俺の為だけの、俺の女…<つかつく> 12.
<司side>
俺は、類と静が、此処(メープルのラウンジのVIPルーム)から出た後…。
あいつ(つくし)に声を掛けた。
類が、此処(メープルのラウンジのVIPルーム)から出る直前に、言って居た言葉が気に成っていた。
類が、此処(メープルのラウンジのVIPルーム)から出る直前に、言って居た言葉とは…。
『ほんと、司と牧野には、『飴と鞭』が、必要だね‼
まあ、今回は、牧野に、荒治療をし過ぎた感は在るけどね。』だった。
“一体、類と静は、何が言いてぇんだ?”と、思うしかなかった俺だった。
だが、あいつの顔を見て居たら、そんな気も、スーッと、和らいで行くから…。
“不思議だよな‼”とも、思って居た俺だった。
“あいつは、俺の『精神安定剤』かよ‼”と、一人、ゴチていた。
そんな時、あいつが俺の方を向いて、言葉を発して来た。
「怒ってる?」
「………」
行き成り、そんな言葉を言われて、思わず、言葉が出なかった。
否、心の中では、間違い無く、言葉を発していた。
“何を…?”と…。
だが、あいつは、また、何を誤解しているのか?
俺には、分かんねぇだが…。
俯き出した。
だから、この部屋(メープルのラウンジのVIPルーム)には、俺とあいつの二人っきりと言う事も在って、俺は、思わず、あいつの両頬を俺の両手で挟んで、俺の方に向かせて遣った。
で、言って遣った。
「何を誤解してんだよ‼
この部屋(メープルのラウンジのVIPルーム)には、今は、俺とお前しか居ねぇだよ‼
何、緊張してんだか?
其れに、怒ってねぇし…。」
「ほんと…?」
こいつは、何を疑っているのかさえも、俺には、分からなかった。
だから、また、言って遣った。
「俺は、“お前が好きだ‼”って、言ってんだろ‼
好きな女が、俺の目の前に居んのに…。
何に、怒る事が有んだよ?
言ってみろよ⁉」
「………(微笑)」
こいつからは、言葉はねぇが、何か、嬉しそうにニコっと笑ってやがるこいつの顔が、俺の気持ちを、更に、和ませやがる。
それだけで、俺は、嬉しく成って来る。
“ほんと、こいつは、俺の『精神安定剤』の様な女だよな‼”と…。
つくづく、俺は、そう思って居た。
やっぱ、俺には、こいつが良い。
そう、思って居た俺は、俺の両手で挟んでいたこいつの両頬を、俺の両手で俺の方に引き寄せていた。
気が付いた時には、俺の顔の目の前にこいつの顔が在った。
其れでも、こいつは、そんな俺を嫌がって無さそうだったので、思わず、俺は、こいつにkissを仕掛けていた。
だが、拒もうとしねぇこいつに、味を占めてしまった俺は、軽くタッチするだけのkissから、深く成るkissに切り替えて、更に、仕掛けた俺だった。
俺とこいつの唇が離れた時…。
照れた様な顔付きのこいつが可愛くて、また、kissを仕掛けて遣った。
今度は、直接、深めのkissを…。
其れでも、嫌がる素振りのねぇこいつに、欲が出て来た俺は、お互いの唇が離れた時に、俺は、こいつの肯定の言葉が聞きたくて、思わず、発していた。
「俺は、お前の事を愛してる‼
俺は、両家の思惑だけじゃ無く、お前自身を、俺からは、もう離せねぇよ‼」
「………」
俺の言葉に面食らった様な顔付きのこいつに、苦笑いの俺だった。
だが、また、俯いたままのこいつに俺は、更に、促す様に、言って除けていた。
「お前の気持ちを俺に聞かせろよ‼」
こいつが照れた様に、俺には見えた。
顔が真っ赤に成り、俯いたまま、頷くだけのこいつに…。
俺は、更に、畳み掛けて遣った。
「頷くだけじゃねぇで、言葉に出して、言ってみろよ?」
「………」
だが、こいつは、俯いたままの顔を急に、引き上げて、俺の顔を見詰めて来た。
で、言葉も発しなかった。
だから、俺は、質問する様に、更に、こいつに畳み掛けて遣った。
「なぁ、質問するな⁉
俺の事、好きか?」
頷いたこいつ…。
俺は、心の中で、“よっしゃー!”と、叫んでいた。
だが、まだ、訊き出す事は在る。
「俺の事…何時から好きに成った?」
「静さんに、訊かれた時に…気付かされたというか…?」
「はぁ~??
人に言われなきゃあ、自分自身の気持ちに気付かねぇのかよ?」
「………。
すみません。」
俺は、撃沈した。
“其処まで、お前は、『鈍感』、なのかよぅ~?”と、項垂れるしかなかった俺だった。