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花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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自惚れ~うぬぼれ~…<つかつく>  54.



あきらは、つくしには、何の変化も無かった事を、司に報告する為に、連絡を入れたのだ。
勿論、リモートだった事は言うまでも無かったのだが…。


今回のミッションが、不発に終わってしまった事を、司に報告する事に関して、勿論、此の時のあきらにとって、心苦しく感じて居た事は、事実だったのだ。


だが、“司も、期待して居たかも知れない。”と、思えば、此の時のあきらにとっては、司に報告する寄り無かったのだ。


だからこそ…。
あきらは、司に連絡を入れたという訳だったのだ。



そして、司に連絡を入れた時のあきらは、司に、(美作邸の中に在る)東屋でのつくしの様子を伝えて居たのだ。
其処で、あきらは、話を付け加えるかの様に、更に、司に、話しし始めたのだ。


「牧野を、(美作邸の中に在る)東屋の中に連れて行った時も、当時の(美作邸の中に在
 る)東屋での出来事を、一切、思い出す事は無かったわ。
 で…よ。
 其の後、牧野を、うち(美作邸)の中にも連れて行って視たんだわ。
 実は…な。
 お前を、あの時、(美作邸の中に在る)東屋の中に閉じ込めた後…。
 類に連れて来させた牧野を、先ずは、うち(美作邸)の中に入れたんだよ。
 其の当時に、牧野は、うち(あきら)のお袋と双子の妹達共、会ってるから…よ。
 牧野が、うち(あきら)のお袋と双子の妹達と会えば、思い出すかと思ってよ。
 けど…な。
 不発だったわ。
 大学に入ってからも、F3&T4は、何度か、うち(美作邸)に集まってたんだけど…な。
 悪ぃな、司…。
 役に立たなく…よ。」と…。


