Fall in Love…<あき桜> 2.
<桜子side>
私は、“会いたくない‼”と、思っていた人と会ってしまった。
私は、家の為に、好きでもない人と24歳で結婚した。
子宝には恵まれなかった。
結局、その方とは、上手く行く事はなく、私が28歳の時に離婚した。
現在は、私が32歳の時に、20歳も違うIT企業経営者と再婚した。
もう、2年に成る。
子供は居ない。
この方とも、愛の無い結婚で有る。
だから、浮気というのか…?
一応、そう何だろうけど…?
相手の方は、何人物の女性を囲って居る。
じゃあ何故、結婚したかと言うと、相手の方が、体裁を構う人種の方だった。
で、私が、旧 華族出身家系なので、政財界に顔が効くというだけの為の結婚だった。
私へのメリットは、仕事せずとも、お金が手元に下りてくるというだけの事だった。
今や、私は、嘗ての『黒歴史』を彷彿とする様な、成り下がりの生活をしていた。
誰かに救って欲しいと思う反面、今の私を誰にも知られたくなかった。
其れなのに、何故、美作さんに会ってしまったのだろうか…?
「何故、俺の横を横切り、スルーしようとした?」
そう聞かれても、困るんですが…?
今の私を見られたくなかったのに…。
「ご無沙汰しています、美作さん‼
スルーだ何て、滅相も有りません。
主人の所に早く戻らなければ、文句を言われるので…。」
嘘ではないが、遠からず近からずって処だろうか?
「そんなに、煩い旦那なのか?
それとも、ヤキモチ焼きなのか?」
「如何でしょうか?
唯、体裁を構うだけの様な…気がします。」
最後の所の私の言葉は、小さい声に成っていた。
美作さんに、私の言った言葉は、聞こえて無ければ良いのだけれど…。
美作さんに会っただけで、私の心は顕れた様に、澄んで行くのが、私には分かって居た。
<あきらside>
俺から見れば、桜子は、ちっとも幸せそうに見えなかった。
パッと見位は、かなり、綺麗にはして居るが、内面から来る以前の様な桜子の輝きは、全然、感じなかった。
高校に入学したての頃の桜子を思わせる様な、何と言えば良いのか…?
桜子の心が淀んで見える様だった。
「桜子、お前、幸せじゃねぇのか?」
桜子は急に顔を上げて、俺を上目遣いで見詰めて、何か訴えようとして居るのが分かった。
だが、何も言えねぇんじゃねぇかと思う様な仕草を俺に見せる桜子に敢えて言った。
「桜子の携帯の番号を言ってくれ‼
お前を救って遣りてぇ‼
後で、連絡する。」
桜子の携帯の番号を聞いた後、俺等は、分かれた。
俺は、あの時、桜子の瞳(め)を見た…。
桜子の何かを訴え掛けている様な瞳(め)が忘れられず、悶々とした日々を送っていた。
そして、俺が送ったLINEから2日後にやっと、桜子から連絡が入って来た。
俺と桜子は、二人っきりで会う事にした。
美作商事が経営しているカジュアルレストランに桜子を呼び出し、個室で会う事にした。
<短めで、申し訳ありません。>