tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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泣かずに居られるのなら…<つかつく>  14.




仕事中で、病室には、司が居ない事を知っている楓が、つくしのお見舞いに尋ねて来た。


余りの突然の楓の訪問に、強張るつくしが其処には居たのだった。


だが、あの頃と雰囲気の違う楓に戸惑うつくしだった。



楓が、つくしの居る特別室に入る成り、声を掛けて来た。


「つくしさん、宜しくて‼」


つくしは、楓の登場に、驚愕という言葉以外、何ものでもなかった。


「えっ??
 道明寺社長…?」


楓は、苦笑で在った。


つくしの強張った表情に、自然に和解を要求していた楓だった。


「つくしさん、貴女に許して頂きたいの。
 私(わたくし)は、間違った方向に進んで居た様ね。
 貴女が許して下さるなら、司との事は、もう、何も言わなくてよ‼
 勿論、“許してくれるなら…。”と、言う事が、前提だけど…?」


つくしは、楓のその発言が、“其れが、他人(ひと)に謝って居る態度なのだろうか?”と、思うしかなかった。


だが、“また、其れが、楓で在るのだ‼”とも、思い直して居たつくしだった。
だから、和解に応じたのであった。


「承知しました。
 宜しくお願い致します。」


其処まで言って、更に、楓に確認したつくしだった。


「しかし、航は、如何成るんでしょうか?」


楓は、そんな事を、今更、聞こうとするつくしが信じられずに居た。


「あら、航は、貴女が産んだ息子(こ)じゃ無くて…?
 父親は、司なのよね?
 もう、いつ、授かったか何て聞く気も無いけど…?」


流石、楓で在った。
嫌味はきちんと、つくしに伝えていた。


「航は、勿論、私が、産んだ息子(こ)です。
 勿論、父親も、御子息です。」


楓は、“つくしさんは、未だに、他人行儀なのね?”と、心の中で、苦笑するしかなかった。


「そう。
 じゃあ、航は、司とつくしさんが、責任を持つべきよね?
 それに、私(わたくし)が、『つくしさん』と、呼んでいるのに…。
 『司』の事を『御子息』は、無いんじゃ無くて…?
 和解が成立したなら、私(わたくし)の事も、『お義母様』と、呼んで下さらないと…
 ね?」
「………」


つくしは、呆気に取られて、何も言えずに居た。


それ程までに、楓の言葉には、驚愕しか無かったつくしだったのだ。


つくしは、背中が、むず痒く成るのを感じていた。



そして、その日の夜、つくしは、司から、言われた言葉に、嬉しくて仕方なかった。


「明日、航の学校帰りに、此処(道明寺総合病院の特別室)に、航を連れて来る様に、タ
 マに頼んで於いた。
 明日は、俺も、つくしと一緒に此処(道明寺総合病院の特別室)に居るから、安心し
 ろ‼」


つくしは、司の言葉に、やっと、我が子に逢えると、心弾ませていた。


「司、有難う‼」


司は、初めて、つくしが、『司』呼びをしてくれた事が嬉しかった。


つくしは、今日、楓との和解に寄り、道明寺家の嫁に成る覚悟が出来て居た。


その為、つくしは、『司』呼びする事にしたのだった。


司から、口に出して、要求こそされて居なかったのだが…。
つくしは、司が、『司』呼びをして欲しそうにして居る事は、気付いて居たのだった。


『鈍感 牧野』にしては、上出来では無いだろうか?


此れで、何の蟠りも無く、航に逢える事を嬉しく思う、つくしだった。



だが、つくしは、司から、約束をさせられて居た。


「航は、タマに育てられて居る事は話ししたよな?」
「うん。」
「だから、航は、父親の事も、母親の事も、一切、知らずに育ってる。
 俺の事は、“記憶を失う病気だったから、今まで、NYに居た。”と、話しして在る。
 で、つくしの事は、“病気だったから、ずーっと、病院に入院してる。”と、伝えて在
 る。」


つくしは、驚愕していた。


「本当に、私が、入院してるから良かったけど…。
 私が、元気だったら、如何してたの?
 航にとっては、司は、『嘘付き』って事に成ったんだよ?」


司は、苦笑しかなかった。


「その時は、“ママは治ったんだ‼”って、航に言うつもりだった。」
「………」


つくしは、何も言えずに居た。


司は、尚も、話しを続けた。


「だから、余計な事は、航には言うなよ?」
「分かった。」


つくしは、司の話しに了承するしかなかった。



そして、その日の夜は、一睡も出来ずに居たつくしだった。


つくしは、子供の頃、次の日の遠足で、興奮して一睡も出来ずに…。
朝を迎えて起きて居た事を思い出していた。


そんな時に限って、バスの中で、気分が悪く成った事を思い出し、嫌な気分に成って居たつくしだった。



だから、何故か、お昼寝してしまったつくしだった。



其処に、航が、タマに連れられて、地下駐車場から、特別室専用エレベーターに乗って、つくしの前に現れ様としていた。


そして、航は、つくしが入院している特別室に入る成り、先ずは、司の顔を確認して、司に飛び突いた。



その光景を見て、涙が出て止まらないつくしとタマが、其処には居たのだった。

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