エロ門、降臨【エロ門、登場】…<総優> 5.
<総二郎side>
お袋も、優紀を見て、何か思う事が有ったんだろう‼
お袋の口から出た言葉に、優紀は驚愕していた。
「優紀さん、私(わたくし)を師事、為さらない?」
「えっ??」
優紀は、素っ頓狂な顔付きに成って居た。
否、『開いた口が塞がらねぇ(ない)』とは、この事か…?
「あら、総二郎からは、結婚も視野に入れていると聞いて居るわよ?
総二郎、違うのかしら?」
俺は、急に、お袋から声を掛けられて、吃驚してしまった。
一瞬、言葉が出て来なかった。
「………。
否、違わねぇ‼」
俺は、優紀の顔色を見ながら、お袋に応えていた。
お袋は、俺に頷きながら、優紀に訊く様にしながらも、親父に了承させていた。
お袋の巧みな遣り取り、感服した俺だった。
「じゃあ、優紀さん。
私(わたくし)に就くのは、当然よね?
だって、次期家元夫人としての修行を、今からでもしてもらっても構わないわよね?
早いという事は無いわ‼
ねぇ、家元…?」
「そうだな。」
「………」
もう、優紀は、如何答えたら良いのか?
分からねぇんじゃねぇだろうか?
俺は、そんな優紀に助け船を出した。
「まあ、お袋…?
そう慌てるなって‼
俺は、優紀との結婚を視野に入れて居ると言っても、まだ、優紀には、結婚の話しまで
は、出来てねぇんだよ‼」
「其れじゃあ…。
総二郎は…?
まだ、優紀さんにプロポーズもして居ないのに…。
家元と私(わたくし)に、“総二郎と優紀さんの結婚のお話しを宣言した。”って、言う
の?」
「………」
俺は、何も言えなかった。
否、言えねぇよな、こういう場合…?
親から、俺の気持ちを聞かされた優紀の気持ちを考えると…。
だが、お袋には、伝えないといけねぇ事は、先ず、伝える事にした。
優紀が、俺から、逃げねぇ様に…。
「取り敢えず、俺の気持ちを優紀に伝えて、優紀に覚悟が出来た時に、お袋に話しする
様にするから…。
ちょっと、待っててくれるか?」
「私(わたくし)は、そんな、長くは待てませんわよ?
宜しくて、総二郎⁉」
「ああ。」
まだ、お袋は、優紀にプレッシャーを掛ける様な言葉を言って居た。
「優紀さんには、色々、覚えてもらいたい事が多いのよ。
優紀さんが、総二郎のプロポーズを受けてもらえたら…。
西門流の内弟子に成ってもらって、西門邸で、住んでもらいなさい。
その方が、西門流の仕来たりを覚えてもらい易いでしょ?
ほんと、覚えてもらいたい事は、山程有るの。」
お袋は、うきうきしてやがる。
優紀の顔の表情を見てねぇのか、お袋は…?
如何すんだよ、この雰囲気は…?
<優紀side>
私は、話しがどんどん先に進んで行く事に、驚愕処では無かった。
唖然で有る。
西門さんから、一度も、結婚に関しての話しは出て居なかった。
同棲に関しての話しだけが出て居ただけだった。
如何したら良いのだろうか?
この状況の先行きが、不安で仕方なかった私だった。
<総二郎side>
(西門)邸での、親父とお袋の話しが終わった後…。
俺と優紀は、取り敢えず、俺のマンションに戻った。
そして、俺は、リムジンから、ずーっと、優紀の顔色を伺っていた。
そして、優紀の気持ちが、何処に有るのか?
一分でも早く確認したくて…。
俺は、マンションに着いて、ソファに腰掛けた途端、優紀に話し掛けてみた。
「優紀…‼
お袋が、先走ったみてぇで、ごめんな‼
吃驚しただろ?」
優紀は、ぴくっと、身体が跳ねた様に成り、俺を上目遣いで、見詰めて来た。
初めは、何も、言わなかった優紀だったが…。
優紀は、俺を見詰めながら、俺に確認して来た。
「………。
西門さん、訊いても良いですか?」
「ああ。」
俺は、何を優紀から、訊かれるのかが、不安で、仕方なかった。
「家元夫人の仰って居た事は、本気ですか?」
やっぱり…その事か?
「ああ。
俺は、優紀しか考えられねぇから、親父とお袋には、そう答えてる。
優紀は、俺とは、嫌か?」
優紀は、首を横に振りながら、俺に言ってくれた。
「嫌では有りません。
唯、その件に関しては、時期尚早かと…。
まだ、西門さんからは、“同棲したい‼”としか、伺って居なかったので…。
唯、西門さんが、同棲=結婚だと考えていらっしゃる様でしたら、もう少し、考えさせ
て下さい。」
「………」
俺は、優紀をじーっと、見詰めるだけで、言葉も出て来なかった。
否、俺は、何も考えられなくなった。
“優紀は、何故、考える時間が必要なんだ‼”と…。
俺への気持ちは、“優紀には、もうねぇのか?”と…。
俺は、優紀の気持ちさえ、疑ってしまっていた。