あの時と変わらない君へ…<つかつく> 2.
エリィー(=つくし)の養母と成ったつくしの身元引受人の女性は、エリィー(=つくし)の声質に興味を抱いていた。
つくしの声質の印象を、エリィー(=つくし)の養母は、こう捉えていた。
澄んだ声…。
つくしは、元々、声質は高いが聞き取りやすい声をしていた。
偶に、唄っているエリィー(=つくし)の声を聴いて、エリィー(=つくし)の養母は、“エリィー(=つくし)を歌手にすれば良いのじゃないか?”と、画策していた。
実は、エリィー(=つくし)の養母は、芸能事務所を経営していた。
その為、エリィー(=つくし)をデビューさせたいと、密かに思っていた。
しかし、エリィー(=つくし)は、表に出る事を嫌う所が有り、養母の仕事の手伝いをして居るが、裏方を買って出る位だった。
そう言う処は、エリィー(=つくし)は、本来のつくしと、何ら、変わりなかったのだった。
だが、エリィー(=つくし)の養母は、チャンスが有れば、エリィー(=つくし)にデモテープを吹き込まそうと画策し始めて居た。
先ずは、エリィー(=つくし)に提案し始めたエリィー(=つくし)の養母だった。
「エリィー、作詞してみない?」
「えっ、作詞…?
無理無理…。
私には、才能無いと思うよ。
私じゃ出来ないよ‼」
「遣って見なきゃ、分からないでしょ?
一度、書いてみてよ‼」
「………、じゃあ、試しだけ…ね‼」
「了解っ‼」
そして、出来上がった『詞』を見たエリィー(=つくし)の養母は、エリィー(=つくし)が書いた『詩』を気に入ったのだった。
なので、エリィー(=つくし)の養母の知り合いの作曲家に依頼して、その『詞』に『メロディー』を付けてもらい、エリィー(=つくし)に聴かせて居た。
自分自身が作詞した『詞』にメロディーが付き、とても気に入り、つくしは、唄ってみたく成っていた。
「ねぇ、ママ、私、唄ってみたく成ったんだけど…。
良いかな?」
「良いに決まってるじゃない‼」
「デモテープに吹き込んでみる?」
「うん、遣って見ようかな?」
で、エリィー(=つくし)は、唄ってみる事に成った。
【エリィー(=つくし)が作詞した歌詞は…。】
タイトル 『あの時と変わらない君へ』
♪ 出会った頃は、許されない二人だった。
出会ってしまった事を後悔した。
だが、出会うべきして出会ってしまったのだろう⁉
あなたと出会う前に戻れるなら…。
いいえ、あなたと出会った事を後悔したくない…。
今、あなたは如何していますか?
楽しんでいますか?
私は、あの頃を回顧してばかりいます。
もう、泣く事は止めました。
泣いても、あなたは戻って来ない。
泣いてもあなたには会う事さえ、許されない。
じゃあ、泣かずに、あなたの事だけを忘れずに居たい。
さようならは、言いません。
いつか、あなたと会える様な気がするから…。
あの時と変わらない君へ…。 ♪
F3&T3…成らば、つくしは、まるで、『記憶を失って居ないのではない(ねぇ)か?』と…。
そう思う様なエリィー(=つくし)の『詞』だった。
誰もが、司とつくしの高校時代の事を知る人物なら疑うで在ろう、エリィー(=つくし)の素性を疑う『詞』だったのだから…。
つくしの潜在能力の中に潜む、あの頃の記憶なのだろう…。
だが、その事を知らないエリィー(=つくし)の養母は、エリィー(=つくし)の作詞振りに在る意味、吃驚していた。
そして、此の曲を『インスタ』に投稿してみたエリィー(=つくし)の養母だった。
それが、エリィー(=つくし)の養母が思っていた通り、反響があり、CD化される事に成ったのだった。
<『あの時と変わらない君へ…<つかつく> 2.』は、短めに成って居ます。
お詫びします。>