Remember me…<つかつく> 7.
司は、つくしに就けているSPに寄って、女性秘書 数名から、虐めに遭って居る報告を受けた。
そして、実際、虐めに遭ってるという報告を受け、其の現場に急行した司だった。
勿論、西田と共に…。
つくしが、虐めに遭って居るという其の現場とは…。
男性が入れない女性専用パウダールームだった。
其処(女性専用パウダールーム)で、つくしが、秘書課に在籍して居た頃は、仲良くして居た数名の先輩女性秘書から、虐めを受けて居たのだ。
壁に押し付けられて、罵倒されて居たつくしだった。
「何故、貴女ばかり、良い思いをしてんのよ‼
幾ら、会長・社長に気に入られて居ると言っても、支社長は、許せないのよ‼
調子に乗ってんじゃないわよ‼」
「………」
「何故、支社長は、貴女だけを贔屓するのかしら?
有り得ないでしょ‼
貴女は、もう、秘書課の人間じゃないのよ。
分かってるの?」
「………」
つくしには、司の記憶が無いので、数名の先輩女性秘書の面々に、何を聞かれても訳が分からないのは、当然で有ったのだ。
更に、つくしにとって、此の数名の先輩女性秘書の理不尽な言い分には、何も答えられなくても当然で在った。
つくしにとっては、仕方ないと言えば、仕方ない事だったのだから…。
だから、敢えて、つくしは、何も返答しなかったのだ。
つくしは、悟っていた。
人は立場が変われば、人の性格まで変わるという事を…。
つくしが、我慢して堪えて居る所に、男性で在る 司が、女性専用パウダールームに入って来た。
驚愕したのは、他でもない、女性秘書の数名…。
司は、そんな女性秘書 数名に罵倒していた。
「誰の許可を得て、牧野を虐めて遣がんだ、ああ?」
「「「「「………」」」」」
女性秘書達は、司のいつもより2トーン低い声に恐怖で震えていた。
そして、何も言えず、唯、俯いて居た。
そんな数名の女性秘書の面々に、更に、罵倒する司で在った。
「お前ぇ等、全員、解雇を言い渡す。
こんな事をする従業員は、幾ら、優秀な従業員で在ったとしても、うち(道明寺HD)
には、必要ねぇ‼
今直ぐ、退職手続きをしろ‼
其れと、今後一切、牧野に接触は、許さねぇ‼
其れだけじゃ無く、誰かを使って、牧野に危害を加える事も、犯罪と見做し、お前等を
警察送りにして遣る。
防犯カメラの画像も在る。
今後も、牧野には、何も、危害を加えないというのなら、退職だけで、其の他はお咎め
無しで、許して遣る。
さあ、如何する?」
数名の女性秘書の面々は、全員、涙を流しながら、頷いて居た。
其処に、西田が入って来て、其処に居た数名の女性秘書 全員を会議室に移動させ、人事部長より渡された退職届にサインをさせて居た。
其れに加えて、人事部長は、西田を通じて、司が言って居た【『牧野つくし』への制裁について(『牧野つくし』に危害を加えない)】の誓約書類にも、数名の女性秘書 全員にサインをさせて居た。
“準備が良い事で…。”と、思うしか無かった数名の女性秘書の面々だった。
だからだろうか?
此の数名の女性秘書の面々にとって、つくしを虐めて居た事が、如何して、バレたのか?
分からない様子だったのだ。
予もや、司に寄って、つくしには、SPが就けられている等と、此の数名の女性秘書の面々は、思いも寄らなかったのだ。
当然といえば、当然なのだろう。
実は、司は、SPから、『コト』の次第の報告を受けて、確認していた時から、西田には、必要書類を用意させて居たのだった。
司は、現場を押さえてから、動くチャンスを狙って居ただけで在った。
其の後、此の事件の件に関しては、何故か?
会社内に知れ渡る事と成ったのだ。
“多分、此の事件に関係の無い秘書課の誰かから、噂が広まったのかも知れない。”と、思うつくしだった。
其れしか、つくしにとって、考えが及ばなかったのだ。
一方の西田に関しては、事前に、つくしを救え無かった事を悔やんで居た。
以前、秘書課だったつくしなので…。
西田は、つくしの人と成りを知って居るので在れば、秘書課の面々も、つくしを好意的に取るだろうと、油断していた。
西田は、反省をして居た。
なので、西田の部下で在っても、つくしを虐めていた数名の女性秘書の面々には、西田自身、何も手助けする気さえ起き無かったのだ。
一方の司は…?
つくしを虐めていた数名の女性秘書の面々が、西田と共に、女性専用パウダールームを出た後…。
司は、つくしの腕を掴んで引っ張って、司の執務室に連れ込んで居た。
そして、司は、其れまで、冷徹な、誰もが、一歩、後退するで在ろう様相を呈した顔付きだったのに…。
司は、つくしの方を向いて、甘い顔付きで、優しい声で、つくしに話しし始めて居た。
「俺のせいで、お前に辛い思いをさせて悪かったな。」
「………」
つくしは、司が、謝ってくれる等とは、思わなかったので、少々、テンパってしまっていた。
だから、返答にも、苦慮して居たつくしだった。
だが、そんなつくしにはお構い無しで、司は、更に、つくしが、驚愕する様な言葉を発していた。
「俺は、お前が好き、何だ‼
一目惚れだ‼
“此の歳で…。”と、笑われるかも知れねぇが…。
初恋、何だ‼(本当は、司の初恋は、高校生の頃だったが、相手は、同一人物のつくし
で在り、司自身は、良しと勝手に判断して居た。)」
つくしは、司の言葉に驚愕していた。
だが、司は、更に、言って除けていた。
「牧野、秘書課に戻って来てくれ‼
そして、俺の専属に成って、俺の傍に居てくれ‼
お前の事が、心配で、業務が怠ってんだ。
良いだろ?」
「………」
つくしは、司の言葉に、返答出来ずに居た。
否、如何、返答すれば良いのか?
困って居たのだ。
もう、此処まで、つくしに話しをしてしまえば、司は、気持ちを隠す事無く、常に、つくしに邁進して居た。
そして、司は、在ろう事か?
西田に指示を出した。
「西田…。
俺の秘書には、あのベテラン秘書以外、今後、女性秘書は、要らねぇ‼
俺の執務室にも、入れなくて良い‼
将来的には、『牧野つくし』を俺専属の秘書にするつもりだ‼
西田、頼んだぞ‼」
「賜りました。」
西田は、今回は、西田自身の失態とも思って居るので、司の指示には、応えようと思って居た。
だが、司の指示は、道明寺HD 会長・社長にも、伝えるべき事案で有る事は間違い無かった。
また、此の件は、既に、道明寺HD 会長・社長にも、SPより、報告が入って居る事は、言うまでも無いのだ。
西田は、思って居た。
“会長・社長が、此の事案を了承為さるとは、とても思えない。
如何したモノだろうか?”と…。