だからだったのだろう。
司は、あきらの話しを聞いて、思って居たのだ。


“やっぱり、ダメだったか?
 少しは、期待したんだけど…な。
 後は、俺が、日本に帰国してからか?”と…。



其処で、あきらは、黙ったままで居る司に、声を掛けたのだ。


何故なら…。
司の顔付きが、ショックを引き起こして居るかの様に、其の時のあきらには、見て取れたから…だったのだ。


だからだったのだろう。
あきらは、思って居たのだ。


“司は、相当、ショックを引き起こしてんだろな⁉”と…。


なので、あきらは、そんな司を心配し始めたのだ。


だからこそ…。
此の時のあきらは、そんな様子の司に、声を掛けたという訳だったのだ。


「司…。
 大丈夫か?」と…。


だからだったのだ。
あきらからの声掛けに、漸く、我に返った司が、あきらに、返答したのだ。


「ああ、大丈夫だ。
 あきら…。
 面倒掛けて、悪かったな。
 総二郎にも、謝って置いてくれ‼」と…。


なので、あきらは、司に、返答したのだ。


「ああ、分かった。」と…。



そして、其処で、一瞬、司とあきらとの間には、沈黙状態と成って居たのだ。


だからだったのだろう。
あきらは、独り言かの様に、呟いたのだ。


「牧野は、何が、キーポイントに成るんだろうな。
 司の時は、牧野が、司に向かって投げたあのホームランボールだっただろ?」と…。


だからだったのかも知れない。
司は、そんなあきらからの独り言の様な言葉を拾い上げ、あきらに、返答の言葉を、投げ掛けたのだ。
辛そうに…。


「ああ、そうだったな。
 何が、キーポイントに成るんだろうな。
 牧野には…。」と…。


其処で、また、司とあきらとの間には、暫くの間、沈黙が流れたのだ。



そんな時間が、どれ位経って居たのだろうか?
急に、あきらが、沈黙を破ったのだ。


「なぁ~、司…。
 俺は、今回、お前の役に立てなかったし…よ。
 何か、俺にして欲しい事が有んだったら…よ。
 協力して遣っても良いぞ‼」と…。


だからだったのだ。
司は、欲しい物が有ったのだ。
其れは、つくしの動画や画像だったのだ。


此れ迄の司は、つくしの写真を持って居なかったのだ。


実は、司がNYに渡米する前に、一度だけ…。
つくしからの要望で、写真を撮った事は有ったのだ。
だが、其の写真は、残念な事に、ちゃんと撮れて居なかったのだ。


だからこそ…。
司は、つくしの動画と画像を、PCに保存して置いて、何時でも観られる状態にして置きたかったのだ。


だからこそ…。
司は、あきらに、頼む事にしたのだ。


実は、あきらから言って来てくれた事で、此の時の司にとっては、“チャンスだ‼”と、思えた事も、また、事実だったのだ。


「だったら…よ。
 (英徳)大学に居る時の牧野の動画や画像を撮って、俺のPCに送ってくれねぇか?
 一応、牧野のSPにも、カメラを預けて、牧野の写真を撮らせてんだけど…よ。
 (英徳)学園の中まで入って、撮る事が出来ねぇらしい。
 不審者と勘違いされれば、厄介だろ。
 だから…よ。
 あきらが撮った牧野の動画や画像を、俺のPCに送って欲しいんだよな。
 牧野の動画や画像を撮る為の携帯は、あきらん家(ち)(美作邸)に、届けさせるから…
 よ。
 其の携帯で、牧野の動画や画像を撮ってくれ‼
 で、ちゃんと、保存して置いてくれ‼
 で、あきらに預ける携帯は、俺が、日本に帰国して帰ってから、俺に、返してくれたら良
 いから…よ。」と…。


だからだったのだろう。
あきらは、司からのそんな話しを聞いて、実は、呆れて居たのだ。


“司は、どんだけ、牧野に惚れてんだよ‼”と…。



だが、あきらには、司が、其処迄する理由が分からなかったのだ。
否…。
腑に落ちて居なかったのだ。


だからこそ…。
此の時のあきらは、司に訊く事にしたのだ。


「なぁ~、司…。
 何で、其処迄する必要が有んだ?
 写真位ぇ…。
 今迄にも、撮った事が有んだろ?」と…。


だが、司は、言い難そうに、あきらに、言って除けるのだった。


「ああ。
 牧野からの要望で、一度だけ…な。
 だけど…な。
 牧野が持って来たカメラは、『使い捨てカメラ』とかいうカメラだったらしいんだけど…
 な。
 “一枚しか残って無い(ねぇ)‼”とかで…。
 2ショットで撮った筈だったのに…よ。
 手取りで撮ったからなのか?
 写って居たのは、頭だけだったらしい。
 だから…な。
 結局、写真も無ければ…。
 動画も画像もねぇって事だ。
 だから…な。
 俺が、日本に帰国する迄…。
 牧野が、俺の傍に居ねぇ生活を乗り切る為に、俺には、牧野の動画と画像が必要…何だ
 よ。
 だからこそ…。
 俺のPCに、牧野の動画や画像を撮って送ってくれ‼
 あきら、頼む‼」と…。


だからだったのだろう。
あきらは、司に言った手前、“しゃあねぇなぁ~。”と、言う思いから、司の想いに応える形で、司の要望に、了承する事にしたのだった。


「ああ、分かった。」と…。


だからだったのだ。
此の時の司の顔は、幼馴染で親友で在る あきらでさえ、今迄に観た事の無い程の満面の笑みで、司は、あきらにお礼の言葉を告げて居たのだ。


「サンキュな!
 あきら…。」と…。


そして、其の後のあきらの大学生活は、司に寄って、送られて来た携帯を手に、カメラマンと成って居たのだ。



そんな話しをあきらから聞いて居た総二郎は、健気に、司からの要望に応えて居るあきらの姿に、思って居たのだ。


“あきらは、頼まれれば、嫌と言わず、遣り切る。
 俺なら、幾ら、幼馴染で親友からの頼みでも、此処迄は出来ねぇわ。
 流石、あきらは、『仲間思いのあきら』だよな。”と…。



