Close to you~お前の傍に~…<つかつく> 102.
【『Close to you~お前の傍に~…<つかつく> 101.』の其の後…。】
此の日の司 と つくしは、大河原家所縁(ゆかり)のお寺に建てられた牧野家のお墓参りを済ませた後(あと)、司からつくしへ提案が為されたのだった。
其の司からつくしへ提案とは…。
未だ、司が運転するの司の愛車に乗車して居る間に、つくしは、司から提案が為されたのだった。
「なぁ~、つくし…。
此処からは、俺の話しを聞いてくれるか?」と…。
実は、此の時点に於いてのつくしにとって、司からの提案の話しは、今はまだ、何の話しか分からないにしても、司は、自身の話しを聞いてくれたのだ。
だからだったのだ。
此の時のつくしは、そんな司からの提案を聞く事にしたのだった。
「うん、良いよ。」と…。
其処で、司は、つくしからの了承の言葉を聞く事が出来たので、話しし始めるのだった。
「今から、うちの(道明寺)邸に行かねぇか?
姉ちゃん と タマがうるせぇんだわ。
実は、姉ちゃんは、つくしの記憶が戻った事をババアから話しを聞いたらしくて…よ。
で、タマは、ババア と (大河原家の使用人頭の)ばあやのそれぞれから、同時期に、
つくしの話しを聞いたとかで、“(道明寺)邸につくし(ちゃん)を連れて来い‼”って、姉
ちゃん と タマの二人から言われて、うるせぇの何のって…。
だから、“つくしを此処(道明寺邸)に連れて来れば良いんだろ⁉”って、言っちまったん
だわ。
だから、今から、うちの(道明寺)邸に行かねぇか?」と…。
勿論、記憶が戻った事で、つくし自身、何れは、道明寺邸に出向いて、椿 と タマに逢って、此れ迄の話しをしたかった事は、事実…だったのだ。
だが、司からの提案の話しは、今のつくしにとって、予期して居なかっただけに、急過ぎて、困惑して居たのだった。
だからだったのだろう。
此の時のつくしのそんな困惑顔を、チラッと、観て居た司は、更に、つくしに訊くのだった。
「如何した?
つくしは、姉ちゃん と タマに逢う事は、嫌か?」と…。
だからだったのだ。
此の時のつくしは、司が誤解して居ると悟ったので、言い訳では無いのだが、今のつくしの気持ちを、素直に、そんな司に伝えるのだった。
「勿論、嫌じゃ無いよ。
でも、予期して居なかっただけに、今は、急過ぎて、戸惑ってしまった事は、確か…。
其れに、司のお母さんは、今の私の事を、何と言ってるの⁉
だって、今の私は、戸籍上では、例え、大河原家の娘に成って居たとしても、実は、本来
は、私自身、『牧野つくし』な訳で…。
其の事をご存知の司のお母さんが、そんな私を、良しとする訳無いでしょ!
“また、辛い思いをする位なら、司のお母さんと関わりたく無い。”と、思ってしまうの
は、事実…。
だから、司のお母さんが、今の私の事を、どんな風に思って居るのか?
何時(いつ)かは、道明寺邸に行く事に成るんだったら、事前に、其の事を知った上で、
道明寺邸に行きたいと、思ってるの。」と…。
だからだったのかも知れない。
此の時の司は、思うのだった。
“其処迄、うち(道明寺家)のババアに対して、つくし心の中に罅(ひび)が入って居たの
かよ。
実は、俺は、其処迄だとは思って無かったわ。”と…。
其処で、此の時の司は、其れでも、つくしに言って除けるのだった。
「つくし…俺の話しを、良~く、聞けよ!
例え、今のつくしが戸籍上の大河原家の娘だったとしても、もしくは、『牧野つくし』だ
ったとしても、今のババアは、既に、つくしの事を認めてんだわ。
だから、俺 と つくしが結婚する事に異論はねぇんだと…よ。
だからこそ、胸張って、(道明寺)邸に来れば良い。
つくしが俺と結婚すると言う事は、どっちにしても、何れ、嫌でも、ババアと会わねぇ
と…だろ。
だったら、そんな事を、一々、気にしてねぇで、胸張って、(道明寺)邸に来れば良いだ
けだろ?
違ぇか、つくし…?
なっ、つくし…。
今から、(道明寺)邸に行こうぜ‼」と…。
だからだったのかも知れない。
此の時のつくしは、司からの話しを聞いて居て、既に、覚悟を決めて居たのだ。
“私が司と結婚すると言う事は、確かに、何れ、あの魔女と会わなけれ成らない。
だったら、此処で、覚悟を決めた方が良いのかも…。
其れに、女は度胸…。
否、違った。
男が度胸で、女は愛嬌だった。
って、そんな事は、如何でも良いのよ。
私は、踏まれても、蹴られても、負けない『雑草のつくし』…何だから…遣るっきゃ無
い。
だったら、あの魔女と会って遣ろうじゃ無いの。”と…。
だが、そんなつくしの心の声は、独り言と成って、口から発せられて居たのだった。
だからだったのだ。
此の時の司は、つくしが独り言を発して居る事自体を分かって居乍らも、つくし自身を景気付け様とするのだった。
「そうだよ、つくし…。
其の意気だ‼」と…。
だからだったのだろう。
此の時のつくしは、司の方を向いて、“あっ‼”と、思った事で、自身の右手で、自身の口を塞いで居たのだった。
“もしかして、私の口は、また、喋ってたの⁉”と、思い乍ら…。
だが、此の時の司は、尚も、つくしが驚愕する様な事を言い始めるのだった。
「ババアの事を魔女って…か?
