俺の為だけの、俺の女…<つかつく> 7.
<つくしside>
あれから、『道明寺司』という男から、事有る毎に、私にお誘いのTELが、入って来る。
態々、断れない様に、事務所にTELを入れて来る。
私が…。
「事務所にTELは困る‼」
って、言えば…。
「じゃあ、携帯のアドレスを教えろ‼」
と、言って来る。
だから、私が…。
「教えられない。」
と、言い返せば…事務所のビル前で、私が出て来る事を待って居る。
しかも、誰もが見惚れる姿で…。
愛車で在ろう車に凭れて、長い足を持て余す様に、踵の所で交差させて組ませて立ち、腕を組んでいた。
顔は、サングラス…を掛けていた。
夜にだ…よ‼
しかも、色気ダダ洩れで、私を呼ばないでよね?
「牧野…?
迎えに来て遣ったぞ‼」
同僚が見てるっつーの‼
如何するのよ?
この状況…?
私は、狼狽えるしか無かった。
けれど…。
この状況で、拒む事も出来ずに、了承する様に、あの人のエスコートで、あの人の愛車に乗り込んだ‼
明日の朝…。
出勤後の皆の視線が、怖いよ‼
<司side>
俺は、牧野が、俺のエスコートで、俺の愛車に乗ってくれた事が嬉しかった。
拒否されると思っていたから…な。
だから、俺は、嬉しさの余り、牧野をディナーに誘った。
「牧野…?
今日、このまま、ディナーに行かねぇか?」
「あの~。
このまま、何処かで、下ろしてもらえますか?
迎えに来させますので…。」
俺は、仰天した。
誰が迎えに来るんだよ?
俺以外に、こいつを迎えに来る奴が居るのかよ?
だから、俺は、知りたくて、牧野に、確認していた。
「誰が迎えに来るんだよ?」
俺の不安を余所に、こいつは、間髪入れずに、答えて来やがった。
「えっ??
うち(牧野家)のSPですけど…?」
牧野から、そんな言葉を聞けて、俺は、納得していた。
だから、俺が送り届ける事を伝えた。
「俺が、きちんと、送って遣る。
だから、ディナーに付き合えよ‼」
俺は、こいつを離さねぇとでも言わんばかりに、愛車を運転しながら、こいつに責めて居た。
<つくしside>
私は、あれから、あの人の誘いを断り切れずに、ディナーにお付き合いしていた。
そして、そのまま、(牧野家の)お邸に送ってもらった。
吃驚する位の紳士振り…。
『ばあや』(牧野家の使用人頭)も吃驚していたわよ‼
ああ、これからが、『前途多難』…。
そう思いながら、朝、出勤してみれば…。
やはりの皆の目線に、項垂れるしかなかった私だった。
事務所のスタッフには、私が、牧野コーポレーションの娘で在るという事は、言って居ない。
だから、多分、一般家庭出身の娘だという認識だと思う。
だから、まさか、道明寺HDの息子が、私を迎えに来たという事に信じられないのではないだろうか?
唯、私が、吃驚した事を言われたのは、確かだった。
男性弁護士の先輩から、言われてしまった。
「牧野…。
お前、道明寺HDの息子と付き合ってるのか?」
「えっ??」
私は、如何言えば良いのか?
悩むしかなかった。
で、その後に言われた言葉に、もっと、驚愕するしかなかった。
「今日…?
仕事終わり、俺に付き合えよ‼」
「( ゚Д゚)ハァ?」
私は、眼をパチクリして、驚愕顔に成って居たと思う。
私は、如何答えて良いのか?
更に、迷うしかなかったのだった。