Close to you~お前の傍に~…<つかつく> 79.
【『Close to you~お前の傍に~…<つかつく> 78.』のエピローグ と 『滋への想
い~お見合いの話~【Close to you~お前の傍に~…<つかつく>】 番外編』の続
き】
滋は、自身の両親で在る 大河原社長 と 大河原夫人から押される形で、自身の両親が選んだ見合い相手の全てと会う事と成ったのだった。
勿論、此の時の滋にとっては、嫌々で在った事は言うまでも無かったのだ。
だが、自身の両親で在る 大河原社長 と 大河原夫人の顔付きを観た時の滋は、嫌とは言えない事も、また、事実だったのだ。
何故なら…。
そんな話しを嬉しそうな顔付きのままで話しする両親の顔が、其処に有ったから…だったのだ。
そんな滋の気持ちを知ってか? or 知らずか?
此の情報が、司の耳に入って来たのだった。
勿論、司の耳に入って来た此の情報は、東京メープルの支配人からの情報だった事は言うまでも無かったのだ。
だからだったのだろう。
司は、東京メープルの支配人から聞いた此の情報を、しっかり、つくしに伝えて居たのだった。
「滋が見合いするみてぇだな。」と…。
勿論、つくしに話しして居た時の司の頭の中には、悪びれる様子も無かったのだ。
何故なら…。
此の時の司の中では、大河原家の事故(ことゆえ)…。
“つくしには、話しが伝わって居るだろう。”と、解釈して居たのだ。
だからこそ…。
此の時の司は、つくしが知って居ると断定した上で、滋のお見合い話について、東京メープルの支配人から聞いた情報を口にして居たのだった。
【其の時の司 と 東京メープルの支配人との会話…。
「大河原家のご令嬢で在ります滋様から、ご両親と共に、幾日も、個室のお部屋をご予約
頂いて折ります。」
「滋 と 両親だけか?
つくしは無しか?
会食か?」
「いいえ、会食では無い様で御座います。
此方では、つくし様はお伺い致して折りません。
滋様 と 御両親のみでお伺い致して折ります。
大河原家のお相手の方々も、男性 と 御両親のみと伺って折ります。」と…。
だからこそ、此の時の司は、“滋が見合いするのだろう。”と、察知したのだった。】
実は、司から滋のお見合い話の話しを聞いた此の時のつくしは、そんな司の話しを聞いて、驚愕するのだった。
何故なら…。
つくし自身、そんなお見合い話が有るという事を、当の本人で在る 滋からも、滋とつくし姉妹の両親で在る 大河原社長 と 大河原夫人からも、ましてや、大河原家の使用人頭で在る ばあやからも、何も聞いて居なかったのだ。
だからこそ…。
此の時のつくしは、驚愕して居たという訳…だったのだ。
だからだったのだろう。
そんなつくしの驚愕振りを観て居た司は、返って、驚愕するのだった。
何故なら…。
司は、思って居たから…だったのだ。
“まさか、つくしは、誰からも滋の見合い話について、話しを聞いて無かったのか⁉”と…。
実は、何故、司が、自ら、滋のお見合い話について、自身の婚約者で在り、恋人のつくしに話ししたのか?
其れは、司が滋からの呼び出しに応じて、滋からの足止めを食らった事で、つくしとの約束を無に仕掛けたあの日に、つくしの自室にて、つくしからの自身への気持ちを知った事で、自身からつくしにkissを施した時、“『牧野つくし』としても、『大河原つくし』としても、『つくし』の『Fast kiss』は、俺のモンだよな。”と、思った事で、司は、有頂天に成ってしまって居たのだ。
なので、其れ以降の司は、つくしに対して、遠慮が無く成って居たのだ。
だからだったのかも知れない。
其れからの司は、邪な心で、つくしとのドライブデートを楽しむ様に成って居たのだ。
云わば…。
必然的に、司の邪な心は、つくしの心だけでは無く、つくしの何もかもが欲しく、其の後の司 と つくしに気持ちが馳せて居たのだ。
というのか?
其の後の司は、其の先に在る 司 と つくしの今後に気持ちが向かって居たのだ。
だからだったのだろう。
其の後の司は、大河原家の使用人頭で在る ばあやが言う所の『お痛』へと気持ちは向かうのだった。
だが、つくしは、違って居たのだ。
現在の『大河原つくし』だろうと、記憶が有った頃の『牧野つくし』だろうと…。
つくしは、相変わらずの奥手なのだ。
其の為に、つくし自身、司が考えて居る様な邪な心は、一切、持って居なかったのだ。
其れ処か?
