輝きの中へ…<つかつく> 6.
司は、類の顔付きを見て、納得していた。
「ああ。
分かった。
で、類は、俺に何を訊きたかったんだ?」
類は、司に確認していた。
「うん。
牧野が、司の父ちゃんの主治医として、道明寺邸に住み込みしてるでしょ?」
「ああ。
らしいな。
タマが気に入って、住み込みにさせたらしいけどな。
で、其れが、如何したよ?」
類は、司の気持ちを確認しようとしていた。
「司も、(道明寺)邸で、住むの?
マンションじゃ無くて…?」
司は、怪訝な顔付きに成って居た。
「俺が、(道明寺)邸で、住んだら、ダメなのかよ?
俺にとっては、我が家だろ?」
「うん、そうなんだけど…ね?
牧野は、そうは思っていないみたい何だよね?」
司は、更に、怪訝な顔付きに成って居た。
「其れって、如何いう意味だよ?」
類は…。
“この際だから…。
牧野の言って居た言葉を言おう‼”と、思って居た。
そうなのであった。
実は、1週間程前…。
つくしは、司が、近々、日本に帰国する事をタマから聞いて、司の件を知った様子だった。
更に、司が、帰国後は、(道明寺)邸を住まいにする事をタマから聞いて居たつくしは、司と同じ屋根の下で暮らす事を良くは思っていない様子だった。
だから、司の帰国を知って、つくしが考えて居る事は、道明寺邸から出て、通いで主治医を続けるという事だった。
だが、この事を道明寺家の面々にも、タマにも、相談出来ないつくしは、類に相談して来たという訳だった。
その事を類は、司に話しして居たのだった。
その事を聞かされた司は、つくしに受け入れてもらえていない事を痛感するしかなかったのだった。
「なあ、類…?
マジで、牧野は、そう言ってたのか?」
類は、申し訳無そうにするも、つくしの気持ち故、類にも、如何する事も出来ずに居た。
「うん、牧野は、そう言ってるんだよね?」
“じゃあ、俺は、牧野に近付く事も出来ねぇのかよ?”と、落胆する司だった。
司と類の二人の様子を、何も言わず、唯、じーっと、見ていた、総二郎とあきらは…?
お互い、“牧野って、誰だ?”と、成って居た。
英徳学園時代…所謂、高校時代も、大学時代も、全て含めて、つくしの存在自体知らない総二郎とあきらにとって、誰の事を言って居るのかさえ、分からなかったので在った。
だから、“そろそろ、良いだろう‼”と、あきらが、類に声を掛けた。
「類、訊きてぇんだけど…よ?
その、さっきから、名前の出てる『牧野』って、誰だ?」
類は、忘れていた。
総二郎とあきらが知らないって事を…。
否、つくし自身が、其の事を今まで…。
所謂、つくし自身が、F4事態に拘って(かかわって)来なかったって事だったのだ。
まあ、言う成れば、つくしが、敢えて、F3とは、拘りたくない様子だったのだが…。
類としては、司が知っていたので、てっきり、総二郎とあきらも、知っていると、勘違いしていたのだった。
だが、類も、何故、司が、つくしを知っていたのかを知る由もないのだが…。
“どうせ、校内で、見掛けたのだろう?”と、認識するに留まった類だった。
「ああ、そうだよね?
総二郎とあきらにとったら、“牧野…って、誰?”って、状態だよね?
今年の静の『Birthday party』の時に、静が支度して、静と一緒に、2Fから降りて来
た娘(こ)が居たでしょ?」
類が、思い出した様に、付け加えて話しし出した。
「あっ、そうそう。
牧野が倒れ掛けて、前にのめり込みそうに成って居たのを、司が受け止めて、抱き締め
て、司がkissしていた娘(こ)って、言えば分かる?」
総二郎も、あきらも、思い出していた。
「「ああ、あの娘(こ)?」」
司は、そっぽを向いて居た。
司の行動は、類には、照れ隠しにしか見えなかった。
そして、また、類は、付け加えて話しし出した。
「実は、牧野は、高校も、大学も、英徳(学園)だったんだよね。
“F4には、拘りたくない‼”って、言っててね。
俺達と拘わらない様に、密かに、学園に居てたみたいだったんだけど…。
俺と牧野は高校の頃に、高校校舎の非常階段で、会う様に成って、仲良くなったんだ
よ。
俺は、F4だけど、F4とは、別らしい。
で、静を紹介して、俺と静の妹的存在に成ったって訳…。
だから、何故、司が、牧野を知ってるのかは、俺には、定かじゃないんだけど…ね。」
唯、総二郎とあきらは、司の初めての女性に対しての好意に、興味津々の様子だった。
司は、“厄介な奴等に知られた⁉”と、後悔していたのだった。