、総二郎を、ジーっと、観て居たのだった。
如何言えば良いのか?
迷って居るかの如く…。
だからだったのだろう。
総二郎は、更に、優紀に、訊き始めるのだった。
「優紀ちゃんは、今でも、俺の事が、好きだよな?
そうだろう?」と…。
そして、総二郎は、そう言い乍ら、優紀の顎を支えるかの様に、上に持ち上げて、大人なkissを優紀に、施すのだった。
優紀は、咄嗟の事だったので、一瞬、訳が分からなかったのだが…。
此の状況を理解した優紀は、藻掻き始めるのだった。
其れでも、総二郎の力には、及ばず…。
総二郎の想いのままに成って居た優紀だったのだ。
其処で、一瞬、総二郎の力が弱まった隙に…。
優紀は、総二郎の胸元に自身の手を添えて、総二郎を押し退けるかの様に、総二郎から離れたのだった。
そして、優紀は、「お先に、失礼します。」と、言い乍ら、其の場を後にしたのだった。
だが、優紀は、総二郎から逃げる様に、其の場を後にし乍ら…。
優紀の心の中では、張り裂けんばかりに、叫んで居たのだった。
‟西門さんは、如何言うつもりで、こんな事を、私にしたの⁉”と…。
実は、優紀が、自信無さげに、滋の後ろで俯き加減のままで居たのは…。
優紀とは、同じ秘書の仕事をして居るつくしなのだが…。
つくしは、司の婚約者として、司のパートナーとして、ドレスを身に着けて、出席して居たのだ。
また、桜子も、あきらの秘書の立場では在るのだが…。
あきらのパートナーとして、ドレスを身に着けて、出席して居たのだ。
だが、此の時の優紀は、滋の秘書として、出席して居たのだが…。
ドレスでは無く…。
スーツ姿だったのだ。
勿論、何時ものスーツよりは、ドレッシーでは在るのだが、此の時の優紀が身に着けて居る洋服は、スーツで在る事には違いが無かったのだ。
だからだったのだろう。
そんなつくしと桜子…。
そして、勿論のドレス姿の滋が、此の時の優紀にとっては、眩しく思って居たのだった。
‟私の今の現状は、皆とは、こんなに差が有る。”と、優紀には、思わざるを得なかったのだ。
だからこそ…。
そんな優紀の思いまで、総二郎に、見透かされて居た様で、優紀自身、辛かったのだ。
だからこそ…。
優紀は、二重の想いから、涙が溢れたまま…。
パーティー会場に戻って居たのだった。
優紀自身、気付かなかったのだが…。
一方、其の時だったのだ。
優紀が去った其の場所には、類が、総二郎の前に、顔を出したのだった。
そして、類は、総二郎に、声を掛けたのだった。
「総二郎…。
テンパってるね。
総二郎らしからぬという感じじゃ無い?
如何したの?」と…。
其処で、総二郎は、類に、訊くのだった。
「何時から、観てたんだよ?」と…。
なので、類は、何時もの如く…。
飄々と、総二郎に、言って除けるのだった。
「何時から…?
う~ん?
‟優紀ちゃん…。
そんなに俺の事が、嫌ぇか?”と、総二郎が、あの娘(こ)に、訊いて居た所位か
ら…?」と…。
だからだったのだろう。
総二郎は、そんな類に、呆れるかの様に、言って除けるのだった。
「其れじゃ~。
最初からだろ?
其れに、俺らしからぬとは、如何言う状況だったら、俺らしいんだよ?」と…。
なので、類は、考えるかの様な振りをして、総二郎に、話しし始めるのだった。
「う~ん?
総二郎は、俺からすれば…。
クールで、周りを良く観てて…。
其の場の空気が読める。
けど…。
今日の総二郎は、まるで、司の様に、突進型に成ってたよ。
あの娘(こ)…。
牧野の友達も、震えてたみたいだったけど…。」と…。
だからだったのだろう。
総二郎は、自身の想いを、類に打ち明けるのだった。
「何か?
優紀ちゃんを観て居て、腹立って来たんだよな。
俺の事を見様としねぇし…よ。
フル無視だぜ、無視…。
有り得ねぇだろ?
俺が、無視されるって…。」と…。
なので、類は、総二郎に、訊き始めるのだった。
「だから…。
牧野の友達に、あんなにムキに成ったの?
総二郎…。
もしかして…。
牧野の友達に、惚れたの?」と…。
だからだったのだろう。
総二郎は、更に、類に、言って除けるのだった。
「俺じゃねぇだろ?
優紀ちゃんが、俺に惚れてるから、優紀ちゃんは、俺に、あんな態度を取ってるんだ
ろ?」と…。
だからだったのだろう。
類は、そんな総二郎に、思って居たのだった。
‟総二郎は、如何も、『司』化してしまった様だね。
総二郎が、本気の恋をすると、こう成るんだぁ~。
新発見かも…ね。”と…。
だが、類は、此れ以上、総二郎と話しして居ても、一方通行に成りそうだったので…。
話しを切り上げて、自身は、パーティー会場に、戻る事にしたのだった。
「俺は、パーティー会場に、戻るけど…。
総二郎は、如何する?」と…。
なので、総二郎は、そんな類に、頼むのだった。
「俺は、此のまま…帰るわ。
俺が、(パーティー会場に)戻っても、優紀ちゃんとは、気拙く成りそうだし…な。
だから…よ。
司とあきらには、言って置いてくれ‼」と…。
だからだったのだろう。
類も、‟其の方が良い。”と、判断したので、類は、総二郎に、頷くのだった。
そして、類だけが、パーティー会場に、戻ったのだった。
そして、類は、まるで、優紀に伝えるかの様に…。
F2(司とあきら)に、報告するのだった。
「総二郎は、‟先に、帰る。”と、言ってたよ。」と…。
だからだったのだろう。
司とあきらは、口々に、言って除けるのだった。
「何だよ。
先に、帰ったのかよ。
此の後…。
飲みに行くつもりだったのに…よ。」と、司が、愚痴を溢せば…。
「何か、総二郎に、有ったのか?
類…。」と、あきらは、総二郎の事を心配するのだった。
だが、此の時の優紀の顔付きは、ホッとして居たのだった。
そんな優紀の顔付きを、不思議に思い、此の現状を考えて居る者が居たのだった。
そして、其の後…。
此の事が、T3の耳に入る事に成るのだった。