つくしは、“今のまま、司さんと一緒に過ごせたら…。”と、思う程…だったのだ。
実際、現在の『大河原つくし』にも、記憶が有った頃の『牧野つくし』にも、司の様な邪な心は、一切、持ち合わせて居なかったのだ。
実は、記憶が有った頃の『牧野つくし』は、英徳高校時代の司に話しして居た程…だったのだ。
「5年は掛かるかも…。」と…。
だが、司は司で、“現在の『つくし』は、『大河原つくし』で在って、(記憶が有った頃の)『牧野つくし』が言って来た話しは、全て、無効だろう。”と、勝手に、考えて居たのだった。
だからこそ…。
司は、更に、考えて居たのだ。
“つくしの心は、もう、俺のモンだ‼
滋が見合いすんなら、此れで、やっと、『滋』という邪魔者は、俺 と つくしの前から
居なく成るよな‼”と…。
だからこそ…。
此の時の司は、つくしに伝える事が出来て居たのだろう。
其処で、司は、自身が思って居た事をつくしに訊き始めるのだった。
「つくしは、誰からも何も聞いて無かったのかよ⁉」と…。
だからだったのだ。
此の時のつくしは、頷き乍ら、司に返答するのだった。
「うん、誰からも何も聞いて無い。
まさか、お姉様がお見合いする事を了承するだ何て…。」と…。
其処で、司は、つくしの言って来た言葉に疑問を感じたので、更に、つくしに訊くのだった。
「“まさか、お姉様(滋)がお見合いする事を了承するだ何て…。”って…。
如何いう意味だ⁉
滋から何か聞いてんのか?」と…。
【司が、何故、そんな不安そうに、つくしに訊いたのか?】と、言うと…。
「まさか、お姉様がお見合いする事を了承するだ何て…。」と、つくしが言って来た言葉に、司自身、引っ掛かるモノが有ったから…だったのだ。
だからこそ…。
此の時の司は、つくしに訊いて居たという訳…だったのだ。
其処で、此の時のつくしは、滋からそんな話しを聞いた時の事を思い出し乍ら、司に伝えて居たのだった。
「私には其の当時の記憶が無いから、良く、覚えて居ないんだけど…。
私達が、まだ、高等部だった頃に、お姉様は、或る方とお見合いをしたらしいの。
でも、“其のお見合いをし無ければ良かった。”って、お姉様は、言って居たの。
其の後(あと)、詳しい話しを聞きたくて、お姉様に其の先の話しを訊いて視たんだけ
ど…其の時にお姉様が私に言って来たのは…。
“其のお見合いと言うのは、両家の親からの騙し討ちみたいなお見合いだったの。
でも、私にとっては、其のお見合いをした事で、得るものの方が大きかった事は、確
か…だったわ。
其の時に、一生大切な友人とも会えたし…。
其れに、私は、其のお見合いで、恋をすると言う事を知ったの。
勿論、私の初恋は、其の時の見合い相手だったの。
だけど、其のお見合いの後、私は、失恋してしまったから、其の後の私は、恋をする事
に臆病に成ったのかもの知れない。
だから、もう、お見合いはし無いかな。
もし、私が結婚するのなら、お見合いじゃ無くて、恋愛が良いかな!”って…。
だから、お姉様がお見合いする事に了承したのなら、其れは、きっと、私のせいか
も…。」と…。(*)
実は、そんな話しをつくしから聞いた時の司は、バツが悪かったのだ。
其の時の滋のお見合い相手と言うのは、司自身…だったのだから…。
だからこそ…。
此の時の司は、バツが悪かったという訳…だったのだ。
だが、其の時の話しの内容をつくしに知られたくない司は、つくしにバレない様にポーカーフェイスに徹して居たのだ。
だが、此の時の司には、つくしからの話しを聞いて、分からなかった事が有ったのだ。
何故なら…。
滋がお見合いする事を了承したのは、滋自身が決めた事で、つくしには、何の落ち度も無い筈なのだ。
だが、此の時のつくしの話し振りに寄れば、滋がお見合いする事を了承したのは、“自分自身(つくし)のせいだ。”と、思って居るのだ。
だからこそ…。
此の時の司は、つくしに訊くのだった。
「何で、滋が見合いする事が、お前のせいに成るんだ⁉
見合いする事を決めたのは、滋自身だろ?」と…。
其処で、つくしは、司に話しし始めるのだった。
「だって…さ。
私には婚約者が居るのに、お姉様には、婚約者が居ない。
本来なら、順番が逆様でしょ!
だから、焦ったパパ と ママが、無理矢理、お姉様に了承させたのかも…。
其れに、お姉様は、私にあんな風に言った手前、今回のお見合い話を私に言えなかったの
かも知れない。
だとしたら、私のせいよね?」と、司に訊くかの様に…。
だが、此の時の司は、そんな風に考えて居るつくしに言いたかったのだ。
“俺が思うに…其れは、滋がお前に依存し過ぎてるからだと思うが…な。
だからこそ、お前等の親父さん と お袋さんは、将来に対する滋の危機感の無さを感じ
て、滋に見合いさせる事にしたと思うぞ‼”と…。
だが、此の時の司には、つくしにそんな事を言えなかったのだ。
そんな事を言えば、一から十まで、全ての話しをし無くてはいけなく成るのだ。
其れこそ、自身の墓穴を掘る事に成るのだ。
其れに、其れだけでは無かったのだ。
司自身が滋を邪魔者扱いして居る事も、つくしにバレてしまうのだ。
だからこそ…。
此の時の司には、つくしにそんな事を言えなかったという訳…だったのだ。
だが、此の時の司は、つくしを安心させる為に、言って遣るのだった。
「滋が見合いするからと言って、お前の責任じゃねぇよ。
滋は、大河原家の長女だ。
将来、大河原財閥を背負って立つ身…。
だからこそ、そんな滋を支えてくれる相手が必要だろ。
俺には、お前が必要な様に…。」と…。
そんな話しを司から聞いた時のつくしは、顔を真っ赤にして、狼狽えて居たのだった。
やはり、現在の『大河原つくし』も、『初心(うぶ)』だという事が証明されたという訳…だったのだ。
PS.(*)
実は、此の時の滋が、つくしにそんな話しをしたのは、過去の記憶の無い今のつくしだからこそ言える自分自身の心の底に在る苦しい胸の内だったのかも知れない。