tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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鰻重【会いたい】…<つかつく>  番外編





土用の丑の日
 2022年7月23日…一の丑
 2022年8月4日…二の丑



【司 と つくしの愛娘で在る ひなが、漸く、『道明寺ひな』と、成った頃の初めての
 『土用の丑の日』の出来事】


其の日のひなは、道明寺邸に帰邸して直ぐ、ダイニングルームに向かって居たのだ。


何故なら…。
ディナーの時間と成って居た為に、道明寺家の執事に促されて居たから…だったのだ。


其処で、ひなは、涙を流す事と成るのだった。



実は、此の日は、『土用の丑の日』…だったのだ。


だからだったのかも知れない。
此の日のディナーは、『鰻重』…だったのだ。



其処で、道明寺家の料理長は、『鰻重』を食して居るひなに訊くのだった。


「ひなお嬢様…。
 『鰻重』は、如何(いかが)で御座いますか?
 本日は、『土用の丑の日』で御座いますので、『鰻重』を御準備させて頂きました。
 ごゆるりとお召し上がり下さいませ。」と…。


其処で、此の時のひなは、そんな風に、道明寺家の料理長に促され、『鰻重』を食し乍らも、涙を流し始めたという訳…だったのだ。



だからだったのだろう。
此の時の道明寺家の料理長は、司 と つくしの愛娘で在る ひなの涙を見て、驚愕するのだった。


何故なら…。
此の時の道明寺家の料理長は、司 と つくしの愛娘で在る ひなの涙を見て、“とんでもない事をしてしまった。”と、思えたから…だったのだ。


だが、此の時のひなは、そんな風に、オドオドして居る道明寺家の料理長を余所に、話しし始めるのだった。


「料理長…ご免なさい。
 吃驚しましたよね?
 実は、ママの事を思い出してしまって…。
 なので、勝手に、涙が出てしまった様です。」と…。


だからだったのだ。
此の時の道明寺家の料理長は、自身に、そう話ししてくれた司 と つくしの愛娘で在る ひなに対して、又もや、驚愕するのだった。


だが、そんな道明寺家の料理長の状況等、気にする様子も無く、此の時のひなは、また、話しし始めるのだった。


「“きっと、ママは、こんな豪華な『鰻重』を食した事は無かったんだろうなぁ~。”と、
 思ったんです。
 実は、小学生の頃の私は、ママから、『穴子丼』が『鰻丼(=鰻重)』だと教えられて
 居たんです。
 其の当時の私も、(TVの)番組 や CMとかで、豪華な『鰻重』を見た事は有ったん
 ですが…。
 私が知って居る『穴子丼』は、丼(どんぶり)に盛られて居たので、(TVの)番組 や 
 CMとかで見て居た豪華な『鰻重』とは、別物だと思って居たんです。
 でも、私が中学生に成った頃に知ってしまったんです。
 『土用の丑の日』に食するのは『鰻』で有って、『穴子』では無いと言う事を…。
 そして、スーパーで売られて居る『鰻』 と 『穴子』の値段を見て、私は、悟ったんで
 す。
 如何して、『土用の丑の日』に成ると、ママは、小学生の頃の私に、“此れが、『鰻丼
 (=鰻重)』だ。”と、偽って、『穴子丼』を作ってくれて居たのか?
 其の事を知った私は、其の当時の牧野家のエンゲル係数から言うと、“とても、『鰻』が
 買えなかったんだろうなぁ~。”と、思えたんです。
 だから、“きっと、ママは、こんな豪華な『鰻重』を食した事は無かったんだろうなぁ
 ~。”と、思えてしまったら、勝手に、涙が出てしまった様です。
 吃驚させて、ご免なさい。」と…。


だからだったのだろう。
其の後の道明寺家の料理長は、「ごゆるりと、お召し上がり下さいませ。」と、再び、ひなに声を掛けて、其の場を退席したのだった。



実は、此の道明寺家の料理長は、現在の道明寺家の料理人の中でも、唯一、英徳高校時代の司 と つくしの事を知って居る料理人…だったのだ。


だからこそ…。
此の時の道明寺家の料理長は、そんなひなを前に、伝える言葉を失って居たのだった。



だからだったのかも知れない。
司 と 進兄弟が道明寺邸に帰邸して直ぐ、ダイニングルームに向かった際、道明寺家の料理長は、ひなから聞いた其の話しを、司 と 進兄弟に話しするのだった。


