懊悩(おうのう)≒ OH NO‼…<F4&T4> 4.
一方、滋は、ショックだった。
滋にとっては、司は、“やっと見付けた理想の人…だ‼”と、思って居たのだから…。
所謂、滋は、司が、一目惚れだった。
だが、司にとっては、つくしが一目惚れだった。
だから、滋は、司を諦めるしか無いと悟って居た。
其れに、付け加えて言う成れば、F2(総二郎とあきら)にとっては、司は、『猛獣』なのだ。
桜子から聞く処に寄ると…。
滋も、『猛獣』らしい。
所謂、滋は、『女 司版』という事に成る様だ。
“そんな二人が、上手く行く筈等ねぇ‼”と、思う、総二郎とあきらだった。
だから、滋にとっては、“司を操る事は、難しいだろう‼”と、尚も、思う総二郎とあきら…だった。
そして、桜子なのだった。
F4&T4(?)の集まりの日から、数日後の事だった。
偶然、『party』で、滋は、類と再会していた。
何か、機嫌が悪そうな、眠そうな顔付きをして、父親らしき人に就いて挨拶回りをして居た。
そんな中でも、知り合いと遭遇したのか?
にこやかに微笑みながら、挨拶を交わしていた。
その類の姿に、キュンっと、成ってしまって居た滋だった。
何故なら、中々、巷では、見られないで在ろう類の笑顔だった。
実は…その時。
類は、静の父親で在る藤堂商事 社長と挨拶を交わしていた。
世間では、類は、いつも、不機嫌な顔付きをして居ると言われていた。
その時の類の笑顔は、類にとっては、極僅かな知り合いの間でしか見せる事の無い笑顔だったのだ。
其れは、司も同じだったのだが…。
そういう意味で言えば、静(せい)の司&類に対して、動(どう)の総二郎&あきらだった。
その日の滋は、類に声を掛けらないまま、(大河原)邸に帰って居た。
其れが、滋にも類に声を掛けられるチャンスが来た。
滋が、騙し討ちで親に連れて来られたお見合い先のホテルのロビーで、丁度、お見合い終わりの滋は、類を見掛けて居たのだった。
で、滋は、類に声を掛ける為、慌てて、両親に断りを入れ、その場を、両親から離れたのだった。
「パパ、ママ…。
急、何だけど…。
人と会うんだった事を思い出したので、行って来るね。」
「分かった。」
「早く帰って来なさいね。」
で、直ぐ様、類の方に向かって居た。
で、慌てる様に、滋は、類に声を掛けていた。
「ねぇ、類君でしょ?」
類は、怪訝な顔をしながらも、滋の方を、一応、向いて居た。
だが、類には、見覚えのない女性だった為、何も言わず、行こうとして居た。
其れを必死な思いで、引き留めようとして居た滋だった。
「ちょっと、ちょっと…。
私の事…。
覚えてない?」
「………」
類の返答は、無反応だった。
其処で、滋は、慌てて、類の腕を掴んで、引き留めようとして居た。
「ちょっと、待っててばぁ~‼
私、T4の一員なの‼
私、大河原滋って、言うの。
この前の撮影の時に会ったんだけど…?
って、言うか?
男女ペアでの2ショット撮影の時、一緒に写したじゃん?
覚えてない…?」
「………」
類は、唯、滋に捕まれている自分自身の腕だけを、じーっと、見詰めていた。
類のその姿に、滋は、類の腕を掴んで居た滋の手を離して、類に謝りを入れていた。
「あっ、ごめん‼
痛かったぁ~?」
「………」
其れでも、類は、無言だった。
否、滋を睨み付ける類だった。
其処に、滋は、満面の笑みで、類を誘い出そうと思っていた。
如何も、滋は、類から、断られるとは、思って居ない様子だった。
「類君…?
今から、カフェに入らない?」
「………」
だが、類は、唯、滋を睨み付けるだけで、無言で、その場を後にして居た。
類が去ったその場に滋は、居辛さを感じていた。
何故なら、その場に居たギャラリーとでも言うべき、ホテルのお客様・従業員の目線の先に在る者が、誰で在るかを悟った滋だったのだ。
なので、滋も、その場から離れたので在った。
だが、この噂は、F3&T3に轟いて居た。
何故なら、類と滋が、あのホテルで一緒に居る所を、ホテルのお客様に寄って、隠し撮りをされ、『Twitter』で上げられてしまって居たのだった。
なので、F2&桜子は、類と滋を呼び出そうと話しして居た。
何故なら、類と滋に接点を感じていないからだった。
唯一、類と滋に接点が在るとする成らば…。
あの撮影の時の男女ペアでの2ショット撮影で一緒に写した位だったのだ。
類自身、呼び出された事に寄り、この時点では、迷惑この上ない状態だったのは、言うまでも無かった。
噂を聞き付けた類の親でさえ、此の状態を歓迎する雰囲気を醸し出し始めたのだから…。
何故なら、類の親は、『女性嫌い』で、有名な我が子(類)のイメージを払拭したいと考えて居たのは、言うまでも無かった。
類は、“溜まったもんじゃない‼”と、叫びたい心境だった。
で、類と滋は、F2&桜子に寄って、呼び出される事に成った。
勿論、類と滋は、それぞれ、『F4LINE』と『T4LINE』で、それぞれ、呼び出しを喰らって居たのだった。
断わる事等、出来そうもない程の強引さで…。