Close to you~お前の傍に~…<つかつく> 8.
F4は、作戦会議を始めたのだ。
そして、作戦会議を始めたF4は、和也を呼び出す事にしたのだ。
『昼休憩に、F4ラウンジに来い‼』と、勿論のあきらの『LINE』から…。
だからだったのだろう。
つくしが英徳高校から居なく成った今でも、未だ、F4の仲間だと思って居る和也は、昼休憩に入ったと同時に、慌てて、F4ラウンジに向かったのだ。
実は、此の時の和也は、嬉しかったのだ。
あきらを通して、F4から呼び出しを受けた事が…。
何故なら…。
幾ら、能天気な和也でも分かって居たのだ。
つくしが英徳高校から居なく成った今でも、英徳学園の生徒・学生達が、自分自身に手を出して来ない理由を…。
其れは、間接的とは言え…。
和也自身がF4から守られて居るから…だったのだ。
だからだったのだ。
此の時の和也は、F4からの呼び出しを受けた事で、慌てて、F4ラウンジに向かって居たという訳…だったのだ。
其処で、あきらは、作戦通りに、F4ラウンジに到着したばかりの和也に、声を掛けるのだった。
「和也に頼みが有る。
授業が終わったら、桜子を此処(F4ラウンジ)に連れて来て欲しい。」と…。
だが、そんなあきらからの頼み事を耳にした和也は、思って居たのだ。
“其れは、難しいだろうなぁ~。
だって、授業が終われば、三条さんは、さっさと、帰ってしまうんだもん。”と…。
だからだったのだろう。
此の時の和也は、困った顔付きに成るのだった。
だからだったのだ。
其処で、類は、態と、和也に声を掛けるのだった。
「和也は、牧野の為だったら、動く事が出来るでしょ!」と…。
実は、類は、密かに、和也も、つくしに好意を寄せて居る事を知って居たのだ。
勿論、其れは、類だけでは無く、総二郎とあきらと桜子も…そうだったのだが…。
司は知らなかったのだ。
だからだったのだろう。
此の時の類は、司がつくしの記憶を取り戻したという事で、自分自身の独自の作戦を決行したという訳…だったのだ。
だからだったのだ。
まんまと、類の口車に乗せられてしまった司は、和也に怒鳴り始めるのだった。
「和也…お前、もしかして、牧野に惚れてるとは言わねぇよな?
如何…何だよ?」と…。
其処で、和也は知ったのだ。
司の記憶が戻って居るという事を…。
「道明寺…つくしちゃんの記憶…。
戻ったの?」と…。
だからだったのだ。
此の時の司は、和也に言って除けるのだった。
そして、訊くかの様に…。
「ああ、戻った。
で、如何…何だよ。
和也も、牧野に惚れてんのかよ?」と…。
だからだったのだ。
此の時の和也は、“当たり前でしょ!”と、言わんが如く…。
司に返答の言葉を告げるのだった。
「うん、そうだけど…。
僕は、小学生の頃から、ずーっと、つくしちゃんの事が好きだよ。」と…。
其処で、司は、和也を睨み付け乍ら、更に、言って除けるのだった。
「だったら、今直ぐ、此処で、牧野の事を忘れろ‼
此れからは、牧野に好意を寄せるな‼」と…。
だからだったのかも知れない。
此の時の和也は、不服そうな顔付きに成り、司に歯向かうのだった。
「如何して…?
如何して、道明寺に、そんな事、言われなくちゃいけないの?」と…。
其処で、司は、きっぱりと、和也に忠告かの如く、言って除けるのだった。
「牧野は、俺の女だから…だ。
俺と牧野は付き合ってる。」と…。
そんな話しを、此れ迄、つくしから、全く、聞かされた事の無かった和也は、驚愕するのだった。
否、驚愕声を発するのだった。
「えっ~~??」と…。
だからだったのだ。
そんな和也の驚愕声に耳を塞ぎ乍らも、此の時の総二郎とあきらは、同じ事を思って居たのだ。
“類の野郎…。
俺等に黙って、司に仕掛けるんじゃねぇよ‼
司が吠え始めたろ‼
如何すんだよ。”と…。
勿論、そんな和也の驚愕声にも、此の時の総二郎とあきらは、それぞれ、“うるせぇ~‼”と、うんざりして居た事は言うまでも無かったのだ。
其処で、あきらは、本題に戻すべく、話しを切り出し始めるのだった。
「兎に角、和也…。
授業が終われば、此処(F4ラウンジ)に桜子を連れて来い‼
牧野の居場所を見付ける為には、桜子が握って居る情報を、桜子から訊き出した方が早ぇ
様な気がすんだ。
桜子は、何か、隠してる様な気がする。
だから…よ。
和也も、俺等に協力しろよ‼」と…。
勿論、F4(あきら)から言われた通り、此の時の和也にも、“つくしちゃんの為に協力したい‼”という気持ちも有ったのだ。
だが、司の口から聞かされた事で、今し方知ったばかりなのだ。
つくしが司と付き合って居るという事を…。
だからだったのだ。
此の時の和也は、思って居た事が有ったのだ。
“「牧野(つくしちゃん)の為…。」と、F4から言われれば、協力したい気持ちも、勿論、
在るには有るけど…。
でも、やっぱり、許せない。
僕の方が、もっと、つくしちゃんを幸せにして上げられるのに…。
少なくとも、つくしちゃんを行方不明にさせる様な事はし無い。”と…。
だからだったのだろう。
此の時の和也は、素直な気持ちのまま、返答出来ずに居たのだ。
だが、実は、此の時の類は、和也と同じ様に、つくしを想って居る人間として、和也に伝えたかったのだ。
“司が、牧野の記憶を取り戻したという事は、幾ら、和也が牧野の傍に居たくても、其れ
は、叶う事が出来ない。
勿論、其れは、俺も同じ事…。
だからこそ…。
和也は、現実を知った方が良い。”と…。
だからだったのだ。
類は、和也が傷付く前に、現実を知って欲しかったのだ。
“今は、辛いかも知れないけど…。
そうする事で、心の傷は、少なくとも、小さくて、浅くて済むでしょ!”と…。
だが、此の時の類は、唯、思って居るだけで、自身の心の声を口に出す事はし無かったのだ。
何故なら…。
“俺から言わなくても、和也にも、現実を知る時が来るだろうね。”と、此の時の類は、思って居たから…だったのだ。
だからだったのかも知れない。
此の時の類は、和也に、別の角度から、話しし始めるのだった。
「和也も、牧野の事が好きなら、俺等に協力するべきだよ。
じゃないと…。
和也が探してくれて居なかった事を知った時の牧野は、きっと、悲しがるよ。」と…。
だからだったのだろう。
此の時の和也は、F4に言えた言葉…だったのだ。
「分かったよ。
協力するよ。
此処(F4ラウンジ)に、三条さんを連れてくれば、良いんだよね。」と…。
だからだったのだ。
其処で、ニヤッと、笑ったのは、他でも無い。
類…だったのだ。
「うん、そうだよ。」と、言い乍ら…。
だからだったのかも知れない。
そんな類の顔付きを観た総二郎とあきらは、同じ事を思って居たのだ。
“類は、何を企んでやがる。
けど…よ。
類は、和也を下げたり、上げたり…。
忙しい奴だな。”と…。
という訳で、此の日の和也は、此の日の授業が終了した時点で、桜子をF4ラウンジに連れて来る事と成ったのだった。