そして、司と云えば…。
あきらから送られて来るつくしの動画と画像を、自身のPCに保存して、何時も、ニヤニヤし乍ら観て、楽しんで居たのだ。


だが、何時も、あきらから送られて来るつくしの動画と画像を観乍ら、仕事を熟して居れば、何時かは、司の秘書で在る 西田にバレる。


だからだったのだ。
司は、保存方法を考えたのだ。
そして、“良い方法を思い付いた。”と、ばかりに、司は、或る保存方法を思い出したのだ。


其の動画と画像の保存方法とは…。
『ファイリング』する事だったのだ。
だが、唯の『ファイリング』では無いのだ。


所謂、其の『ファイリング』の保管場所に関して、“良い方法を思い付いた。”と、いう訳だったのだ。


其の保管場所と言うのが、『シークレット』だったのだ。


一件視れば、何時もと、何ら変わりないPC画面なのだ。


だが、少し、操作すれば、『QCコード』が、PC画面に現れる。
そして、其の『QCコード』をダウンロードすれば、PC画面に、『ファイリング』した動画や画像が出て来る仕組みなのだ。


そうすれば、司の秘書で在る 西田にバレる事は無い。


もし、司の秘書で在る 西田が、司の執務室に現れた場合は、『ファイリング』の『✖』をクリックすれば、元の画面に戻る事が出来る。
司にとっては、画期的な方法だったのだ。


という訳で、司にとっては、つくしと会えない状況で在ったとしても、其れ成りに、毎日が楽しい、嬉しい日々と成って居たのだ。

自惚れ~うぬぼれ~…<つかつく>  53.



<此の二次小説『自惚れ~うぬぼれ~…<つかつく>  53.』の本来は、2021.6.15の
 投稿分と成ります。
 2021.6.14中に投稿して折りますので、同日、時間差にての二話連続投稿の様に成って
 折りますが、了承の程、宜しくお願い致します。>



あきらは、つくしに、声を掛けたのだ。


「牧野…。
 別の場所にも、行って視るか?」と…。


なので、つくしは、頷いたのだ。



だが、総二郎自身は、其の事を、直接、あきらから聞いて居た訳では無かったので、何処に行くのか?
実は、知りたかったのだ。


だからこそ…。
総二郎は、事前に、あきらから聞いて居なかった事を不服に思って居た事も有り、不満そうに、あきらに、声を掛けたのだ。


「あきら…。
 今から、何処に行くつもり何だ?」と…。


だからだったのだ。
あきらは、即答したのだ。


「あぁ~、そうだよな。
 総二郎にも、言って無かったよな。
 うち(家)だよ。」と…。


だからだったのかも知れない。
総二郎とつくしは、同時に、声を発したのだ。


「「うち…?」」と…。


なので、あきらは、同時に、そう訊いて来た総二郎とつくしの顔を見て、笑い乍ら、返答するのだった。


「(美作)邸だよ(笑)。」と…。


だからだったのだ。
此の時の総二郎は、あきらのそんな話し振りに、漸く、納得するかの様に、返答するのだった。


「あぁ~、成程…な。」と…。



だが、つくし自身は、其れでも、きょっとんとした顔付きのままだったのだ。


否…。
訳が分かって居ない様子だったのだ。
という寄りも、此の時のつくしは、思って居たのだ。


“美作邸に、何が有るんだろうか?”と…。



だが、そんなつくしの思って居た事が、あきらに聞けないまま、つくしは、美作邸の中に入って行ったのだ。
そして、其処で、つくしは、驚愕して居たのだ。


何故なら…。
“美作さんのイメージとは程遠いと言っても過言じゃ無い程のメルヘンチックだ。”と、此の時のつくしが思って居たから…だったのだ。


だからこそ…。
つくしの顔付きは、驚愕顔だったという訳だったのだ。



尤も、つくしが、高等部当時…。
類に誘われて、美作邸に行った際も、美作邸の庭を見て、つくしは、類に、言って居たのだ。


「す…凄いね。
 此のお庭…。
 絵本みたい。」と…。


なので、『つくし』としては、二度、驚いて居る事に成るのだ。



そして、あきらからの誘導の下、美作邸の中に入ったつくしは、更に、驚愕するのだった。


何故なら…。
或る人物の登場に寄り、つくしは、驚愕で、開いた口が塞がらない状態に成って居たのだ。
其れは、世間では、言わずと知れたあきらの母親で在る 美作夢子の登場だったから…なのだ。


