I’m crazy about you. ~お前に夢中~ 60.
という訳で…。
つくしは、再び、タマと会う事と成るのだった。
実は、其の前の日のタマとつくしは、それぞれ、興奮状態と成って居た事で…。
それぞれ、眠れる夜を過ごして居た事は言うまでも無かったのだ。
そして、其の当日のつくしは、久々に、道明寺邸に、入るのだった。
つくしは、道明寺家のリムジンから降りた時…。
まじまじと、道明寺邸を、見詰めて居たのだった。
そして、此の時のつくしは、呟いて居たのだった。
「こんなにも、桃乃園邸と道明寺邸は、近いのに…。
あの頃から今迄、道明寺邸の前すら…。
通った事が無かった何て…。」と…。
そんなつくしの呟きに…。
司も、つくしに、言って除けるのだった。
「そうだよな。
こんなに、近くに、桃乃園邸と道明寺邸の両邸が在るのに…な。
今迄、行き来してねぇ何て…な。
勿体ねぇよな。」と…。
其処で、つくしは、クスクス、笑うのだった。
そして、つくしは、そう言って来た司に、笑い乍らも、言って除けるのだった。
「“勿体ねぇよな。”って…(笑)。
司の口から、そんな言葉が出て来る何て…。
笑ってしまったでしょ!」と…。
だが、『勿体無い。』と言う言葉は、つくしが、高等部の頃…。
良く言って居た言葉だったのだ。
だからだったのだ。
此の時の司は、其の頃の事を思い出したかの様に…。
言って除けて居ただけだったのだ。
だからこそ…。
此の時の司は、そんなつくしに、言えた言葉だったのだ。
「お前が、高等部の頃に、良く言って居たフレーズだったろ?
ちょっと、思い出したから…よ。
言って視たんだ。」と…。
だからだったのだ。
つくしは、司が、そう言って来た言葉の意図を知り、何も言い返せずに、居たのだった。
そして、何も言い返して来ないつくしに、痺れを切らしたかの様に…。
司は、つくしをエスコートし乍ら、道明寺邸のエントランスホールに、誘導するのだった。
「つくし…。
じゃあ…。
行こうか?」と…。
だからだったのだろう。
つくしも、そう言って来た司に、賛同するかの様に…。
頷くのだった。
「うん。」と、言い乍ら…。
そして、道明寺邸のエントランスホールに入った司とつくしを待って居たかの様に…。
ドアの真正面には、タマが、杖を突いて、待って居たのだった。
そんなタマの姿を観たつくしは、タマの方へ駆け寄り…。
タマを抱き締めたのだ。
勿論、タマも、そんなつくしを抱き締め返して居たのだった。
そして、此の時のタマとつくしは、大泣きだったのだ。
そして、つくしが、まだ、英徳高校に通って居た頃…。
司専属の道明寺邸のメイドをして居た時…。
つくしが、お世話に成って居た其の当時の執事や使用人も、まだ、何人か?
道明寺邸の執事や使用人として残って居た為…。
タマとつくしが、其の頃から、如何言う関係で在るのか?
そんな道明寺邸の執事や使用人は、皆、知って居るのだ。
だからだったのだろう。
そんな道明寺邸の執事や使用人は、そんなタマとつくしの二人の様子を、涙を流し乍ら…。
見詰めて居たのだった。
そして、つくしは、タマに、詫びの言葉を、告げるのだった。
「タマ先輩…。
長い間、不義理をしてすみませんでした。」と…。
だが、タマは、つくしが、不義理をして居たとは、思っても居なかったのだ。
寧ろ、タマは、“仕方無かったんださね。”と、ずーっと、思って居たのだ。
其れよりも、其の当時のタマは、自身の孫の様に、つくしに接して居たのだ。
唯、つくしと会いたくて仕方無かっただけ…だったのだ。
だからこそ…。
此の時のタマは、そう言って来たつくしに、言えた言葉だったのだ。
「つくしは、仕方無かったんだろ?
つくしも、タマに、会いたくても、会えずに居たんだろ?
