総二郎に対するつくしと桜子の剣幕は、相当だったのだ。
「西門さん…。
一体、如何言うつもり(ですか?)なのよ‼」と…。
本来なら、滋も、総二郎に対して、怒って居たのだ。
だが、“此れは、ニッシーと優紀の問題…。”と、何処か?
割り切れて居る自分自身が、滋の中に、存在して居たのだ。
何故なら…。
滋は、優紀の上司に成るのだ。
総二郎の事で、優紀には、自分自身を、取り乱して欲しく無かったのだ。
優紀は、秘書として、優秀なのだ。
既に、滋にとっても、大河原グループとしても…。
無くては成らない存在に、優紀は成って居たのだ。
だからこそ…。
滋は、優紀には、汚点を作って欲しく無かったのだ。
だからだったのだろう。
滋は、総二郎の行動を怒り乍らも…。
総二郎の様子を観る事にして居たのだ。
そんな時だったのだ。
総二郎が、口を開いたのだった。
「優紀ちゃん…。
パーティーの時は、申し訳無かった。
俺の優紀ちゃんへの想いが、如何も、先行してしまったらしい。
許してくれねぇか?」と…。
実は、つくしにしても、桜子にしても、思う処も、言いたい事も、一杯、有るのだ。
だが、総二郎が、発した一言で、そんな総二郎と優紀を、固唾を呑んで、じーっと、観て居たのだった。
其れは、勿論、つくしと桜子だけでは無かったのだ。
F3にしても、滋にしても、同じ事だったのだ。
そして、総二郎は、尚も、話しを続けるのだった。
「優紀ちゃんが、俺を、許せねぇと言うのなら…。
俺は、二度と、優紀ちゃんとは、会わねぇ。
優紀ちゃんが、決めてくれ。」と…。
此の時の総二郎は、必死だったのだ。
優紀の顔色を窺い乍らも、必死で、総二郎は、優紀に、訴え掛けて居たのだった。
そして、漸く、優紀は、総二郎に、話しし始めるのだった。
「西門さん…。
西門さんは、私に、何を求めて居らっしゃいますか?
私は、西門さんが、お付き合い為さって居る様な、モデルタイプの容姿端麗な女性じゃ在
りません。
そう言う方を、求めて居らっしゃるのなら…。
私は、西門さんには、相応しく有りません。
如何か、そう言う方とのお付き合いを、お続け下さい。」と…。
そんな優紀の言葉は、総二郎にとって、ボディーパンチの如く…。
総二郎の心に、グサッと来たのだった。
其処で、類が、優紀に、声を掛けたのだった。
「総二郎は、あんたに本気だよ。
あんたにとっては、信じられないと思うよ。
今迄が、今迄だから…さ。
でも、総二郎は、あんたに、本気だよ。
今迄の総二郎は、モテる事は有っても…。
自分自身から、求めた事が無い。
だから…。
自分自身の気持ちに気が付く事が遅れた。
だから、あんたを見て、苛立った。
其れは、まるで、牧野の記憶を失くして居た頃の司の苛立ちと同じ…。
言う成れば…。
総二郎は、結局、司と同じ人種だったって事…。
そう思えば…。
あんただって、分かるでしょ?
結局は、総二郎が、あんたを好きな事は、間違い無いよ。
俺が、保証するよ。」と…。
なので、一斉に、F3&T4は、類を観たのだった。
其処で、それぞれが、それぞれで、口にするのだった。
「はぁ~??
俺は、総二郎と同じじゃねぇよ‼」
「其れって、如何言う意味よ?」
「俺が、司と、同じ…⁉
一緒にするな‼」
「まぁ~、似てるかも…な。」
「類君って…。
意外と、面白い事いうよね。」
「流石は、花沢さん…。
観てる所は、良く、観て居らっしゃいますわね。」と…。
だが、優紀だけは、驚愕顔を顔に張り付かせたまま…。
呆気に取られて居たのだった。
だが、此の時の優紀は、思うのだった。
“花沢さんが、「保証する。」と、言う事は…。
本当の事だと言う事だよね。
花沢さんを、信じて視ても良いのかも…。”と…。
だからだったのかも知れない。
優紀は、総二郎に、訊き始めるのだった。
「西門さん…。
花沢さんが、仰って居る事は、本当の事ですか?」と…。
なので、総二郎は、自身の想いを、優紀に言って除けるのだった。
「ああ。
司と同じ人種と言うのは、有り得ねぇけど…よ。
確かに、優紀ちゃんに無視されているというだけで、苛立って居た事は、事実だ。
優紀ちゃんが、俺を、見てくれなかった事を、含めて…な。」と…。
だからだったのだろう。
優紀は、総二郎の気持ちを、受け入れる事にしたのだった。
「分かりました。
私は、西門さんのお気持ちを受け入れます。
私は、西門さんの事を忘れた振りをして居ただけだったのかも知れません。
西門さんから、お気持ちを伺った時は、嬉しく思いました。
西門さん…。
私に、お話しして下さって、有難う御座いました。」と…。
総二郎は、此の時、真の嬉しさというモノを知ったのだった。
今迄の総二郎の生活の中で、真の嬉しさというモノを味わった事が無かったのだ。
だからこそ…。
此の時の総二郎の顔には、初めての心からの笑みが、顔に現れて居たのだった。
なので、総二郎も、優紀に、伝えるのだった。
「俺を、受け入れてくれてサンキュな!
じゃあ、俺と付き合ってくれるのか?」と…。
だからだったのだろう。
優紀は、総二郎に、話しし始めるのだった。
「はい。
お付き合いさせて頂きたいと思います。」と…。
なので、総二郎は、F3&T3が居様共、関係無く…。
優紀を抱き締めるのだった。
そして、類は、そんな総二郎と優紀に、言って除けるのだった。
「明日は、『恋人達のX’mas』だって…言ったでしょ!
明日は、12月25日だよ。
総二郎…。
良かったね。
12月25日に間に合って…。
明日は、楽しみな!」と…。
そんな類からの話しを聞いたF2&T3の面々は、何も言えなく成ったのだ。
そして、此処から、総二郎と優紀の付き合いは始まるのだった。
そして、総二郎は、滋にも、言って除けるのだった。
「滋…。
此れからの俺は、優紀の恋人として…。
宜しくな‼」と…。
だからだったのだろう。
滋は、総二郎に言って除けるのだった。
「はいよ!
優紀の仕事の支障の無い様にしてくれるなら…。
優紀の恋人が、私の友人の方が良いのかも…ね。
直接、文句が言えるし…。」と…。
だからだったのだろう。
総二郎と優紀は、開いた口が塞がらない状況と成って居たのだった。
fin