「あら、つくしちゃんじゃ無いの。
 お久し振りね。」と…。


其処で、つくしは、あきらの顔を観たのだ。


何故なら…。
つくしの記憶の中には、勿論、あきらの母親で在る 美作夢子は、存在して居ないのだ。


だからこそ…。
此の時のつくしは、あきらの母親で在る 美作夢子が、“美作さんのお姉さん?”と、思って居た程だったのだ。


だからだったのだろう。
つくしの心の声は、あきらの耳に、届いて居たのだ。


だからだったのだ。
あきらは、“また、此の展開かよ⁉”と、思う程、面倒臭く成って居たのだ。
なので、此の時のあきらは、面倒臭そうに、つくしに、言って除けて居たのだった。


「お袋…だ。
 お袋は、俺を二十歳で産んだんだ。
 だから…よ。
 お袋は、今年で、42歳だ。」と…。



実は、本来のあきらは、つくしを、美作邸の中に迄、連れて来たくは無かったのだ。


何故なら…。
こういう雰囲気に成る事が、あきらの中では、目に見えて居たから…だったのだ。


なので、回避出来るモノなら、回避したかったという事が、あきらにとっては、本音だったのだ。


だが、美作邸の中に在る 東屋に入ったつくしでは在ったのだが、少しでも、何かを思い出す様な事は無かったのだ。


だからこそ…。
あきらが、つくしを、美作邸の中に入れたのも、“仕方ねぇな。”と、言う思いの方が、強かったのだ。



そして、つくしも、また、そんな話しを、あきらから聞いた事で、高等部当時同様…。
自身の母親の事を思い出して居たのだ。


勿論、つくしの母親で在る 千恵子の方が、あきらの母親で在る 美作夢子よりも、年上で在る事は、間違い無いのだが…。
とても、22歳の息子を持つ母親には見えない夢子を見て、つくしは、更に、驚愕して居たのだ。



だが、今日のつくしは、其処では無いのだ。
あきらの母親で在る 美作夢子の口振りでは、つくしは、夢子の事を知って居るという事に成るのだ。


だからだったのだろう。
此の時のつくしは、あきらの母親で在る 美作夢子に、如何返答の言葉を告げた方が良いのか?
悩んで居たという訳だったのだ。


だが、其の事を察したで在ろうあきらの母親で在る 美作夢子は、つくしの方を向いて、話しし始めるのだった。


「つくしちゃん…。
 私(わたくし)の事が分からないんでしょ⁉
 だから、無理し無くても…良いのよ。
 此れからも、仲良くしてくれたら、私(わたくし)は、嬉しいわ。」と…。