漸く、タマは、つくしに会えたださね。
其れよりも、つくしは、もう、道明寺邸のメイドじゃ無いんだよ。
タマは、つくしの『タマ先輩』じゃ無い。
『タマ』と、お呼び…。
現在のつくしは、『桃乃園財閥のお嬢様』…何だから…。
だから…。
タマも、つくしの事を、『つくしお嬢様』と、呼ばなくちゃ成らんだろうさね。」と…。
だが、そう言って来たタマに対して…。
此の時のつくしは、交換条件を出すのだった。
「私には、呼び捨ては出来ません。
だから…。
『タマさん』と、呼ばせて下さい。
其れと…。
私の事も、今迄通り…。
『つくし』で、お願いします。
了承して貰えないと…。
今後の私は、道明寺邸に、お邪魔する事は、出来ません。」と…。
其処まで、つくしから、言われてしまっては、此の時のタマでさえも、つくしに、降参するしか無かったのだ。
だが、一応…。
タマは、司の方を観たのだった。
そして、司は、タマが、自身を見て来た事の意図が分かり、タマに、言って除けるのだった。
「タマ…。
つくしの言う通りにして遣ってくれ‼
今後、つくしが、道明寺邸に、現れないと成ると…。
困る事も有るだろ?
つくしが、言う事は、ぜってぇだから…な(笑)。」と…。
司は、タマに言い乍らも、最後の方の言葉は、笑い乍ら、タマに、伝えて居たのだった。
何故なら…。
タマの顔付きが、渋い顔付きに成って居たから…だったのだ。
だからだったのだろう。
此の時のタマは、納得するしか無かったのだった。
“仕方無いさね。”と、思い乍ら…。
だが、一応、此の時のタマは、つくしに、提案をして、了承を求めるのだった。
「つくし…。
現在のつくしは、仮にも、『桃乃園財閥のお嬢様』…何だよ。
だから…さね。
内々には、つくしの事を、今迄通り…。
タマは、『つくし』と呼ばせて貰うが…。
其れ以外では…。
『つくしお嬢様』と、呼ばせて貰う。
其れが、『筋』というモノださね。」と…。
つくしとて、タマから、『筋』と言われてしまえば…。
了承しなくては成らないのだ。
だからだったのだろう。
つくしは、タマからの言い分に、了承するのだった。
「承知しました。
タマさん…。
此れからも、宜しくお願いします。」と…。
なので、此の時のタマは、そう言って来たつくしに、返答するのだった。
「あいよ。
此方こそ…。
宜しく頼むさね。」と…。
そして、其の後のタマとつくしは、積もる話も有ると言う事で…。
タマの自室に、向かうのだった。
そして、其のタマの自室に入った時のつくしは、懐かしさの余り…。
号泣し始めるのだった。
そして、タマの自室に入った時のつくしは、まだ、タマの部屋に、『炬燵』が在る事に感動して、更に、つくしは、号泣し始めるのだった。
そして、漸く、涙も、落ち着きを取り戻したつくしは、『炬燵』に入り乍ら…。
暫くの間、タマと此れまでの話しをして居たのだった。
そして、つくしは、タマに、お礼の言葉を伝えるのだった。
此の時のつくしは、首に付けていた『土星のネックレス』を、タマに、魅せ乍ら…。
「タマさん…。
此の『(土星の)ネックレス』と『ウサギのぬいぐるみ』…。
見付けて下さって、有難う御座いました。」と…。
だからだったのだろう。
タマは、頷くのだった。
そして、タマは、つくしに、言って除けるのだった。
「良かったさね。
見付けたのが、タマで…。」と…。
そして、つくしは、タマに、返答するのだった。
唯、「はい。」と…。
そして、此の時のつくしは、漸く、気が付いたのだった。
司が、タマの自室に居ない事を…。
なので、此の時のつくしは、タマに、訊き始めるのだった。
「えっ??
タマさん…。
司が、居ないんですが…。」と…。
だからだったのだろう。
此の時のタマは、呆れ顔に成り乍らも、つくしに、話しするのだった。
「坊っちゃんなら…。
自身の自室に行かれたよ。
つくしは、気が付いて居なかったのかね?」と…。
だからだったのだろう。
つくしは、薄情にも、気が付いて居なかったと言う事も有り、頷く事しか出来無かったのだ。
なので、此の時のタマは、そんなつくしに、思うのだった。
“つくしは、相変わらずの様ださね。”と…。
実は、此の時の司は、“久し振りに、再会したタマとつくしには、積もる話も有るだろうから…。”と…。
再会したタマとつくしから、そーっと、離れて、自身の自室に、向かって居たのだった。
だが、薄情にも…。
つくしは、そんな司の事を、すっかり、忘れて居たのだった。