俺を見てくれ‼…<つかつく> 7.
進は、あれから、悩んで居たが…。
司の気持ちに応える為、お世話に成る事を了承していた。
だが、進の母親は、司を拒否している。
進は、其の事を知っていた。
直接、つくしママから、聞かされていたのだった。
また、その事が気に成る司は、進に忠告していた。
「進…?
うち(道明寺HD)で、インターンシップで働く事は、親には、言うなよ‼
牧野の両親は、俺を受け入れてはくれてねぇ。
だから、取り敢えず、時が来るまで、内緒にして於け‼
良いな、進‼」
「はい‼
分かりました。」
そして、司は、楓に、つくしの弟で在る進を、道明寺HD 日本支社で、インターンシップにて、取り込む事を告げた。
「つくしの弟を、日本支社のインターシップで、受け入れる。
了承してくれ‼」
「つくしさんの弟さんって、4年生なの?」
「ああ、4年らしい。
だから、俺は、あいつを俺の下で、育てたい‼
つくしの弟、何だから…よ。
良いよな?」
「分かったわ。
じゃあ、西田を貴方の下に就けるわ‼
弟さんは、西田にしっかり育ててもらいなさい。」
「恩に着る。」
楓は、“こんな素直な司は、初めてでは無かろうか?”と、思って居た。
また、司が、楓にお礼を言って居たのは…“いつ頃までだったのか?”と、思い返して居た楓だった。
そして、西田が、日本支社 支社長付けの司の専属第1秘書として、日本支社に転勤して来た。
そして、進には、進の年頃に在ったスーツを、司は宛がった。
進は、恐縮していた。
だが、つくしより可愛げの在る進は、笑顔で、司の厚意を受け取っていた。
また、司は、そんな進を弟として、可愛がるのだった。
そして、進は、大学を卒業後は、道明寺HDに入社する事に成った。
そして、進は、本格的に、司の専属第2秘書として、西田の下に就き、仕事を覚えて行った。
進にとっては、就職1年目…。
だが、仕事を覚えてからは、2年目に成る。
司と西田は、進の成長振りには、目を見張るものが在った。
もう、道明寺HDにとっても、司にとっても、勿論、西田にとっても、無くては成らない存在に成って居た進だった。
その事に関しての報告も、楓は受けていた。
司は、進が傍に居る事で、何か良い方向に男振りが上がった様に感じていた楓だった。
やはり、司には、牧野姉弟は、“必要不可欠だったと言う訳なのか⁉”と、再認識していた楓だった。
楓は、つくしの存在が、どんなに道明寺家にとって必要だったのかという事も、今頃に成って、合わせて再認識していた。
つくしが高校生の頃、単身、司を追ってNYに渡米した際に巡り会っていた、“キア~イ”のおじさんこと、クラウンCEOとは、今でも、企業間で、楓とは、繋がっていた。
道明寺HDが窮地に遭って居る時も、道明寺HDに支援してくれた一人だった。
何故、あの時、つくしの必要性に、その事に気付けなかったのか?
悔やんでも悔やみ切れない楓が其処には居たのだった。
一日でも早くつくしが目覚めてくれる事だけを、願って止まない楓だった。
そして、司は、何時もの様に、夜中に、つくしの病室に訪れていた。
その時も、司は、つくしに声を掛けていた。
つくしの頬に、司の手を添えながら…。
「つくし、俺、お前の傍に早く居てぇんだよ‼
こんな夜中にこそこそじゃなく…。
堂々と、昼間でも、傍に居てぇんだよ‼
もう、そろそろ、俺を虐めるなよ‼
目を開けてくれよ‼
なぁ~、つくし…。」
司は、男泣きしながら…。
つくしに訴え掛けていた。
つくしから離れる事が出来ない司…。
もう、そろそろ、夜が明ける…。
司は、また、ゆっくり、休む事が出来なかった。
だが、司は、其れで良かった。
何故なら、司自身、つくしの傍に居ると、何故か、疲れが吹っ飛んで行く事が、手に取る様に分かって居たからだった。
その事が分かるだけに…。
だから、西田も、司には、何も言えずに居たのだった。
<7.は、短めで申し訳在りません。>