だからだったのだ。
つくしも、ホッとしたかの様に、にこっと、笑って、あきらの母親で在る 美作夢子に、伝えて居たのだった。


「はい。
 此方こそ、宜しくお願い致します。」と…。



其処に、あきらの妹達で在る 双子の絵夢と芽夢が、現れたのだ。


あきらの母親で在る 美作夢子にそっくりなあきらの妹達で在る 双子の絵夢と芽夢を見たつくしは、思わず、口から、言葉が出て居たのだ。


「フランス人形みたい…。
 可愛いい。」と…。



勿論、あきらの妹達で在る 双子の絵夢と芽夢も、中等部1年生に成って居た事で、当時よりも、すっかり、『お兄ちゃま離れ』が進んで居たのだ。


なので、あきらの妹達で在る 双子の絵夢と芽夢は、当時の様に、「お兄ちゃま~。」と、言って、あきらに飛び付いたり、抱き着いたりする様な事も無く成って居たのだ。



実は、司が、NYに渡米した事で、美作邸が、F3&T4の溜まり場の様に成って居たのだ。


だからだったのだろう。
自然と、あきらの妹達で在る 双子の絵夢と芽夢は、自身達の兄で在る あきらよりも、T4の方が、甘えられる存在に変わって居たのだ。


中でも、あきらの妹達で在る 双子の絵夢と芽夢のお気に入りは、つくしだったのだ。


T4の中でも、『姉』の立場なのは、つくしだけだったのだ。
其の為に、つくし自身、下の子の面倒を看る事には、手慣れて居たのだ。



だからだったのだろう。
つくしが、久し振りに、美作邸に現れた事を聞き付けて、あきらの妹達で在る 双子の絵夢と芽夢は、リビングに現れたのだ。


そして、何時もの如く…。
あきらの妹達で在る 双子の絵夢と芽夢は、つくしを見付けて、つくしに駆け寄り、二人同時に、叫んで居たのだ。


「「つくしお姉ちゃま~。」」と…。


其の姿に、思わず、口に出してしまって居たつくしだったのだが…。
二人同時に、抱き着かれた事で、此の時のつくしは、思わず、よろけてしまった程だったのだ。


だが、此の時のつくしの記憶の中では、あきらの妹達で在る 双子の絵夢と芽夢も、あきらの母親で在る 美作夢子同様、記憶に無かったのだ。


勿論、其の事は、あきらの妹達で在る 双子の絵夢と芽夢も、あきらから聞いて知って居たのだ。


あきらは、事前に、もしもの時に備えて、自身の母親で在る 美作夢子にも、自身の妹達で在る 双子の絵夢と芽夢にも、つくしの現状の事は、話しして聞かせて居たのだ。


知らずに、つくしの現状を見て、“ショックがる事の無い様に…。”と、言う事が、あきらにとっての最大の理由だったのだ。



そして、つくしの其の後の様子を見て居たあきらでは有ったのだが…。
つくしの様子に変わった様な所は、一切、無かったのだ。


云わば…。
つくしの記憶は戻って居ない事を、指し示して居たのだ。


言う成れば…。
またもや、『不発に終わった』という事と成ったのだ。
実は、あきらは、密かに、期待して居た事は言うまでも無かったのだが…。



そして、其の後、あきらは、司に、連絡を入れたのだ。
つくしの事を報告する為に…。




<此の二次小説『自惚れ~うぬぼれ~…<つかつく>  53.』は、一部の花男メンバーの
 セリフの中に、神尾葉子先生の『花より男子』の漫画の中の花男メンバーのセリフを、勝
 手に、拝借して、記載させて頂いて折ります。
 勝手して、拝借致して折ります事を、お詫び申し上げます。
 また、関係者各位 様に於かれましても、勝手致して折ります事を、お詫び申し上げま
 す。>

自惚れ~うぬぼれ~…<つかつく>  52.



総二郎とあきらは、司からの頼み事通り、つくしを美作邸の中に在る 東屋に連れて行く為に、作戦会議を開いて居たのだ。
勿論、つくしにバレない様に、話し合いする事は、必須だったのだが…。



そんな中で、総二郎とあきらは、“牧野には、言わないで置こう‼”と、固く誓って居た事が有ったのだ。


其れは、あの当時、総二郎とあきらが、司とつくしを、(美作邸の中に在る)東屋に閉じ込めた後…。
道明寺家のSPが、司の居所をキャッチした事で、道明寺家のSPに、司の居所がバレた事が有ったのだ。


其の為に、“司とつくしの二人だけで、話しをさせて遣ろう‼”と、折角、総二郎とあきらが画策して、司とつくしを、(美作邸の中に在る)東屋に閉じ込めたにも関わらず…。
其の結果、司は、道明寺家のSPに寄って、連れ戻された経緯が有ったのだ。


勿論、其れは、司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓からの指示だった事は言うまでも無かったのだ。


だが、現在の司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓は、あの港で、司が暴漢に襲われた事件が遭ってから、つくしの本質を知り、つくしを認め始めたのだ。


だからこそ…。
4年間のNY修行の為、司がNYに渡米する前に、大々的に、自身の婚約者として、司が、つくしの事を発表した際にも、司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓は、何も言わなかったのだ。


そして、現在のつくしの記憶の中には、司との思い出を失って居ても…。
司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓は、つくしを、司の婚約者として、道明寺邸に住まわせたのだ。



此の事の意味が、如何いう意味を成すのか?
勿論、総二郎とあきらには、良~く、分かって居たのだ。


だからこそ…。
此の時の総二郎とあきらは、敢えて、其の事に関して、“牧野には、言わないで置こう‼”と、固く誓って居たという訳だったのだ。


勿論、此の時の総二郎とあきらが、つくしに其の事に関して、“言わないで置こう‼”と、誓ったのは、司の為だけじゃ無く…。
もし、つくしが、記憶を取り戻す事が無かったとしても、“将来の司と牧野の為だ‼”と、思えたから…だったのだ。



