結婚出来ない男・しない女…<つかつく> 21.
其の後の司は、道明寺総合病院の理事長から、直接、連絡が入って来た事で、自身の愛車を走らせて、道明寺総合病院に向かって居たのだ。
其れは、勿論、つくしを迎えに行く為だった事は言うまでも無い。
実は、こう言う事も有ろうかと、司は、道明寺総合病院の理事長に頼んで、或る物を用意させて居たのだ。
其の或る物とは…。
そうなのだ。
つくしの執務室で在る 総合外科部長室のキーだったのだ。
何故なら…。
こう言う事も有ろうかと、司は、道明寺総合病院の理事長に頼んで、事前に、準備させて置いたという訳…だったのだ。
だからだったのだ。
つくしが担当する急患の手術が終了して、此処(つくしの執務室で在る 総合外科部長室)につくしが戻って来る事を、今か今かと、つくしの執務室で在る 総合外科部長室の中で、此の時の司は、つくしを待つ事にしたという訳…だったのだ。
だからだったのだろう。
自身の自室にて、司が待って居る事を知らなかった此の時のつくしは、鍵を開けて入ろうとして居たのだ。
だが、既に、ドアの鍵が開いて居る事を確認したつくしは、そーっと、ドアを開けて視たのだった。
そして、其処(つくしの執務室で在る 総合外科部長室の中)では、既に、司が、ソファに、デンと、座って居る様子が見えたのだ。
だからだったのだろう。
此の時のつくしは、また、そーっと、ドアを閉めたのだ。
だからだったのだろう。
つくしのそんな様子を見付けた司は、慌てるかの様に、ドアの方に向かい、逃げるつくしの腕を、ギリギリ、捕まえたのだ。
其処で、其れでも、逃げ様と藻掻いて居るつくしに、此の時の司は、訊き始めるのだった。
「つくし…俺が、此処(つくしの執務室で在る 総合外科部長室の中)に居るのに…よ。
何で、逃げんだよ⁉
可笑しいだろ?
俺は、お前の婚約者だろ?」と…。
実は、此の時の司には、分かって居たのだ。
何故、つくしが、司から逃げ様と、藻掻いて居るのかを…。
実は、『其処』と、云うのは、つくしの執務室で在る 総合外科部長室前の廊下…だったのだ。
勿論、つくしの執務室で在る 総合外科部長室前の廊下と云うのは、実は、人が往来出来無い様な奥地に在る訳では無く、寧ろ、誰でも通れる様な場所に在るのだ。
何故なら…。
総合外科に在籍して居る ドクター達の為のドクター室 や 総合外科病棟のナース達の為の休憩室が、つくしの執務室で在る 総合外科部長室の目の前に在るから…だったのだ。
だからだったのだ。
其の為に、総合外科のドクター達 や 総合外科病棟のナース達も、つくしの執務室で在る 総合外科部長室前を通る事に成るのだった。
だからこそ…。
此の時のつくしは、そんな風に、強引な司と離れたくて、藻掻いて居たという訳…だったのだ。
其れなのに…。
此の時の司は、「俺は、お前の婚約者だろ?」と、言ったのだ。
しかも、総合外科のドクター達 や 総合外科病棟のナース達も通って居るというのに…だ。
だからだったのだ。
此の時のつくしは、独り言かの様に、呟いて居たのだ。
「此の男は、何を言ってるのよ⁉」と、怒り乍ら…。
だからだったのだ。
そんなつくしの独り言の様な呟きを、ちゃんと、聞き取って居た此の時の司は、其れでも、飄々と、つくしに言って除けるのだった。
「はぁ~??
“此の男は、何を言ってるのよ⁉”って…か?
なぁ~、つくし…。
俺は、事実を言った迄だ。
お前は、何で、そんなに不服そうな顔付きで、俺に言ってんだよ?」と…。
其処で、つくしは、口に出し乍らも、此処(道明寺総合病院)が、自身の職場だと言う事を忘れてしまったかの様に、司と言い合いを始めるのだった。
「あのねぇ~。
此処(道明寺総合病院)は、私の職場なの!
しかも、此処(つくしの執務室で在る 総合外科部長室前)は、私の執務室の前の廊下な
の。
此処(つくしの執務室で在る 総合外科部長室)迄、司が迎えに来る事無いでしょ!」と…。
だからだったのだ。
此の時の司は、一歩も、つくしから引き下がる様子も無く、更に、つくしに言って除けるのだった。
「あのなぁ~。
其れは、お前が悪ぃんだろ‼
お前さえ、俺の言う通りに行動してれば、俺も此処迄しねぇっつーの‼
お前が、俺に反論ばかりするから…よ。
こうせずには居らねぇんだよ‼」と…。
だからだったのだ。
此の時のつくしも、一歩も、司から引き下がる気配を見せずに、司に訊き始めるのだった。
「誰に、此処(つくしの執務室で在る 総合外科部長室)の部屋の鍵を開けて貰ったの
よ?」と…。
其処で、司は、“当たり前ぇだろ‼”と、言いた気に、つくしに言って除けるのだった。
「あのなぁ~。
俺は、お前の婚約者で、此処(道明寺総合病院)のオーナーだっつーの‼
其の俺が、お前の部屋のキーの一つや二つ、用意出来ねぇ様で、如何すんだよ⁉
だからこそ…。
俺は、お前の自室だろうと、お前の部屋のキー位ぇは持ってんだ‼」と、自慢げに…。
だからこそ…。
此の時のつくしは、“此の男には、何を言っても無駄‼”と、諦めて居たのだ。
だが、此の時のつくしは、知らなかったのだ。
司とつくしが、つくしの執務室で在る 総合外科部長室前の廊下にて、繰り広げて居る此の言い合いの様子が、既に、道明寺総合病院内にて、知れ渡って居た事を…。
云わば…。
時すでに遅しとは、此の事…だったのだ。
実は、其の事を知った時のつくしは、もう、道明寺総合病院の誰にも、言い訳等出来無い状況と成って居たのだ。
実は、此の時の司は、此の事を狙って居たのだ。
というのか?
