一方通行の恋…<つかつく> 7.
<つくしside>
桜子から、声を掛けられた。
「先輩、何か、あっち(桜子は、F4の方を向きながら)から、視線を感じるんですよ
ね?」
私は、桜子から言われた方向を見向きもせずに、言って除けていた。
「へっ??
気のせいじゃないの?」
だって、桜子の言う方向は、さっき、F4達が居た方向だと、つくしは、知っていたからだった。
それでも、尚、言って来る桜子…。
「だけど、まだ、こっちを見て居るんですよね?」
私は、面倒臭く成って、一応、チラッとだけ見るだけは見てみた。
そしたら、あの、道明寺HDの息子と眼と眼が合ってしまった。
私は、“ヤバい‼”と、実感していた。
何故、分かったかと言うと、私が、チラ見した時、こっちを見ていた道明寺HDの息子が、私に向かって何かを呟いたのが、分かったからだった。
何を呟いたのかは、分からなかったけど…。
<司side>
俺が、じーっと、あいつに、“こっちを向け‼”って、念を送って居たら、本当にこっちを向いて来た。
“やりぃー‼”と、思った俺は、思わず、口を動かして居た。
“俺は、お前が好きだ‼”
多分、あいつは、解読してくれて居ると、思う。
そう、俺は、願っていた。
<つくしside>
滋さんが、私達 T3に声を掛けていた。
「ちょっと、見て見て‼
あの、『道明寺司』が、さっきから、私達の方をじーっと、見てるのよ‼
しかも、さっき、何かを呟いて居たのよ‼
何て、言ったんだと思う?
私、見初められたかも…⁉」
桜子は、間髪入れずに言って除けていた。
「滋さん、それは無いですから…。」
「何でよ(怒)?」
滋さんは、不服そうに、言って除けていた。
桜子は、そんな、滋さんにお構いなしに、更に、言って除けていた。
「(道明寺さんは)滋さんの方向を向いて居ると言う寄り、あれは、明らかに先輩の方向
を向いて、先輩を見詰めていらっしゃいますね、道明寺さんは…⁉」
「………」
滋さんは、驚愕して居て、何も言えずに居た。
多分、自信が有っての、滋さんの言葉だったと思う。
滋さんの言葉を、否定出来る桜子は、『流石』としか言い様が無かった。
って、言って居る場合じゃなかった。
私は、あの、『道明寺司』を受け入れられないのだから…。
何故なら、『傲慢男・横暴男・暴力男』の三拍子揃った『道明寺司』の事を、私は、心底、嫌っていた。
『嫌っていた』と、言う寄り、『No of 眼中』だっつーの‼
態度でも、示していたつもりだった。
その事を知っている(?)…。
否、気付いて居るで有ろう、桜子が、その事に触れて来た。
「でも、先輩、道明寺さんは受け入れられないんですよね(笑)?」
其処で、滋さんの言葉に、驚愕してしまった私だった。
「つくしっ‼
じゃあさぁ~、私が、『道明寺司』を狙っても良い(笑)?」
私の驚愕顔に、桜子が、クスクスと、笑って居るのが、気に成って居た私だった。
だが、後で、知ったのだが…。
鈍感過ぎる私の気持ちを気付かせる為に…。
桜子と滋さんが、『策士 桜子』の戦略の元、私に仕掛けた罠だったらしい。
その事を知った時の私は…。
既に、“如何するのよ~⁉”状態だった。
まあ、かなり、先の話し何だけど…。
でも、その時の私は…。
あいつに『No of 眼中』だったし…。
T3も、その事は分かって居た筈だったんだけど…⁉
私は、あの頃から、既に、“あいつの事を好きだった‼”って、言いたいのかな…⁉
桜子と滋さんは…?