兄妹物語【あきら&つくし兄妹】…<ALL CP> 8.
つくしは、母親の夢子から、楓と椿を紹介された。
しかし、夢子は、“やっぱりね…‼”と、思う程、つくしは、覚えていない様子だった。
一方、楓と椿は、つくしの見た目の容姿が、夢子に似て来たつくしに吃驚していた。
幼少期も確かに夢子に似ていたつくしでは在ったのだが…。
楓は、夢子の若かりし頃に、そっくりなつくしに成って来ていた事に、特に、驚愕して居たので在った。
楓は、母子(おやこ)でも、“此処まで似るもの?”と、思っていたので在る。
夢子とつくしの違いは、『ラブリーファッション』を着て居ない事だけ…。
つくしは、ジーンズ等の『カジュアル系』が好みなので在る。
そんなつくしに、椿は、ショッピングに行く事を提案した。
「ねぇ、つくしちゃん‼
私が日本に居る間に、ショッピングに行かない?」
つくしは、椿の突然の言葉に吃驚してしまっていた。
「えっ、お姉ちゃまと??」
「そう、勿論、私と…よ。
嫌…?」
つくしは、椿とのショッピングが、嫌って訳では無く…。
つくしにとっては、初めて見た大人な椿に圧倒されて居ただけだったのだ。
「ううん、そんな事無いよ‼
でも、お姉ちゃまは、大人っぽい服も似合いそうだけど…⁉
私、ママの顔に似てて、『ベビーフェンス』だから…。
何故、私だけ、パパのお顔に似なかったんだろ?」
椿は、優しくつくしに諭していた。
「だから、私がつくしちゃんに似合う大人っぽい服を選んで上げる‼
だって、つくしちゃんも、もう直ぐ、17歳でしょ‼」
「うん、お姉ちゃまは、センス良さそうだものね‼
宜しくお願いします。」
「了解‼」
実は、つくしは、大人っぽく見える洋服を着て視たかったのだ。
だが、つくし自身、『ファッションセンス』には、全く、自信が無いのだ。
幼少期の頃のつくしが、夢子から宛がわれていた洋服は、『ラブリーファッション』だったのだ。
本来なら、母親から娘に、自然に受け継がれて行く筈の『ファッションセンス』が、養われる事がつくしには無かったのだ。
だから、一番、楽なジーンズ等の『カジュアル系』を好む様に成ってしまったのだった。
其処は、兄のあきらと違うつくしだったのだ。
何故なら、あきらは、『ファッションセンス』に優れているのだから…。
つくしは、其の日の椿の服装を見ていて、椿の『ファッションセンス』を、羨ましく思っていたのだ。
だから、もう直ぐ、17歳に成るつくしは、此の状況を恥ずかしく思っていたので、椿に、“『ファッションセンス』を磨いて欲しい‼”と、思ったのかも知れなかった。
で、椿とつくしは、約束を取り付けて居たので在った。
その姿を、面白く無く見ていたのが、司だった。
司はあきらに言っていた。
「あきら…?
つくしが、姉ちゃんと買い物に行く日を探れよ‼
偶然を装うって、合流するかよ‼
俺も、つくしに服を選んで遣りてぇからよ。」
あきらは、悟った。
“其の日の俺を餌食にするつもりだよな、司‼”と…。
で、あきらが思っていた通り、案の定だった。
「あきらも、一緒に来いよ‼」
あきらは、“はぁ~⤵。”と、溜息しか出なかった。
しかし、椿には、司が、如何、行動するのかはお見通しだった。
あれから、数日が経った後日…。
椿とつくしがショッピングに行っていた当日…。
偶然を装うって合流した司とあきらは、椿とつくしに同行して居た。
で、つくしを自分(司)好みにしようと、企んでいた司だった。
“やっぱり…ね⤵。”の椿だった。
その後も、司は、何かと、つくしに世話を焼こうとするも、つくしは、司を鬱陶しく思うのだった。
司の気持ちに、全くと言っても不思議では無い程に、気が付かないつくしだった。
司を不憫に思う姉 椿と、そんなつくしに驚愕するしかない兄 あきらだった。
姉の椿と兄のあきらの思いは、一つ…。
願わくば、司とつくしが上手く行って欲しい‼
“はぁ~⤵。”と、溜息しか出ない椿とあきらだった。
後々、椿から、其の話しを聞いた司の母親の楓と、つくしの母親の夢子も、また、“はぁ~⤵。”と、溜息しか出なかった。
何が、難点かと言えば、司の暴走さに、つくしの鈍感さ…。
此の状況に、如何、司とつくしを結び付ければ良いのか…?
頭を悩ませる母親達に、それぞれの姉 椿と兄 あきらだったのだ。
実は、司の約1年後につくしが産まれた頃から、企みを企てていた楓と夢子だったのだ。
司とつくしが、“将来、恋仲に成ってくれたら…。”と…。
其の事を後々、タマから聞いた、司は、俄然、遣る気に成るのだった。
「坊っちゃんと、美作家のつくしお嬢様とは、両家の両親が相談した『許嫁』…何です
よ。」
タマの発言は、楓の差し金とは知らない司だった事は、言うまでも無いのだが…。
まんまと、楓の作戦に、司は、嵌まるのだった。
其の報告に、ほくそ笑んでいる楓が居た事は、言うまでも無い。
何故なら、つくしを追い詰める為に、司を差し向けた楓だったのだから。