其れ良いかも…な。」と…。
だからだったのかも知れない。
此の時のつくしは、司からのそんな発言の言葉を聞いて、苦笑い…だったのだ。
そして、其の後、そうこうしてる間に、司が運転するの司の愛車は、道明寺邸に到着するのだった。
其処(道明寺邸)は、英徳高校時代のつくしにとって、良い印象の在る場所では無かったのだ。
云わば…。
今のつくしにとっても、其処(道明寺邸)は、相変わらず、威圧感満載の場所…だったのだ。
つくしがそんな風に感じると言う事は、其れは、正しく、司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓に寄るモノ…だった事は言うまでも無かったのだった。
言う成れば、つくしにとっての道明寺邸とは、今も、昔も、良いイメージの無い場所…だったのだ。
其れ自体が、司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓に寄る仕業で在った事は言うまでも無かったのだった。
だからこそ…。
現在の司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓は、英徳高校時代のつくしの本質を見抜こうとし無かった自分自身を呪って居たのだった。
そして、道明寺家の執事に寄って開けられたドアの中(道明寺邸のエントランス)では、椿 と タマが、道明寺家の使用人達と共に、つくしを待って居たのだった。
そして、司と一緒に入って来るつくしの姿を見付けた椿は、つくしの下に走り出し、何時(いつ)もの如く、きつく、つくしを抱き締めるのだった。
「お姉さんは、つくしちゃんと、凄く、会いたかったわ。
やっと、つくしちゃんは、うちの(道明寺)邸に来てくれたのね。
凄く、嬉しいわ。」と…。
実は、此の時の椿は、涙を流し乍ら、つくしにそう訴えて居たのだった。
実の事を言うと、脅しかの様に、道明寺邸につくしを連れて来る様に、司に催促して居た椿…だったのだが、其の時は、まだ、LAに居たのだった。
だからだったのだ。
自身の弟で在る 司が、何時(いつ)、つくしを道明寺邸に連れて来るのか分からないにも関わらず、其の後の椿は、既に、待機するかの様に、早々と、日本に帰国して帰って居たのだった。
だからこそ…。
日本に帰国して帰って来た椿は、タマと一緒に成って、自身の弟で在る 司に煩く言って居たのだった。
「何時(いつ)に成ったら、つくしちゃんをうち(道明寺)の邸に連れて来てくれるの
よ‼」と…。
そして、未だ、涙を流し乍らも、此れ迄と同様に、きつく、つくしを抱き締めて居た椿は、失神寸前に成る迄、つくしを抱き締めて居たのだった。
だからだったのだ。
そんなつくしを心配した司に寄って、つくしは、椿から引き剥がされて居たのだった。
「姉ちゃん、つくしが失神寸前だろ。
いい加減、つくしを放して遣れよ。」と、言い乍ら…。
実は、そんな椿 と 司 と つくしの様子を見て居たタマは、“毎度、毎度、つくしは、椿お嬢様に捕まって、大変ださね。”と、同情の様な、呆れる様な状況…だったのだ。
そして、其の後、身動きが取れて自由に成ったつくしは、タマの方に駆け寄り、「タマ先輩‼」と、言い乍ら、タマに抱き着き、涙を流して居たのだった。
だからだったのかも知れない。
此の時のタマは、「タマ先輩‼」と、呼んで来るつくしに言って置くのだった。
「つくしは、もう、大河原家のお嬢様ださね。
何時(いつ)迄も、タマの事を『先輩』と、呼ぶのは、およしよ。
其れに、つくしの事は、大河原家の使用人頭のばあやさんから話しを聞いて居たからこ
そ、安心して居たよ。
其れでも、タマは、つくしの顔が見られて、本当に、良かったよ。」と…。
だからだったのだ。
何時(いつ)迄も、子供のかの様に泣き続けて居た此の時のつくしは、タマから自身の頭を撫ぜられ続ける始末…だったのだ。
だからだったのだろう。
此の時のつくしは、素直に、タマに伝えるのだった。
「はい、分かりました。
でも、『タマさん』と、呼ぶ事だけは、許して下さいね。
(椿)お姉さんも、タマさんの事をそう呼んでらっしゃいますし…。」と…。
だからだったのだ。
此の時のタマは、「此の娘(こ)は、本当に、仕方が無い娘(こ)だねぇ。」と、言い乍らも、「相、分かったよ。」と、言って、つくしに了承するのだった。
だからだったのだろう。
其の後のつくしは、椿の事を、『椿お姉様』と、呼び…。
タマの事は、『タマさん』と、呼ぶ事に成ったのだった。
そして、そんな話しをタマから聞いた或る人物は、急遽、日本に帰国して、つくしと会う事にしたのだった。
何故なら…。
此れ迄の自分自身の仕業をつくしに謝る為…だったのだ。
だからだったのだ。
そんな話しをタマから聞いた其の或る人物は、司に連絡を入れて司にセッティングを任せる事にしたのだった。