お嬢だとしたら…<F4&T4> 16.
あきらは、類の表情が気に成った。
類は、F2&T4に言って除けて居た。
「多分、まだ、居るんじゃないかな?」
あきらは、類を怪訝な顔で見ていた。
類は、反対にニヤッと不敵な笑みを溢し乍ら、あきらを見詰めていた。
「類、何だよ⁉」
「否、分からないなら、良いんじゃない?」
「はぁ~??」
F2は、類とあきらの遣り取りをじーっと、見ていた。
あきらは、怪訝さが一気に頂点に達していた。
「類…?
如何いう意味だよ‼」
類は、飄々と、言って除けていた。
「あきら自身で考えてみたら…。」
「はぁ~??」
あきら自身とて、類が言わんとしている意味は、気付いて居た。
だが、“今、此処で、言うセリフじゃねぇよな?”と、心の中で、類に悪態を付いているあきらだったのだ。
ちらっと、桜子の方を見たあきらは、桜子がまだ、気付いて無そうなので、安心していた。
その様子を、普段は、鈍感で在る筈のつくしに見られていた。
後日、つくしは、優紀も一緒の時に、桜子に話ししていた。
「この間のF4&T4会の時…。
花沢さんと美作さんが、何か、話ししていたでしょ?
その後ね、私、見ちゃったんだけど…。
美作さんが桜子の事を見て居たよ‼」
「へっ?」
桜子は声が上擦った形で、つくしに返答していた。
それに気付いたつくしだった。
「如何したの?
桜子、声が上擦ってるよ‼」
桜子は、心の中で、つくしに悪態を突いていた。
“普段、鈍感な先輩が、この間の事と言い、今日の事と言い、何で、私に関わる件に限っ
て、気付くかなぁ~??
先輩は…?”と…。
声に出して言えない桜子が、其処には居たのだった。
そんな事が在って以降、あきらと桜子は、何か、お互いをお互いが意識している節が有った。
その事に気付かない類と総二郎では無かった。
類と総二郎は、F4ラウンジにあきらが居る事を確認していた。
其処に現れた類と総二郎は、あきらに問うてみる事にしたのだった。
「なあ、あきら、お前、この処、何か、キャラが変わって来てねぇか?
何か、俺等に隠してるよな?」
「はぁ~??」
「俺も総二郎も、もう、分かってるんだから、白状した方が身の為じゃない?」
「何なんだ?
今度は、俺が標的かよ⁉」
類は、飄々と、あきらを退治していた。
「そうじゃないでしょ?
この前も言ったけど、あきら、自分自身で考えてみた?」
「だから、何を…?」
「あきら、もう、気付いてるんでしょ?」
あきらは、もう、これ以上、誤魔化せない事を悟っていた。
「桜子の事か?」
「分かってるじゃねぇか?」
「好き、何でしょ?」
「あきら…。
類と俺で、ヘルプするぜ?
まあ、司に言えば、牧野にも助けてもらえるんじゃねぇの?
桜子って、牧野の事、崇拝してるよな?
理由は知らねぇけど…?」
「………」
実は、あきらは、放って置いて欲しかった。
桜子はクールでは有るが、仲間意識は強く、他人(ひと)に対する観察力(洞察力)が優れていると、あきらは、桜子を分析していた。
だから、あきらとしては、焦らず、騒がず、先に進めて行きたかったのだ。
それが、“もう、無理だよな⁉”と、悟るしかなかったあきらだったのだ。
類も総二郎も、悪気が在る訳では無く、自分(あきら)自身の為に動こうとして居る事が分かっているので、強く言えないあきらだったのだ。
その後…。
F2より、司に話しが入り、つくしに話しが伝わっていた。
「つくし、あきらが、三条の事を、如何も好きに成ったらしいわ。
類も総二郎も、俺も、あきらを助けて遣りたいと思ってんだ‼
つくしは三条にバレねぇ様に、フォローをして遣ってくれ‼」
「如何したら良いの?」
「俺が、合図を入れる時に、三条をF4ラウンジに連れて来るとか…か?」
「そんな事で良いなら、大丈夫だよ‼」
「但し、ぜってぇ、三条には、あきらの気持ちがバレねぇ様に動けよ‼
お前は、直ぐ、心の声がダダ洩れに何だからよ…。
そうじゃなくとも、三条はお前と違って、勘が鋭いんだかんよ。」
「はぁ~⤵。」
つくしは、不貞腐れ気味に、司に聞こえる様に、溜息を付いて魅せていた。
「分かったわよ。
気を付けます。
どうせ、優紀も西門さんから聞かされて知っているだろうから、助けてもらうわよ‼」
「その方が安心だな‼」
つくしは、不機嫌気味だった。