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花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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兄妹物語【あきら&つくし兄妹】…<ALL CP>  17.




総二郎には、優紀の気持ちが理解出来て居た。


何故なら、同じ『次期家元』の重圧が、肩に伸し掛かって居るのだから…。


総二郎は、総二郎の兄で在る 長男 祥一朗から、『次期家元の座』を、押し付けられる形で、襲名した。


総二郎が、中学生の頃の事だった。


其の為、総二郎は、其の重圧から逃れる為に『癒し』として、別の場所(女性)に、癒しを求め始めて居た。


其れが、『女たらし』の『遊び人』と異名を取る迄に成った所以で在った。


唯、優紀は、其の重圧を、『お茶(茶道)』に求めただけ…だった。


『重圧から逃れたい』という気持ちは、総二郎にしても、優紀にしても、同じ事だった。


総二郎と優紀の違いは、『癒し』の求め方が違っただけだったのだ。



だからだろうか?


総二郎は、優紀の立場を一番理解出来るのは、“自分自身(総二郎)だけだろう。”と、認識していた。



後(のち)の総二郎は、徐々に、同じ立場で在る優紀に、『癒し』を求め様とし始めるのだった。



そして、優紀を見詰める総二郎の今までとは違う目線の違いに、桜子が、一早く気付き始めたのだった。



そんな事が有った其の後の或る日…。
桜子は、総二郎と偶然、F4ラウンジ内で一緒に成った時、総二郎の優紀に対する気持ちを確認していた。


「西門さん…?
 少し、お伺いをしても宜しかったですか?
 もし、間違って居たら、申し訳ありません。」


総二郎は、桜子の対応に、怪訝な顔をして居た。


「ああ。
 何だよ?」


桜子は、総二郎の顔色を見乍ら、確認していた。


「はい。
 西門さんは、優紀さんに特別な感情を抱いていらっしゃいますか?」


総二郎は、桜子の言葉に驚愕しか無かった。


総二郎は、直ぐには、桜子に返答する事も出来ずに居た。


「………、其れって、如何言う意味だよ?」


そんな総二郎に、桜子は、優紀を擁護する様な言葉を言い出した。


「西門さん…。
 優紀さんを『遊び』の対象と為さるおつもりなら、止めて頂けますか?」


総二郎は、不服気味では有ったのだが、桜子に言い返していた。


「そんなつもりは、更々、ねぇよ‼」
「じゃあ、如何言うおつもりですか?
 まさか、あの『西門総二郎』が、優紀さんに本気とか仰いませんよね?」


桜子は、態と、総二郎に、喧嘩を吹っ掛ける様に質問していたのだが…。
総二郎と言えば、『策士 桜子』の策に嵌って行くのだった。


更に、不服気味に、総二郎は、桜子に返答していた。


「だから…。
 其れって、如何言う意味だよ?」


桜子は、やっと、確信を付いて来た。


「優紀さんは、恋愛に慣れて居ないんです。
 今まで、恋愛をして来なかったんです。
 優紀さんは、おモテに成るのに…。
 今までは、お断りして来られて居るんです。」


優紀自身の恋愛が、未熟で在ろう事は、優紀を見て居れば、総二郎には、お見通しだった。


そんな総二郎の顔付きの様子を、しっかり確認して居た桜子は、話しを続けて居た。


「其れは、花咲のお祖母様の『目が在る』から、何です。
 所謂、花咲のお祖母様の『監視』と言えば、良いと思いますが…。
 家元を襲名するまで、お稽古に精進する様に、優紀さんは言われ続けているんです。
 だから、優紀さんは、男性に対する免疫が全く無いんです。
 優紀さんは、花咲のお祖母様から、未だに、男性とのお付き合いを許されて居ないんで
 す。
 寧ろ、“男性とお付き合いする時間が有るなら、お稽古に精進する様に…。”と、優紀さ
 んは、花咲のお祖母様から、言われていらっしゃるんです。
 素直で、優しい優紀さんには、芯がしっかりしている所も在るんです。
 でも、そんな優紀さんは、花咲のお祖母様には、本来の自分自身が出せて居ないんで
 す。
 其れ処か…?
 花咲のお祖母様に、優紀さんの本当の気持ちを隠さなければいけない程、押さえ付けら
 れて居るんです。
 普通のお年頃の女性としての恋愛や、お友達との交流をしたくても、今までは、させて
 もらえなかったんです。
 唯一の交流は、私…位なもんです。
 だから、今の優紀さんは、先輩とお会いして、かなり、明るく成った様に、私は感じる
 んです。
 今の優紀さんは、今を楽しんで居るのが、私には分かるんです。
 だから、西門さんが、優紀さんに『遊び』で近付こうと為さって居るのなら、此れ以
 上、優紀さんに近付かないと約束して下さい。」


総二郎は、桜子の話しの内容で、やっと、優紀自身を理解出来た様に感じていた。


何か、愁いを感じる表情を見せていたと思えば、明るい表情を見せて笑う優紀の事が、何処か気に成り始めていた総二郎だった。


桜子から聞いたそんな状況の優紀の事を、総二郎は、“そういう事か?”と、納得していた。


だから、総二郎は、桜子に、本心で話しして居た。


「俺の優紀ちゃんに対する気持ちは、『遊び』何かじゃねぇよ‼
 優紀ちゃんに対してだけは、本気だ‼
 同じ、伝統を重んじる世界で生きる重圧や苦しみは、本人でねぇと分からない。
 其れが、“優紀ちゃんとなら、分かち合える。”と、俺は、本気で、思ってる。
 其れに、俺は、本気で、“優紀ちゃんの支えに成りたい‼”と、思ってるよ。
 お互いをお互いで、“支え合えたら…。”と、俺は、思ってるよ。」


桜子は、更に、総二郎に確認していた。


「其れは、『恋愛感情は無し』って、意味ですか?」


総二郎は、桜子の返答に、かなり、ご立腹の様子だった。


「そんな訳ねぇだろ?
 俺は、優紀ちゃんの事が、好きだよ‼
 “俺が、優紀ちゃんの感じて居る重圧から救って遣りてぇ‼”って、本気で思ってるよ‼
 其れは、俺だから、分かる事だし…。
 反対に言えば、俺にしか、分からねぇだろ?」


桜子は、頷いて見せた。


そして、“今の西門さんなら、優紀さんを預けても大丈夫だろう‼”と、何故か、認識出来た桜子だった。


だから、桜子は、総二郎に伝えられたのかも知れなかった。


「西門さんのお気持ちが良~く、分かりました。
 そう言う事でしたら、私がフォロー致しますわ‼」


総二郎は、“そんな大袈裟にしねぇで欲しいんだが…?”と、思って居た。


けれど、総二郎は、“優紀ちゃんと近付けるなら、其れも有りか?”と、思い直していたのだった。

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