俺の為だけの、俺の女…<つかつく> 8.
つくしは、驚愕で、先輩に言葉を交わしていた。
「先輩、冗談は、止めて下さいよ‼」
「冗談じゃないぜ‼
本気だよ‼」
つくしは、如何遣って断ろうか?
悩み出した。
そして、仕事が終わり、片付けをし始めたつくしの所に、先輩が現れた。
「牧野…?
約束だろ?
今から、付き合えよ‼」
「えっ??
お断りしたと、思って居たんですが…?
申し訳ないんですが…。」
そう言って、退所し様として居た所に、つくしの後ろから、先輩が、就いて来ていた。
そして、ビルを出て来た所に、司が、『昨日、宜しく‼』…の如く。
また、愛車に凭れて待って居た。
「牧野…?
帰るぞ‼」
司は、つくしの後ろに、つくしの先輩と言う男性先輩弁護士が就いて来て居る事を確認していた。
だが、先輩は、司が、つくしを呼んでいる事を確認して、慌てて、同意を求める様に、つくしを引き留め様として来た。
「牧野…?
此れからは、俺との約束の方が、優先だよな?」
司は、余裕の顔付きで、つくしに笑って魅せていた。
で、司は、つくしの先輩弁護士に向かって、鼻で笑って魅せていた。
其れと同時に、司は、つくしの腕を司の方に手繰り寄せて、つくしの背後からハグをして居た。
「フン‼
悪ぃが、俺の方が優先、何だよ‼
牧野は、俺の女だ‼
両家の親が、俺とこいつの婚姻を結ばせたがってんだよ‼
俺と牧野は、所謂、許嫁ってやつ何だよ‼
あんたは、諦めるんだな‼
あんたの出る幕はねぇんだよ‼」
「………」
司の物言いは、司の威嚇とも取れる物言いでは在った。
仮にも、弁護士に…だ。
つくしは、此の状況に不安に成って居た。
で、先輩は、つくしに対する司の余裕の仕草と言葉に驚愕していた。
そして、先輩は、ぐうの音も出ない様子だった。
そして、先輩は、つくしの方を見ていた。
つくしに本当か如何かの確認をする様に…。
つくしは、取り敢えず、ニコっと、笑うしか出来なかった。
で、司は、つくしをエスコートして、そのまま、司の愛車に乗せた。
そして、司は、愛車を発進させていた。
其処で、つくしは、司に怒りを込めて、言葉を発していた。
「さっきのは、如何言う意味…よ?」
「何が…?」
「さっき、先輩に言っていたお互いの両親の事…よ?」
「あぁ~。
俺等は、見合いをする予定だった。
うちのババア(司の母親)が、牧野の親父さんに、見合いの打診をして、一度は、牧野
の親父さんは、うちのババア(司の母親)に了承してんだ‼
其れが、如何言う意味か?
お前が分からねぇ訳、ねぇだろ?」
「企業 vs.企業の見合いって、訳でしょ?
でも、私は、一人の弁護士…。
私は、牧野コーポレーションの娘だけど、会社とは、全く、関係ないわ。」
「俺は、企業間の見合いだとは思ってねぇよ‼
俺は、お前を一人の女として、お前を求めてる。
願わくば…。
お前と婚姻関係を結ぶ事で、牧野コーポレーションと提携出来れば、尚、恩の字だ‼
だが、其れは、二の次…。
お前と、先ずは、恋人として、付き合いてぇと思ってる。
お前が、俺を選べば、お前は、幸せに成れんだよ‼
俺とお前の周りの人間全ても…な。」
「………」
つくしは、もう、これ以上、何を言っても、司には、断れない様な気さえして居た。
“私は、このまま流されて、道明寺さんとお付き合いする事に成るんじゃ無いか?”と、さえ、思い始めていた。
そんなつくしにとって、収穫だったのは、強引に迫られ掛けていたつくしの弁護士仲間の先輩を、司が、退治してくれた事位しかなかった。
司は、つくしが、何も言い返して来ない事に、密かに、ほくそ笑んで居た。
それからと言うもの…。
司は、つくしを迎えに行く日々だった。
最初の内は、そんな司の行動に…。
勿論、つくし自身は、戸惑って居た。
だが、司は、つくしの気持ちを余所に、つくしに尽くし始めた。
其れが功を奏したのか?
つくしは、徐々に、司を受け入れ始めた。
つくしは、そんなつくしに尽くしてくれる司の事が心配だった。
“会社は、成り立って居るのだろうか?”と…。
だから、つくしは、司に確認し始めていた。
「あの~。
道明寺HDは、大丈夫、何ですか?」
「はぁ~??」
司は、つくしの言葉に面食らっていた。
つくしが、何に対して、何を心配してるのか?
今一、司は、分かって居なかった。
だから、司は、運転しながら…。
つくしの顔を、チラチラ見ていた。
そして、話しを続けて居た。
「道明寺HDが、潰れる訳ねぇだろ?
お前は、何を心配してんだ?」
「だって…。
こんな時間に、退社して、毎日、私を迎えに来て下さって…。
花沢さんからは、道明寺さんの帰宅時間は、“いつも、午前様だよ‼”と、伺って居たの
で…。」
「はぁ~??
今、何で、類の名前が出て来てんだよ?」
「………」
司は、何も、答え様としないつくしに、痺れを切らしたかの様に、続けて話しし出していた。
「俺は、お前と居んだ‼
俺と二人っきりで一緒に居る時に、俺以外の男の名前を出すな‼
それにな…?
俺は、お前が心配、何だ‼
俺が、お前を放って置けねぇだけだ‼
だから、早朝出勤してんだから…。
大丈夫だ‼」
「………」
つくしは、そうまでして、自分(つくし)自身に尽くしてくれる司に、もう、何も言えなく成って居た。