そして、其の日から数日後…。
総二郎とあきらは、つくしを、美作邸に呼び出し、(美作邸の中に在る)東屋の前に連れて行ったのだ。


だが、つくしは、全く、記憶に無いのか?
此の時の総二郎とあきらにして視れば…。
寧ろ、無反応の様にも見えたのだ。


だからという訳では無かったのだが…。
あきらは、つくしの顔の表情を読み取ろうと、必死だったのだ。


そして、あきらは、そんなつくしに、声を掛けたのだ。


「牧野…。
 此の『東屋』を見て、何か、思い出さねぇか?」と…。


だが、つくしから返って来た言葉は、つれない言葉だったのだ。


「此処には、何か、有るの?
 『赤毛のアン』の中に出て来る様な可愛らしい家だけど…。
 普通の家みたいだよね?
 もしかして、此処(美作邸の中に在る 東屋)が、私の思い出の場所とか…?」と…。


だからだったのだ。
此の時の総二郎とあきらは、苦笑いに成るしか無かったのだ。


其処で、あきらが、代表かの様に、つくしに伝えたのだ。


「そうだな。
 此処(美作邸の中に在る 東屋)は、牧野だけじゃ無く…。
 司にとっても、思い出の場所だな。」と…。


其処で、つくしは、不思議そうな顔付きに成り乍らも、総二郎とあきらに、訊き始めるのだった。


「私の記憶の中に、どんな思い出が在るのか?
 西門さんと美作さんは、知って居るという事…?」と…。


だからだったのだ。
総二郎とあきらは、お互いの顔を見合わせ乍ら、つくしに、話しし始めたのだ。


「牧野…。
 此処(美作邸の中に在る 東屋)は…な。
 司と牧野との思い出の場所の一つだ。
 実は…な。
 総二郎と俺は、此処(美作邸の中に在る 東屋)に、司と牧野を、閉じ込めた事が有ん
 だわ。」と…。


だからだったのだろう。
つくしは、大きな目を、更に、見開いて、驚愕顔に成って居たのだ。


そして、暫くは、何も言い出せない様な様子で、総二郎とあきらの顔を、ジーっと、見て居るだけだったのだ。
其れは、まるで、“何故…?”と、訊いて居るかの様な目付きだったのだ。


だからだったのかも知れない。
総二郎は、あきらの後を受けるかの如く…。
つくしに、話しし始めるのだった。


「まぁ~、今の牧野なら、“閉じ込められた。”と、聞けば、“何故…?”と、思うだろうな。
 其れは、当然と云えば、当然だわな。
 けど…な。
 あの当時の牧野は、司からの想いを、受け止められずに居たんだよ。
 云わば…。
 煮え切らねぇって、感じだった。
 俺とあきらからすれば…。
 “じれってぇ‼”と、言う感じだったけど…な。
 そんな司と牧野を観て居て、俺とあきらは、段々、うざくも感じて居た訳よ。
 男と女というモノは、要は、好き or 嫌いかだけだろ?
 司は、牧野に対して、常に、自分自身の想いを、ぶつけてた。
 だが、牧野は、反対に、其の状況から逃げ様とするばかりだった。
 だから…な。
 端から観れば…。
 司は、牧野のストーカーみてぇだったわ。
 だから…よ。
 そんなお前等の様子を見兼ねて、俺とあきらとで相談した結果…。
 お前等の二人だけで、話しさせて遣ろうと、此処(美作邸の中に在る 東屋)に、司と牧
 野を閉じ込めたという訳だ。」と…。