態と、此の時の司は、こうして居たのだ。
云わば…。
此の時の司は、確信犯と云えたのだ。
本来のつくしは、司の事が嫌いで、司を拒んで居る訳では無かったのだ。
寧ろ、つくし自身、司の事を好きに成って居たのだ。
だが、此の当時のつくしは、ドクターに成った頃から、決心して居た事が有ったのだ。
其れは、『私は、一生、結婚をし無い。』と、言う事だったのだ。
云わば…。
此の時のつくしは、既に、一生、ドクターとして生きて行く決心をして居たのだ。
だからこそ…。
此の時のつくしは、既に、自身との結婚を望み、“つくしとは、一日でも早く、結婚してぇ(たい)‼”とまで、考えて居る司を拒んでしまうのだった。
実は、つくしには結婚を望まない理由が有ったのだ。
其れは、つくしが中学生だった頃から、『つくしの玉の輿』を望んで居た自身の母親で在る 牧野千恵子への反発心からだったのかも知れない。
だが、現在のつくしが、恋人としてお付き合いをして居る男性は、其れは、言うまでも無く、道明寺財閥の御曹司 『道明寺司』なのだ。
だからだったのだ。
間違い無く、其の事は、つくしの母親で在る 牧野千恵子が望んで居た『つくしの玉の輿』と、言わざるを得なかったのだ。
だが、実は、牧野家の将来に関して、ドクターに成った当時のつくしは、自身の母親で在る 牧野千恵子には、自分自身の事を信頼して欲しかったのだ。
何故なら…。
“玉の輿を狙わなくても、私の給料だけで、牧野家を支えて魅せる。”と、つくし自身、ずーっと、考えて居たのだ。
其れは、そう思う位に、此れ迄のつくしは、努力して来たし、頑張っても来たと自負して居たのだ。
だが、其れでも、つくしの母親で在る 牧野千恵子は、『つくしの玉の輿』を望んで居たのだ。
其れは、つくしがドクターと成った後も、『つくしの玉の輿』を望んで居たという訳…だったのだ。
だからだったのかも知れない。
つくしがドクターと成った当時のつくしの母親で在る 牧野千恵子は、「つくしには、きっと、素晴らしいお医者様が、つくしのお婿さんに成ってくれると思うわ。」と、自身の娘で在る つくしに言って居た程…だったのだ。
だからこそ…。
此の時のつくしは、思って居たのだ。
“もし、司を、パパとママの前に連れて行けば、きっと、ママは、目の色を変えて、有り得
ない事を、司に言い出し、司を怒らせる様な事に成って、大変な事に成ると思う。
だからこそ…。
司を、パパとママの前には、連れて行けない。
だからこそ…。
私は、司とは、結婚出来無い。”と…。
だからこそ…。
此の時のつくしは、頑なな迄の態度を、司に取って居たのだ。
だが、そんな事とは知る由も無い司は、“つくしは、何で、其処迄、俺に、不機嫌な態度を取って来んだ⁉”と、思って居たのだった。
其処で、此の騒ぎを聞き付けた看護師長が、つくしの執務室で在る 総合外科部長室前の廊下に現れたのだった。
だからだったのだ。
此の場で、言い合いに成って居た司とつくしは、看護師長の登場に、驚愕するのだった。
其処で、看護師長は、そんな司とつくしに、言って除けるのだった。
「司様と云い、牧野先生と云い…。
上に立つ立場の方々が、此の様な場所で、何を為さって居るのですか?
(道明寺総合)病院内では、既に、司様と牧野先生の事が噂に成って居ますよ。
こういうお話しは、お部屋の中で、話しして下さいますか?」と…。
其処で、此の時のつくしは、後悔して居たのだ。
何故なら…。
此の時のつくしには、分かって居たのだ。
“今更…何だけど…。
司が、こう成る事を分かってて、態と、そう仕向けたのかも知れない。
だけど…司のそんな作戦に乗ってしまった私が悪いと云えば、悪いのかも知れないなぁ
~。”と、反省する程に…。
だからだったのだ。
此の時のつくしが、そう考える程に、此の時のつくしは、司の作戦に、まんまと、乗せられて居たという訳…だったのだ。
だからだったのだろう。
という訳では無いのだが、其の後のつくしは、司との噂話を否定出来無い状況と成って居たのだ。
何故なら…。
其の後のつくしは、次から次に、否定出来無い様な出来事が起こるから…だったのだ。
だからだったのだろう。
此の時の司は、密かに、ほくそ笑んで居たという訳…だったのだ。