輝きの中へ…<つかつく> 2.
実は、今回、つくしが静から、借りたヒールは…(と、つくしは、思っていた。)。
つくしは、静から聞いた言葉に、即発される様に借りたヒールだった。
静とつくしの足のサイズは、同じ…。
つくしは、静から借りるつもりだったのだが…。
静は、つくしの為に用意したヒールだった。
「つくしちゃん、靴はね…。
良い靴を履いてるとね…。
其の靴が、良い所へ連れて行ってくれるのよ‼
だから、このヒールをつくしちゃんに『present』させて…。」
つくしは、驚愕していた。
だって、その日は、静のお誕生日…。
つくしが、『present』されたのでは、意味が無いのだから…。
「静さん‼
今日は、静さんのお誕生日ですよね。
私が、『present』されるのは、可笑しいですよね?」
静は、つくしに諭していた。
「今日はね、私がお願いして、私(静)のお誕生日の『party』に、つくしちゃんが出席
してくれたでしょ‼
だから、其のお礼なの‼
受け取ってね、つくしちゃん‼」
つくしは、驚愕したが…。
静の思いなので、今回だけ、受け取る事にした。
だが、つくしは、一言だけ、静に言って居た。
「静さん、今回は、有難く頂戴します。
でも、此れからは…?」
だが、静は、満面の笑みで、つくしに言って居た。
「つくしちゃん‼
受け取ってくれて、有り難う‼」
そして、つくしは、此のヒールを履き、静と一緒に『party』会場へと、向かって居た。
其処で、つくしは、司の視線に気付いた。
司は、つくしを見詰めているだけだったのだが…。
司からすれば、唯、見詰めているだけのつくしに、顔を背けられる状態と成って居た。
つくしには、司から、自分(つくし)自身を睨み付ける様に見られていると、認識していた。
なので、居た堪れなく成ったつくしは、司の居る場所から、離れ様としていた。
其処に、履き慣れないヒールを履いて居るつくしは、躓きそうになり、前にのめり込む様に倒れ掛けていた。
ずーっと、つくしだけを瞳(め)で追って居た司は、つくしのその動きに気付き、つくしを助ける為、司は、雪崩れる様につくしの下敷きに成り、つくしを支えたと同時に、つくしが、司の上に倒れて来て、司とつくしのお互いの唇が重なり合った。
それも、一瞬の出来事で、誰しもが、何が起こったのかのさえ、分からない状況だった。
誰もが、驚愕していた。
その場が一瞬…。
何もかもの動きが止まったかの様に成って居た。
そして、静の『Birthday party』の次の日には、司は、NYに戻って行った。
其れからの、司は…。
NYに戻ってから、何をするでもなく…。
執務は、滞るばかりだった。
困った西田は、司の母親で在る道明寺HD 社長に助けを求めた。
楓も、司が、NYに戻ってから…。
以前寄り増して、遣る気の無い司に驚愕していた。
30歳を目の前にして、女性に寄り付かず、女性をも求めないその姿に…。
司は、NYでは、『ゲイ』と評されていた。
それは、大学生の頃から、ずーっと、だった。
いつか、其の事に関しては、払拭したいと、考えて居た楓だったのだ。
唯、司は、一人の女性を、求め続けて居ただけだった。
それが、『牧野つくし』その人だった。
だが、自分は、道明寺財閥の一人息子…。
“自分自身の想いが叶う筈等無い。”と、悲観的だった。
だから…。
道明寺HDの仕事も、如何でも良く成って居た。
女性は、『牧野つくし』だけで良かったし…。
『牧野つくし』だけが、自分(司)自身に振り向いてくれたら…。
其れだけで、良かった司だった。
<一部の静の会話に、神尾葉子先生の『花より男子』の漫画のセリフの一部を引用させて
頂いて居ります。
勝手に、引用させて頂いて居ります事をお詫び申し上げます。
関係者各位 様、ご迷惑をお掛けして申し訳御座いません。>
<また、2.も、短めで申し訳御座いません。>