俺の為だけの、俺の女…<つかつく> 20.
<司side>
俺は、NYのババアに連絡して、つくしの気持ちを伝えていた。
「俺は、つくしとは、例え、結婚前で在ったとしても、(道明寺)邸で一緒に住みてぇと
思ってるんだが…。
つくしから言われた言葉は、『道明寺家の嫁として嫁ぐ私(つくし)の気持ちも分かっ
て欲しい‼』って、言われてよ。
つくしが言うには…よ。
親の了承を得てからじゃねぇと、結婚前からは、俺とは一緒に住まねぇらしいんだよ
な。
だから…よ。
良いよな?」
“………”
ババアは、絶句したのか?
一瞬、声が出てねぇ様子だったので、俺は、焦ったが…。
如何も、俺が思った意味とは違う意味で、絶句していた様子だった。
“何を今更…。
「もう、既に、一緒に住んで居るのか?」と、思って居た位よ⁉
貴方にしては、のんびり構えて居た様ね?”
「………」
俺は、つくしに言われて、仕方なくババアに伝えた事で、ババアから聞きたくもねぇ嫌味な言葉を聞かされた俺って…。
イライラするだけだっつーの‼
だから、ババアには、言い返す言葉も見付からず、無言で居た俺だった。
“ほら、見ろよ‼
つくし…?
俺は、ババアから、嫌味たっぷりに言われてしまったじゃねぇか?”
と、つくしに叫びたい心境だった。
それに、まあ、良いわ‼
取り敢えず、親が同棲を反対しねぇなら、今直ぐにでも、あいつを取り込めば良いだけだし…よ。
“後は、タマが、上手くコトを運んでくれんだろ‼”と、俺とつくしの将来に、既に、気持ちは馳せていた。
<つくしside>
またもや、私は、パパから、パパの書斎に呼び出されていた。
如何も、司は、道明寺邸での私との同棲の件を、司のお母様に伝えたらしく、司のお母様からパパに話しが有ったらしい。
私は、結婚するまでは、『実家暮らし』と、思って居たし…。
パパも、ママも、そうだろうと認識していた。
なのに、パパの口から出て来た言葉は、私の思って居た言葉と違って居た。
「つくし…?
司君が、道明寺社長に打診したらしい。
司君はつくしと、例え、結婚前で在っても、道明寺邸で同居したいらしい。
道明寺社長も、“出来るだけ早くつくし(さん)に道明寺家の事を知って欲しい。”と、
仰って下さって居てな。
結婚前では在るが、両家の顔合わせも済んでいる事だし…。
婚約発表も近々、行う予定だ。
道明寺社長からは、明日にでも、道明寺邸に来てもらっても構わないと言われている。
如何だ‼
もう、つくしは、道明寺家に嫁入りが決定している。
司君とつくしは、『政略結婚』じゃない。
『恋愛結婚』だ‼
お互い、離れ離れは、辛いだろ?
道明寺社長にお願いする旨をパパから、伝えて於こうか?」
「………」
私は、呆気に取られて言葉も出なかった。
パパ、そんなニコニコした顔で、言わないでよね⁉
しかも、今にも、小踊りしそうな勢いじゃない。
パパの横に居たママまでもが、小踊りしそうな勢いって…。
どんな夫婦よ‼
一応は、『牧野コーポレーション』の社長と社長夫人でしょ?
幾ら、お爺様から、引き継いだ会社だからって…。
内(牧野家)と 外(牧野コーポレーションの社長としての仕事の時)の顔が、違い過ぎるのよ‼
ほんと、いい加減にして欲しいよ‼
でも、此処まで来たら、司の言う通りにしないと、多分、司のお母様まで、出て来られるわよね。
司のお母様が、司と私の道明寺邸での同棲に許可したのなら…。
司のお母様に出て来られても、其れは其れで、今後の道明寺家の嫁としての私(つくし)の立場にも影響して来るだろうし…。
もう、成る様にしか成らないなら、司の言う通りにしますか?
でも、司のして遣ったりのドヤ顔を見ると、私は、ムカつく事は分かり切っている。
何か、負けた感MAXだけど…。
これからが、前途多難…だ。
“如何遣って、此れから、あいつを手懐けて遣ろうか?”と、私は、悩む事に成るのだった。
<司side>
つくしが、道明寺邸での俺との同棲に、了承して来た。
唯、つくしに言われた言葉に、して遣ったりだった。
「子供の同棲の話しに、お互いの両親を、普通、利用したりする?」
「お前が、俺の親に確認を取ってからって、言ったんだろうが⁉」
「言ったのは言ったけど…。
親同士で、話し合いをさせて、子供が其の指示に従うって、如何なの?
司と私は、もう、立派な成人者なのよ‼」
俺は、こいつを手懐ける為に、敢えて、言って遣った。
「お前が、いつもで経っても、じれったいからだろ?」
「………」
ほら、何も、言えねぇで遣んの‼
俺の勝ちだな‼
俺は、こいつに、ニカっと、笑って魅せて遣った。
こいつは、動揺してるみてぇだったけど…な。
で、俺とつくしが同棲を始めて、暫くしてから…。
俺とつくしの同棲が、あいつ等 F3&松岡・三条にバレた事は言うまでも無かった。