tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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お嬢だとしたら…<F4&T4>  9.




「俺は優紀ちゃんが好きだ‼」
「………」


優紀は、総二郎に憧れを抱いていたのは、事実だった。


総二郎も薄々、優紀の気持ちに気付いていた。


だから、総二郎は、優紀に断られる事は無いと思っていた。


だが、直ぐに反応の無い優紀に戸惑っている総二郎が其処には居た。


「優紀ちゃんっ⁉」


優紀は我に返った。


「あっ、ごめんなさい。
 お気持ちは有難いです。
 でも、同情しないで下さい。
 これからは、同じ伝統の継承者同士、ご相談はさせて下さい。」


優紀から、飛んでもない言葉を聞いた総二郎は、呆気に取られていた。


「優紀ちゃん、俺は、同情じゃねぇよ。
 優紀ちゃんへの気持ちは同情なんかじゃねぇよ‼
 寧ろ、本気だよ‼
 俺の気持ちを分かってくれよ‼」
「………」


優紀には、総二郎の気持ちが分からなかった。
『女遊び』の絶えない総二郎が、優紀にだけに目を向けてくれるとはとても思えない。


だから、優紀は、“同情だろう。”と、踏んだのだ。


だから、言葉にも出来なかった優紀だった。


何故なら、優紀は、総二郎から、同情されたくなかったのだ。



その日は、あきらが取り敢えず、その場を収めた。



優紀は、あの日から、お稽古に身が入らず、優紀のお祖母様から怒られる日々が続いていた。


その事を、桜子の祖母を通じて聞いた桜子は、F4ラウンジに寄った際、つくしに話ししていた。


またしても、偶然、F4ラウンジに入ろうとしていたあきらと総二郎に聞かれていた。


「そう何だ。
 優紀、大丈夫かな?」
「かなり、ヤバそうですよ‼」
「だよね。
 今日、休んでるもんね。」
「先輩、知らなかったんですか?
 優紀さん、昨日、徹夜で仕上げてたらしいですよ。」
「生け花展に出す作品を…?」
「そうみたいですね。」
「優紀、遣って行けるのかな?」
「何でも、このままだと、作品、仕上げらないかもって、言われているみたいですね。
 私のお祖母様が言ってました。
 優紀さん、かなり、プレッシャーに感じているらしいですよ。」
「優紀って、こんなにプレッシャーに弱かったっけ?」
「プレッシャーの意味合いが違いますもんね。」
「だよね。
 助けられるものなら、助けて上げたいんだけどな…。」
「ですよね。」


つくしと桜子は、優紀の事が心配に成り、一斉に、溜息を付いていた。


「「はぁ~。」」



総二郎はこの話を聞いて、総二郎自身の気持ちに堪えられず、言葉が出なかった。


総二郎は、優紀の…。
そんな優紀の苦しみから救って遣りたかった。
“救えるものなら、今すぐにでも…。”
優紀の傍に駆け寄って抱き締めて遣りたかった。


そんな、総二郎を見ていて、あきらもまた、辛かったのだった。



つくしと桜子の話しは、まだ、続いていた。


「優紀って、芯のしっかりした娘(こ)だから、プレッシャーには強いと思ってたけ
 ど…。
 意外だったね。」
「先輩、知ってます?
 優紀ママって、優紀さんと同じ状況に置かれて居たって…⁉」


つくしは、知らなかった様子で、桜子に訊いて居た。


「それって、如何いう意味?」
「優紀ママも、優紀さんと同じ状況で、花咲流の生け花展に作品を出す時、花咲のお祖母
 様から、優紀さんと同じ様にプレッシャーを与えられて、そのプレッシャーに耐え切れ
 ず、優紀ママが、その当時お付き合いされていた優紀パパに逃げられたらしいです
 よ。」
「それって…。
 態とだったって事?」
「そうです、そう言う事です。
 だから、優紀さん、花咲のお祖母様から、“男性とお付き合いする事は不潔だ。”と教え
 られているんですよ‼
 だから、優紀さん、良く仰るでしょ。
 “私には恋愛は出来ない。”って…。」


つくしは、優紀の言葉を思い出していた。


「ああ…?
 あの言葉って、そういう意味だったんだ。」


桜子は、尚も、話しを続けた。


「花咲のお祖母様も、ご両親から、お見合いで相手を与えられたそう何です。
 優紀ママを身籠ったと分かったと同時に、花咲のお祖母様の元ご主人様が、その当時、
 花咲のお祖母様以外に、お付き合いされていた相手の女性の方と駆け落ちされて、花咲
 家から出て行かれて居るらしいんです。
 だから、花咲のお祖母様は、『花咲の女性は、男性運には恵まれて居ない』と、本気で
 そう思っていらっしゃるんです。」


つくしは、首を傾げていた。


「でも、優紀の両親は仲良しだし、家族仲も良いじゃない。
 優紀ママは、決して男性運が悪い訳じゃないでしょ?」
「それが、花咲のお祖母様にとっては、『娘を取った男性』何ですよ、優紀パパは…?」
「ああ、そうか?
 成程…ね。
 じゃあ、西門さんのような男性だったら…?」
「有り得ないでしょうね。
 花咲のお祖母様にとっては…。」


まだ、話しは続いていたが、総二郎は、居た堪れないでいた。


そんな時、あきらが総二郎に声を掛けた。


「総二郎、大丈夫か?」


総二郎は、項垂れる様に、その場で、頭を抱え出した。


あきらは、そんな総二郎の姿が、居た堪れないで居た。

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