インフルエンサー・マーケティング…<つかつく> 1.
『インフルエンサー』とは…。
世間に与える影響力が大きい行動を行う人物の事。
『インフルエンサー・マーケティング』とは…。
その様な人物の発信する情報を企業が活用して宣伝する事。
<『インフルエンサー』Wikipediaより、引用。>
という事は、楓にとっては、息子の司は、『インフルエンサー』に成り得るって事だ。
また、道明寺HDとしては、そんな司を『インフルエンサー・マーケティング』として、企業が活用して宣伝する事も、司自身も、厭わないで在ろうと判断しているという事に成る。
何故なら、司は、道明寺HDの副社長だからだ。
だから、楓は、我が息子を、企業戦力として、情報を発信させるに相応しい行動を取らせ様としていた。
なので、楓は…。
其の為に必要なのは、高校生の頃から、司と付き合って居る『牧野つくし』の存在は大きいと考えて居た。
何故なら、司は、『牧野つくし』の存在無くしては、生きて行けない程、ご熱心の様子だったからだ。
司とつくしが、高校生の頃から付き合って居る事は、セレブ界では、既に、有名だった。
何故なら、司が、4年の修行の為、NYに渡米する前に、“4年後、迎えに行きます。”と、世間に公表した相手がつくしだという事もそうだが…。
司が、4年のNY修行を終えて、つくしを迎えに行く為に、日本に帰国してからの司の『party』のパートナーは、つくしの役目だったからだ。
しかも、楓は、司が、快く、機嫌良く、『party』に出席する為に、常套手段として、つくしを司の『party』のパートナーにて、出席させていた。
其れは、つくしが、大学生の頃からだった。
しかも、楓は、NYに居る間の司の『party』のパートナーに、椿を伴わせて居た。
其れは、つくしの為…。
変な噂が、司に付かない様にする為…だった。
椿も、つくしの為、快く、司の『party』のパートナーを引き受けていた。
だが、其の楓の判断が、時として、仇と成る場合も、嘘では無かった。
何故なら、今や、つくしも目立つ存在に成り得ていたからだった。
今や、司とつくしの付き合いを認めている楓…。
否、司が、NYに渡米して居る間には、既に、楓は、つくしを認めていた。
『つくし』と言う女性は、あの『鉄の女 道明寺楓』が、唯一、認めた女性だったのだ。
そんな女性で在るつくしを取り込みたいと、企む企業まで出て来た。
つくしの『人たらし』振りは、時として、仇と成り得ると言う事なのだろう。
また、仕事が出来るつくしは、今や、道明寺HDには、無くては成らない存在だった。
勿論、司にとっても、『唯一無二』の女性。
司を生かすも殺すも、今や、つくし次第とまで、云わ占めていたつくしだった。
つくしは、司に劣らず、今や、『インフルエンサー』的、存在…。
つくしも、道明寺HDの『インフルエンサー・マーケティング』の一環を担い始めていた。
だから、楓は、つくしを寄り一層、取り込み始めた。
司の為だけじゃ無く、将来の道明寺HDの為に…。
其の日は、突然、遣って来た。
つくしは、現在、道明寺HD 企画営業本部に在籍していた。
楓は、つくしが、司の専属秘書に成る事だけは、拒絶している事も理解していた。
だが、今は、そんな事を言って居られない。
楓は、司が、他企業から、政略結婚の相手に狙われて居た事は、司が、高校生の頃から、予想して居たし、知っても居た。
だが、今は、つくしが、狙われている。
其の事を鈍感で在るつくしに理解させなくては、何時何時(いつなんどき)、拉致られも仕方ない状況だったのだ。
其の為に、楓は、日本に帰国して帰って来た。
勿論、【つくしを司の専属秘書に就かせる為に説得する】と、言う事が、第一条件では有るが…。
【其の事を司にも理解させる】という事も、また、楓にとっては、重要な帰国の理由だった。
楓は、つくしを楓の執務室に呼んだ。
【コンコン】…つくしが、楓の執務室のドアをノックした。
「牧野です。」
「お入り為さい。」
楓は、つくしが楓の執務室に入って来たと同時に、座る様に、指示を出した。
「そちらにお掛けに成って…。」
「失礼します。」
そう言ってから、つくしは、ソファに座った。
楓は、見て居た資料を執務机に置き、掛けていた老眼を外して執務机に置いた。
そして、楓は、つくしが座るソファの真向かいに座った。
そして、間髪入れずに、つくしに、行き成り、辞令を出した。
「つくしさん…。
今日、此の後から、つくしさんは、司の専属秘書に就いてもらいます。
宜しくて…?」
「はぁ~??」
つくしは、驚愕していた。
通常、辞令は、1ケ月程前には出る筈…。
幾ら、遅い辞令でも、通常の企業としての場合は、2週間程前までには、辞令が出る筈で在る。
何故なら、引継ぎ等に掛かる時間も必要だからだ。
其れが、“今の今…辞令を出されても…。”と、困惑するつくしだった。
つくしは、断りを入れるつもりで居た。
「そう成ると、引継ぎも有りますし…。
急に、申されましても、難しいと思われますが…。」
楓には、つくしが拒否して来る事位は…お見通しだった。
司を通してでは在るが、長い付き合いの楓とつくしで在る。
其れも、いつも、つくしは、楓に反論して来る。
此の事に関しては、つくしが高校生の頃から、全く、変わって居ない。
だが、今では、そんなつくしを許し、言わせている。
否、楽しんで居る楓だった。
楓に反論して来る人間等、此の世の中には、他人では、タマ以外は、つくし位だった。
長年、楓に仕えて来た西田でさえ、其れは、儘ならなかった。
今の楓には、タマもそうで在るのだが、つくしの事は、他人とは、思って居ないのだろう。
だから、少し、不貞腐れ気味に答えていた楓だった。
「あら、企画営業本部長には、了承を得てるわよ‼
其れと、引継ぎは、必要ないわ。
引き続き、企画の仕事は、つくしさんが遣って頂戴。」
つくしは、不思議だった。
企画の仕事は、今まで通り…。
“じゃあ、何故、異動の必要性が有るのか?”と…。
<『インフルエンサー』Wikipediaより、引用させて頂きました。
勝手致しまして、拝借致しております事をお詫び申し上げます。
関係者各位 様、勝手致しております事を、お詫び申し上げます。>