twice ~2回目~…<つかつく> 1.
<つくしside>
私は、牧野つくし。
現在、28歳。
大学内では、異例な事らしく、この歳で、准教授を仰せ遣って居る。
実は、私が、准教授として、勤めている大学は、私が卒業した大学なのだ。
私は、日本では、最高峰と言われている某国立大学 農学部に入学した。
勿論、私は、大学院に進み、博士号を取得している。
先ずは、大学院卒業後は、研究員として、勤めた。
で、1年後には、講師を仰せ遣り、また、其の1年後には、現在の准教授を仰せ遣って居る。
そして、此の度、私が研究して居た水耕栽培が、やっと、日の目を見る事が出来る事に成った。
私の研究して来た研究結果を、先日、行われた『国際フォーラム』で、私は、論文を発表した。
私が、思っていたより、反響が有った様で、大学側に問い合わせが殺到したそうだ。
だが、私は、此の件に関しては、大学側に任せる事にした。
私が拘れば、企業と繋がっている等、噂が流れ、迂闊に行動出来ないだろうと、認識が在ったからだった。
なので、このまま、大学側の申し出に従う事にした。
唯、私の身の安全を考えて…。
「大学での送迎は、リムジンで行う。」と、指示されていた。
“厄介な事に成った‼”と、私は、嘆いて居た。
普段の私の通勤経路は、地下鉄を利用していた。
こう成るとは、考えても居なかった私は、如何しようもない現実に、嘆くしかなかった。
<司side>
俺は、現在、道明寺HD NY本社 副社長職に就いて居る。
現在、29歳。
俺の『目の上のたん瘤』なのが、言わずと知れた道明寺HD 社長…。
俺の母親。
今日は、そんなババア(俺の母親)に、ババアの執務室に来る様に呼ばれていた。
で、俺は、ババアに他人行儀に言葉を交わして遣った。
「どの様な、御用件でしょうか?」
俺は、てっきり、見合いの話しかと思って居た。
だが、今回は、如何も違った様子だった。
で、ババアが、口火を切って来た。
「貴方に任せたい仕事が有ります。
日本への出張と言う形で、日本支社勤務を申し伝えます。」
「どんな、仕事でしょうか?」
「貴方も、既に、知っているとは思うけど…。
先日、日本にて、『国際フォーラム』で発表された『水耕栽培』の契約権を貴方に任せ
たいの。
研究者は、○○大学の牧野准教授。
管理者は、○○大学と成って居るわ。
かなりの企業が、目を就けている状態よ。
必ず、取ってらっしゃい‼
良いわね‼
お願いするわ。
詳細は、西田に伝えて居るので、確認して於いて頂戴。」
俺は、日本に、そろそろ、帰国したかったので、“丁度良いか‼”と、思い、了承する事にした。
「賜わりました。」
「直ぐに、日本に飛んで頂戴‼」
「承知しました。」
で、俺は、NYでの案件の引継ぎの内容等を部下に伝えた後…。
あれから2~3日後には、日本の途に就いて居た。
だが、此の事が切っ掛けで、俺の周りでは、色々と、『コト』が、動き出す事と成ったのだった。
<つくしside>
あれから、私は、大学への送迎がリムジンに成った事で、何処も出掛ける事も出来ない日々が続いて居た。
私にとっては、かなりのストレスで在った。
“こんな事に成る位なら、内輪で『コト』を進めて於けば良かった。”と、私は、後悔し始めていた。
折角、優紀(私の中学からの幼馴染で親友)と、食事の約束をして居たのに…。
キャンセルする羽目に成ってしまった。
優紀も、私と、久し振りに会える事を楽しみして居てくれたらしく、がっかりして居た様子だったが…。
「仕方ないよ(苦笑)‼」
優紀は、半ば、諦め気味に笑って言ってくれた。
本当に、申し訳無く思って居た。
だが、其の事よりも、私自身でも、忙しさの余り忘れて居た事が、私の目の前で起こる事に成ろうとは…。
その時の私でも、思って居なかったのだった。
<『水耕栽培』に関しては、現在、既に、研究され行われている農業と成ります(園芸も
行われている様です)。
また、『水耕栽培』は、既に、葉野菜だけでなく、根野菜も行われている昨今…。
本来なら、『水耕栽培』の題材は、申し訳無い処と成りますが…。
其処は、『二次小説ネタ』として、スルーして頂ければ、幸いに存じ上げます。
何卒、宜しくお願い致します。
関係者各位 様、勝手致しております事をお詫び申し上げます。
申し訳御座いません。>