あの時と変わらない君へ…<つかつく> 5.
あきらは、エリィー(=つくし)のデビューのプロジェクトに関して、F2&T3に説明していた。
「牧野が、今、芸能事務所に所属している事が分かった。
そして、あの歌詞は、俺等の予想通り、牧野の作詞だった。
歌手名は、『エリィー』と、決まっている。
所属事務所も、『エリィー』と、成って居る。」
「其れって、何で…?」
「まだ、詳しい事は分かって居ないんだ。
だが、もう直ぐ、打ち合わせに入るから、その時に、詳しく分かると思う。
分かったら、直ぐ、報告を入れる。」
「「「了解っ‼」」」」(類・総二郎・滋)
「「了解しました‼」」(優紀・桜子)
取り敢えず、進行度は、随時、あきらから、LINEで報告する事に成った。
そして、打ち合わせの日が来た。
あきらは、席に就いて居たつくしを見て、“やはり、牧野だったのか⁉”と、思って、安堵していた。
しかし、当のつくしは、あきらを全く知らない人としての振舞い方でしかなかった。
驚愕のあきらの様子を見たつくしは、困惑していた。
「初めまして、『エリィー』と、申します。
宜しくお願いします…?」
「………。
ああ、宜しく頼むよ…。」
つくしは、右手を出して、握手を求めたが、あきらにスルーをされて、“嫌われてしまった。”と、勘違いしてしまって居た。
あきらは、驚愕で、何の行動も出来ずに居ただけだったのだが…。
打ち合わせ後、あきらは、エリィー(=つくし)が所属している芸能事務所の社長を呼び、事情を確認し様としていた。
そして、あきらは、エリィー(=つくし)が所属している芸能事務所の社長に、口火を切って居た。
「あの『エリィー』という歌手は、『牧野つくし』だな?」
エリィー(=つくし)が所属している芸能事務所の社長は、驚愕で、言葉を出せずに居た。
「………」
だから、慌てて、あきらの方から、説明をする様に、言葉を発し出した。
「行き成りで悪ぃ⁉
俺は、牧野の英徳時代の1つ上の先輩に成るんだ。
俺の親友の彼女だったんだ、牧野は…。」
エリィー(=つくし)が所属している芸能事務所の社長は、納得する様に、言葉を紡ぎ出した。
「そうでしたか?
実は、エリィーは、交通事故に遭い、記憶を…。
エリィーの17年間の全ての記憶を失くしているんです。
所謂、記憶喪失です。
偶々、その場に居合わせた私は、エリィーの身元引受人を買って出たんです。
それで、エリィーの声質に惚れ込んだ私の願いで、エリィーをデビューさせ様と、画策
したんです。」
「………」
あきらは、応えられずに居た。
なので、社長は、話しを続けた。
「当然の事ながら、エリィーには、英徳時代の記憶は有りません。
なので、エリィーは、高校生の頃から桜林の出身だと思って居ます。
因みに、現在も、大学は、桜林です。
そのつもりで居て下さい。」
あきらは、意を決して、社長に訊き出そうとしていた。
「此方から、訊きたい事が有るのだが…?」
エリィー(=つくし)が所属している芸能事務所の社長は、怪訝な顔付きをして居た。
「何でしょうか?」
あきらは、疑問に思って居る事を訊き出していた。
「牧野の家族は、如何成って居る?」
なので、あきらの真剣な顔付きに、“嘘は、通じないだろう。”と、エリィー(=つくし)が所属している芸能事務所の社長が、知って居る事を話しし始めて居た。
「あの交通事故後、病院で、私が警察と一緒に、『牧野つくし』の英徳学園の生徒手帳を
見付けて、『牧野家』の戸籍を色々調べて居た時…色々分かった事が有るんです。
既に、『牧野』という戸籍は、抹消(削除)されていたのか?
戸籍が其処に存在しなかったかの様に、形跡すら、無く成って居たんです。
其れと、牧野家が、親戚から借り受けていた乗用車と、牧野家の家族3人の姿が、或る
日を境に、見掛けなく成ったらしいです。
親戚らしい方は、口を割らなかったんですが…。
少し離れた場所にお住いの方から、伺ったんです。
その方は、“如何も、様子が可笑しい。”と、思っていらっしゃったそうです。
なので、弁護士と相談して、エリィーは、私の戸籍に入れたんです。」
あきらは、確信を突いた。
「という事は、今の社長は…?」
「戸籍上は、エリィーの養母です。
ですが…。
エリィー自身は、私の事を、エリィーの本当の母親だと信じています。」
あきらは、エリィー(=つくし)が所属している芸能事務所の社長の事実の話しを父親のたかしに伝えた。
しかし、既に、“裏の力を使って、調べ出して居る。”と、言う返答だった。
あきらは、あきらの父親に感謝していた。
そして、あきらは、LINEでF2&T3に、この事実を報告していた。
そして、F3&T3で、集まる事にした。