だが、つくしは、其の当時の自分自身で在ったとしても、“はい、そうですか?”と、二つ返事で、総二郎とあきらからの誘導に従ったとは、とても、思えないで居たのだ。


だからだったのだろう。
つくしは、不思議そうな顔付きのまま、総二郎とあきらに、訊き始めたのだ。


「其の当時の私は、二つ返事で、西門さんと美作さんの誘導通り…。
 素直に、此処(美作邸の中に在る 東屋)に、閉じ込められたの?」と…。


だからだったのだ。
あきらは、つくしに、言って除けるのだった。


「否…。
 牧野は、警戒心バリバリだったな。
 だから…よ。
 無理矢理に近い形で、総二郎と俺は、お前を、此処(美作邸の中に在る 東屋)に、閉じ
 込めたんだ。」と…。


だからだったのだ。
そんな話しをあきらから聞いたつくしは、思って居たのだ。
“其れは、そうでしょうね。”と、納得したかの様に…。


だが、其れでも、まだ、つくしには、疑問が残って居たのだ。


何故なら…。
“閉じ込められるには、閉じ込められた理由が有るんじゃ無いだろうか?”と、つくしには思えて居たから…だったのだ。


だからこそ…。
此の時のつくしは、其の疑問を、総二郎とあきらに、ぶつけたのだ。


「ねぇ~、訊いて良いかな?」と…。


其処で、総二郎とあきらは、了承の返答を、同時に、つくしにしたのだ。


「ああ。」
「何だ?」と…。


だからだったのだ。
間髪入れずに、つくしは、総二郎とあきらに、訊き始めたのだ。


「閉じ込められるには、閉じ込められた理由が有ったんじゃ無いの?
 私が、何か仕出かしたとか…?」と…。


だからだったのだろう。
そんなつくしの頓珍漢な質問の言葉に、総二郎とあきらは、大笑いし始めたのだ。


そして、此の時の総二郎とあきらは、同じ事を思って居たのだ。


“牧野は、相変わらずだな。”と…。


だからだったのかも知れない。
あきらは、漸く、落ち着きを取り戻したかの様に、つくしに、話しし始めたのだ。


「ああ、そうだよな。
 牧野が、そう思っても仕方ねぇのか?
 実は、総二郎と俺が、此処(美作邸の中に在る 東屋)に、牧野を連れて来たのは、“新
 種のバラを魅せて遣る。”と、言って、連れて来たんだよ。」と…。


其処で、種明かしかの如く…。
総二郎が、更に、つくしに、説明し始めたのだ。


「牧野には、更に、“黒いバラを魅せて遣る。”と、言って…な。
 まぁ~、『黒いバラ』と、言っても、本物の『新種のバラ』じゃねぇぞ。
 『黒バラ』=『道明寺司』って訳だ。」と…。


其処で、つくしは、驚愕だったのだ。


何故なら…。
つくしは、思って居たのだった。


“此の二人(総二郎とあきら)の頭の中の思考回路は、如何言う発想をして居るのだろう
 か?”と…。



だが、此処迄話しした総二郎とあきらは、密かに、期待して居たのだ。
美作邸の中に在る 東屋を見て、つくしの記憶が、少しでも、戻る事を…。


だったのだが…。
つくしの様子は、一向に、変わった様子が見られなかったのだ。
勿論、其れは、東屋の中に入っても、同じだったのだ。


だからだったのだろう。
此の時の総二郎とあきらは、がっかりだったのだ。



実は、司から聞いて居なかった総二郎とあきらは、知らなかった事が有ったのだ。


其の当時、総二郎とあきらが、司とつくしを、美作邸の中に在る 東屋に閉じ込めた時には、既に、つくしの想いは、司に向いて居た事…。
否、自覚した事を…。
そして、司とつくしのお互いの想いは、既に、それぞれ、自覚して居た事を…。



だが、其の事自体、当のつくしの記憶の中には、当然では有るのだが、無かったのだ。


云わば…。
今回の此のミッションは、不発に終わった様なモノだったのだ。



だが、其処で、あきらは、つくしに、或る提案をして視る事にしたのだ。


勿論、此の時のあきらは、つくしの様子を見て、思い出したかの様に、提案した事は言うまでも無かったのだ。


だからこそ…。
総二郎にも、話しして居なかった事だったのだ。


其処で、あきらは、取り敢えず、つくしに、声を掛けて視たのだ。


「牧野…。
 別の所にも、行って視るか?」と…。


なので、つくしは、頷いたのだった。