一方通行の恋…<つかつく> 6.
<つくしside>
私は、(牧野)邸で、朝から、パーティーの準備をしていた。
パーティーは、夕方から…。
“こんなに早くから準備をしなくてはいけない訳…。”と、愚痴りたく成る心境だった。
で、準備が、ほぼ整った時に、滋さんから、連絡が入って来た。
“つくし、準備は、OK‼”
「準備、出来てますよ。
T3は、メープルで準備しているんですよね?
今から、そっち(メープル)に、行きますね。
着いたら、LINEします。」
“了解‼”
で、私は、取り敢えず、リムジンに乗り込み、メープルに向かった。
<司side>
今日は、あいつに会えると、思うだけで、わくわく感が収まらなかった。
多分、俺の記憶の中では、あいつのパーティードレス姿を見るのは、初めてだと思う。
だからか…⁉
昨夜は、朝方まで、寝付けずに居た。
で、俺は、夕方のパーティーの時間に間に合う様に、メープル入りした。
そして、俺は、至急、身支度を整えていた。
俺は、あいつに見惚れられたい一心で、何度も、鏡と睨めっこしながら、身姿をチェックしていた。
そんな時、あきらから、TELが入って来た。
“司、準備は、出来たか?”
「ああ、出来た。
今、俺の部屋に居んだ。
お前等も、まだ、時間有んだろ?
まあ、来いよ‼」
“了解、今、そっちに行くわ‼”
「おお。」
で、あいつ等 F3は、俺の部屋に入って来た。
で、俺の身姿が可笑しくねぇかを、F3にチェックさせていた。
「俺の見た目、変じゃねぇか?」
類は、俺を挑発し始めた。
「何々、司…?
今まで、見た目なんて、気にした事無いでしょ?
何か、有ったの?」
あきらも、類に賛同し始めた。
「そうだよな?
この前から、司に何か、変化を感じんだけど…よ⁉
何か、有ったのかよ?」
総二郎も、茶々を入れ始めた。
「発言にも、色気を感じるし…よ⁉
何と言っても、横暴さが無くなって来たよな?」
俺は、バレたくねぇから、必死で誤魔化していた。
「うるせぇ~んだよ‼
言われた事だけに応えてたら良いだろ?」
F3は、三者三様に返答して来た。
「何だよそれ…?」
「まあ、良いんじゃねぇの?」
「司、ばっちりだと思うよ‼」
俺は、類の言葉に、ご満悦だった。
「そうか、そうだよな。
俺様程の男が、イケてねぇってのは、サマに何ねぇよな⁉
お前等、サンキュな‼」
<F3side>
F3は、司のお礼の言葉を聞いて、何が、如何成って居るのか?
不思議で仕方なかった。
だが、F3は、パーティー会場に着いて、漸く、司の行動に理解出来たのだった。
司が、見詰めるその先を…。
誰を見詰めているのかを理解したからだった。
あきらが、開口一番、言葉を発した。
「成程な…。
分かり易いよな、司‼」
類は、クスクス笑いながら、言って居た。
「ほんと、好きなら、好きって、俺等に言えば良いのに…(笑)⁉」
総二郎は、最もらしいコメントを言って居た。
「言えねぇから、俺等に、あぁ~いう態度しか出来ねぇんだろ⁉」
この件に関しても、三様三様の意見だった。
「本来の司なら、既に、相手に向かってるでしょ?」
「相手にその気がねぇんだ。
司も無茶は、出来ねぇって認識してんじゃねぇの?」
「まあ、可愛い処も有るんじゃねぇの?」
F3は、司には、気付かれない様に、こそこそと話ししていた。
司の初めての恋心を応援するかの様に…。
否、F2(あきらと総二郎)は、“邪魔し兼ねない状況に成るかも…⁉”と、いう事は、言うまでも無いのだが…。
類には、見えて居るのだ。
F2が、司の純情振りを邪魔している光景が…。
後々、司が、頭を抱えている光景が、想像に容易い類だった。