そして、そんな話しを道明寺家の料理長から聞いた進は、補足を加えるかの如く、話しするのだった。


「そうですね。
 きっと、姉ちゃんは、こんな豪華な『鰻重』を食した事は無かったと思います。
 もし、其の当時、『鰻』が手に入ったとしても、姉ちゃん自身は食べずに、(牧野家の)
 両親 や 俺 や ひなに食べさせて居たと思います。
 姉ちゃんという女性(ひと)は、そう言う女性(ひと)でしたから…。」と…。


実は、進からのそんな話しは、司だけでは無く、道明寺家の料理長も、納得する処…だったのだ。



だからだったのだ。
此の時の進は、再び、話しを続けるかの様に、ボソッと、話しし始めるのだった。


「そうかぁ~。
 ひなは、知って居たんだな。
 其れでも、ひなは、知らない振りをして、俺を気遣うかの様に、『土用の丑の日』に成る
 と、『鰻丼(=鰻重)』では無く、『穴子丼』を作り続けてくれて居たのか?
 何方にしても、其の当時の俺の給料じゃあ、『土用の丑の日』だからと云って、そう簡単
 に、“『鰻』を買う訳にはいかない。”と、でも、ひなは、思ったんだろうなぁ~。
 ほんと、ひなには、苦労ばかり掛けて来たんだな。」と…。



だからだったのかも知れない。
此の時の司は、進がボソッと発した話しを聞いて居た事で、此の場では涙を見せる事無く、道明寺家の料理長に懇願するのだった。


「料理長…悪ぃが、少し、『鰻重』を器に盛ってくれるか?
 つくしに食べさせて遣りてぇんだわ。」と…。


だからだったのだろう。
此の時の道明寺家の料理長は、「承知致しました。」と、其れ以上の言葉は、何も言わず、其の場を、一旦、後にして、『鰻重』を器に盛って来たのだった。


だからだったのだ。
此の時の司は、そんな道明寺家の料理長に、「サンキュー!」と、伝えたまま、其の器を受け取り、其の後、席を立ち、自身の自室に籠ったのだった。


何故なら…。
此の時の司は、つくしと二人切りに成りたかったから…だったのだ。
其処で、此の時の司は、つくしに言って除けるのだった。


「つくし…此れが、『鰻重』だよ。
 つくしは、『鰻重』を食べた事が無かったらしいな。
 だから…よ。
 ゆっくり、食べろ‼」と…。


だが、此の時の司は、口に出して言えなかった事が有ったのだ。


だからだったのだろう。
此の時の司は、涙を流し乍ら、自身の心の中で、つくしに詫びを入れて居たのだった。


“ご免な、つくし‼
 『鰻重』を食べる事が出来無い様な生活をさせて…よ。
 お前が生きてる間に、『鰻重』を食べさせて遣りたかったわ。”と…。


だが、全ては、後の祭りだという事を理解して居る此の時の司は、唯、涙を流す事しか出来無かったのだった。



PS.


其の後、毎年、『土用の丑の日』に成ると、つくしの為に『鰻重』が準備された事は言うまでも無かったのだった。



fin




<此の二次小説『鰻重【会いたい】…<つかつく>  番外編』の中に出て来る『鰻丼(=
 鰻重)』の意味合いですが…。
 『鰻重』 と 『鰻丼』は、器が違うだけで、結局は、同じ食べ物(鰻の蒲焼)です。
 『鰻重』は、重箱に盛られて、『鰻丼』は、丼(どんぶり)に盛られます。
 という訳で、牧野家の場合、重箱に盛られる様な『鰻重』という訳にはいかないと考
 え、『鰻丼(=鰻重)』という様な書き方をさせて頂きました。
 了承の程、宜しくお願い致します。>

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