一方通行の恋…<つかつく> 14.
<司side>
俺は、こいつの言葉に絶句しかなかった。
だが、“先ずは、其れでも良いのか?”と、思い直していた。
「10分の1だけかよ?
分~った。
残りは、ぜってぇ、俺を好きに成る様にさせるから、覚悟して於けよ‼
じゃあ、今日からは、俺とお前は、恋人同士な‼
分かったな?」
「………。
うん。
分かった。」
声は、小さかったが、一応、了承したと、見做した俺だった。
で、俺は、言って遣った。
「親にも、あいつ等 F3にも、この事は、言っても良いか?」
「えっ??」
こいつは、狼狽えてやがる。
けど、其れは、無理な相談だろ?
「じゃなきゃなぁ~。
付き合ってるって、意識は、お前には、持てねぇだろ?
だから、俺と付き合ってるって、いう意識をいつも持つ為には、皆に公表するのが一番
良いんだ‼」
「えっ??
お試しでも…?」
「ったりめぇだろ?
初めから、お試しで付き合って、それ以上に進展すんのかよ?
類にも、公表する事で、意識を俺に持って来いよ‼
俺が、守って遣るし…。
近い将来、俺が、お前を俺に向かう様に、その気にさせて遣るからよ‼」
<つくしside>
私は、こいつの言葉は、何時もの『俺様』だとは、思った。
でも、言ってくれている事は、私を想っての事だろうから、受け入れる事にした。
そして、私は、いつの間にか、了承していた。
「うん。
分かった。」
「マジで、良いんだな?」
「うん。」
一瞬、私に見せたこいつの自信無さげな、不安な顔付きが…。
妙に、頼り無げに見えて、支えて上げたくなった。
でも、私が、返事して、頷いた後に見せた満面の笑みに、私は、ドキッと、心臓が、高鳴った様に感じていた。
今のは、何…?
類には、こんなに、ドキッとした事は、今までに無い。
何なの?
私は、分からず、不安に成って来た。
其の私の表情を汲み取ったこいつは、私の頭を撫で撫でしながら、言って来た。
「心配すんな‼
俺が、ずーっと、傍に居て、お前を幸せにして遣るから…。」
ほんと、『俺様』…。
そう、思いながらも、撫で撫でされた時のこいつの手の温かさに、また、私の心臓は、高鳴っていた。
ほんと、やばいんですが…?
如何したのよ、つくし…?
<司side>
付き合う事にした俺とつくし…。
俺は、呼び名を決めたかった。
「俺とお前の呼び名なんだけど…よ。
如何する…?
類には、『類』って、呼んでんだよな?
だったら、俺も、下の名前で呼んで欲しいけどな?
言ってみ?」
「えっ??」
ほんと、マジ、やべぇ~‼
顔を真っ赤にさせて、狼狽えてやがる。
俺を煽ってるって、分かってんだろうか?
分かってねぇよな?
多分…?
「言ってみろよ?
なぁ、つ・く・し‼」
俺は、茶目っ気に、つくしを弄って遣った。
段々、デコルテまで、真っ赤かに成って来やがった。
ダメだ。
俺が、俺自身で、ヤバく成って如何すんだよ‼
煽られてる場合かよ?
「つ…かさ…?」
まあ、良いか?
此れで、許して遣るか?
徐々にだな‼
「言おうと思えば、言えるだろ?
此れからは、お互い、下の名前で呼び合うぞ‼」
「………。
うん。
分かった。」
で、俺は、親達にこの事を報告する事を了承させた。
「お互いの親には、恋人として、付き合う事に成った事を…言うのは、了承してんだ
よな?」
「お試しでも…?」
「お試しでも…だ。
お試しとは、言うなよ?
良いな?
あいつ等にも…だ?
良いな?
“恋人として、付き合う事に成った‼”と、言え‼
分かったな、つくし?」
「………」
つくしは、何も言わなかったが、頷いて、了承はして来た。