お嬢だとしたら…<F4&T4> 20.
あきらは、桜子にとって、『一番近い存在の男性』として、いつも桜子の傍に居ようとしていた。
その健気さに、F3&T2は、あきらを不憫に思っていた。
しかし、滋は、あきらが桜子の傍に居ようとして居るにも関わらず、桜子は別に違和感のない様子に怪訝な態度を示していた。
「ねぇ、訊きたいんだけど…?
訊いても良いかな?
何故、あきら君は、桜子の傍にずーっと居るの?」
「「「「「「「………」」」」」」」
誰もが、何も言えずに居た。
滋は、怒り気味で、確認して来た。
「だって、そうでしょ?
今まで、桜子の傍に、F4の中の誰も居なかったじゃない?」
『やっぱり、そう来たか?』と、T3は思っていた。
桜子が、あきらに直ぐに、付き合う事を拒んだ訳は、決して、祖母の事が理由では無かった。
実の処…。
桜子は、桜子が、敬愛するつくしと優紀が、好きな男(ひと)と付き合う様に成って喜んで居たし、これ以上の喜びはなかった。
だが、桜子までもが付き合い出したと知った滋は、あきらと桜子の付き合いを阻止しようとするだろう事は予想出来た。
だから、滋の出方を観る為に、桜子はあきらに、敢えて、“高校卒業まで待って欲しい‼”と、懇願したのだった。
あきらから、滋に問うてみた。
「じゃあ、訊くが…。
俺が桜子の傍に居る事は、滋は不服なのか?」
「不服って言うか?
今まで、桜子の傍にあきら君は、居なかったじゃない?
何故、急に、傍に居る様に成ったの?」
「その答えを言えば、俺が桜子の傍に居る事は良いんだな‼」
「それは…。
答え次第じゃない?」
あきらは、意を決して、滋に伝えた。
「俺は、桜子の事が好きだ。
桜子にも告白した。
だが、桜子からは、“高校卒業するまで待って欲しい‼”と、言われている。
俺は、了承した。
だからって、傍に居る事は止めねぇ。
俺は、桜子にとって、一番近ぇ男で在りてぇからな‼」
滋は、驚愕していた。
つくしが滋に話しし出した。
「滋さん…?
桜子が、美作さんに高校卒業するまで、付き合いを待ってもらえる様に懇願したのは、
滋さんの為…何ですからね‼」
滋は、怪訝な態度で、つくしを見ていた。
「其れって、如何いう意味よ?
私の為って…。」
つくしは、意を決して言って除けた。
「私と優紀が付き合い出して、桜子まで付き合い出せば、また、滋さんは、“私だけ除け
者…?”って、成るでしょ?
桜子は、そう成らない様に、少しずつ話しして、滋さんに分かってもらおうとしたんで
すよ‼
桜子を分かって上げて欲しいです‼」
滋は、驚愕していた。
だが、この事が有ってからは、桜子は、あきらとの付き合いにも躊躇しなく成って行った。
そして、桜子も高校を卒業して、英徳大学に進学して、約束通り、あきらと桜子は、正式に付き合い出した。
それに、焦り出したのは、滋だった。
何故なら、類も、密かに、静と、密にし始めていたからだった。
滋は、父親にこの事を話しして聞かせていた。
その後、滋はお見合いに寄って、恋人と呼べる彼氏が出来、取り敢えず、『コト』は収まったかの様に、誰もが思えていた。
此れで、F4&T3は、平穏無事に収まる所に収まり、毎日を謳歌出来ると踏んでいた。
しかし、コトは、そうは、簡単に上手く運ばなかったのだった。
<20.も、短めで申し訳御座いません。>