Fall in Love…<あき桜> 7.
<あきらside>
桜子は、俯いたまま、何も応えようとはしていなかった。
俺は、桜子に諭す様に言って除けていた。
「ほんとは、俺な、追々、伝えて行くつもりだったんだ。
まさか、類に暴かれるとは思っても居ねぇから、油断してたわ。
悪かったな‼」
桜子は、やっと、応えてくれた。
「いいえ、私の方こそ、すみませんでした。」
「桜子、謝るな‼
俺は、自分自身の為にした事だ。
桜子を俺の手に入れる為にな‼
だから、桜子が悪ぃ訳じゃねぇよ。」
「………、美作さん?」
桜子が、何を言いたいかが分かった様な気がして、その後の言葉を桜子に言わせねぇ様に、俺は、話しを伝えていた。
「もう、分かったから、何も言わねぇで良い‼
俺も、大概、色々して来てんだ。
桜子も知ってるだろ…?
それに、桜子も学生の頃の『浮名流し』の件は、俺も知ってる(笑)。」
桜子が、落ち着ける様に、俺は笑いながら、桜子に懇願する様に言って除けた。
「俺等も、もう、30半ばだ。
そろそろ、お互い安定した安住の地が必要じゃねぇか?
桜子もそろそろ、気を休める場所が欲しいだろ?
それを俺に求めてくれねぇか?
俺は、安らぎが欲しい‼
桜子がその安らぎを俺に与えてくれねぇか?」
桜子は、眼に涙を一杯貯めて、溢れんばかりに涙を溢し出した。
「美作さん、私で良いんですか?」
「桜子だから、救い出したんだろ?
ちょっとは、分かれよ‼」
「………うふふふ。
有難うございます、美作さん。
宜しくお願いします(ペコリ)。」
やっと、桜子は、了承してくれた。
俺は、桜子の返事を聞いて、ほっとしていた。
ほっとしたからだろうか?
思わず、ソファの俺の隣に、座らせていた桜子の肩に、凭れる様な形で、俺は頭を傾けてしまって居た。
桜子は、俺の行動に、吃驚して、びくっとでもした様に、肩を震わせていた。
まるで、10代の生娘かの様な仕草に、どれ程、びくつく生活をしていたのかと思うと、俺は、桜子に対して、愛おしさが増すばかりだった。
俺は、またもや、桜子に安心させる様に言って居た。
「桜子、そんなびくつく事か?
俺等は、今日から、恋人同士だろ?
もう、桜子は、俺の女(もの)だから…な‼」
桜子は、ニコっと、笑うだけだった。
俺は、その桜子の笑顔に堪らず…。
思わず、桜子を俺に引き寄せて、抱き締めて、顔を見詰め合って、桜子が目を閉じたのを確認して、俺の唇を桜子の唇に合わせた。
初めは、桜子の反応を見ながら…。
でも、桜子が警戒している様子が無い事から、桜子の唇に貪る様なkissを施して遣った。
初めは、桜子は、吃驚していた様子だったが…。
その後からは、俺に合わせる様に、桜子も、俺のテンポに合わせてくれていた。
俺は、桜子に受け入れられた事が嬉しかった。
やっと、ほんとの恋を、俺は見付けられたと思っていた。
俺は、幾つだよな?
まぁ、遅れ馳せながらでは有るのだが…。
こんな恋愛も有りだろ?